Sibelius 交響曲第2番ニ長調
(エサ=ペッカ サロネン/ロサンゼルス・フィル)


2007-2008, Live recording, Walt Disney Concert Hall, Los Angeles, California, USA Sibelius

交響曲第2番ニ長調

エサ=ペッカ サロネン/ロサンゼルス・フィル

2007-2008, Live recording, Walt Disney Concert Hall, Los Angeles, California, USA

 Esa-Pekka Salonen(1958-芬蘭土)はフィルハーモニア管弦楽団の首席指揮者(2008-2021迄)このロサンゼルス・フィルは在任1992-2009年、けっこうな長期政権となりました。ことし2020年よりサンフランシスコ交響楽団の音楽監督に就任、年齢的にまだまだ活躍できる人でしょう。録音も数多いけれど、芬蘭土出身なら当然Sibelius録音!期待したいところ、ところが第5番とこの第2番ライヴしか探せませません。自分が知らぬだけか。

 お気に入り作曲家、そして作品、昔馴染みの音源を探して確認しようと、その場繋ぎに目に付いたものを聴き出したもの、北欧の怜悧な旅情とは縁の薄そうなパワフルな亜米利加西海岸のサウンド、これが意外なほど相性がよろしい。これ1曲のみ、贅沢収録のライヴ音源は音質もアンサンブルも良好でした。明るく、朗々とスケール大きな演奏。オーマンディとかバーンスタインとか、けっこうパワフルな演奏も相性良かったですよ。

 古典的な二管編成、ティンパニの活躍も印象的なしっとり味わい深い名曲中の名曲。第1楽章「Allegretto」。順々と味わい深い静かな弦にホルンが呼応する第1主題、誰でも知っているわかりやすい旋律は自在な旋律の暗転やら展開があって、一筋縄ではいかぬ心象風景の変化があります。サロネンは颯爽と歌ってオケのサウンドは清潔、粘着質に非ず、ていねいな仕上げに彫りの深い表現に、スケールも間も説得力も充分。この辺り、1960年代あたりの粗野なサウンドとかなり変わったと感じます。(10:14)

 第2楽章「Tempo andante, ma rubato - Andante sostenuto」は荘厳なニ短調。ティンパニのトレモロから低弦のピチカート、そしてファゴットが鬱々と歌う第1主題は不気味。この辺りのリズム感はオモロいですね。やがて弦楽器が情感を高めて劇的な昂揚、詠嘆が管楽器によって締め括られる・・・(やや間)そして天国のような弦と浮遊する木管(フィレンツェのキリスト像とか)この辺りサロネンの組み立ての上手さ、金管を大爆発させないのもバランス感覚なのでしょう。いくらでも煽れそうなところ、ややテンポは走っても咳いた印象もなく、粘着質に重くもならない。(13:29)

 第3楽章「Vivacissimo - Trio. Lento e soave - attacca」。ここは快活快速スケルツォ。弦の目まぐるしい旋律アンサンブルはオケの力量の見せ所、ここは一気呵成なリズム感は見事なもんでっせ。トリオの懐かしくも牧歌的なオーボエ旋律との対比も見事、合いの手のチェロ・ソロも床しく、この辺り名曲たる所以、説得力を物語るもの。これを繰り返して満を持して、エネルギーをタメにタメてアタッカで終楽章へ。(6:03)

 第4番「Finale. Allegro moderato - Moderato assai - Molto largamente」。勇壮雄弁な弦の歌にトランペットが呼応するカッコ良い出足。ティンパニの見せ場も多数。そして静かに嵐が接近する第2主題は暗鬱、この対比も名曲ですねぇ。これがやがて日差しが差し組むように解決するけれど、未だ楽章中盤、音量も情感も抑制して再びの嵐、ラストの大団円に向けて準備を進めております。

 第2主題の暗鬱は再びいっそう深く、満を持しての第1主題によるクライマックスは雄弁、そして肩の力が抜けて柔軟ですよ。(13:06)西海岸の陽光豊かな豊潤サウンド(自分はアンサンブルの精度に甘いと自覚しつつ)ライヴとは思えぬ立派な演奏。会場の盛大な拍手に初めてライヴであることを思い出しました。

(2020年6月21日)

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written by wabisuke hayashi