Sibelius 交響曲第4番イ短調/Rachmninov 交響詩「死の島」
(エルネスト・アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団)


 このデザインは英DECCA SX6095 Sibelius

交響曲第4番イ短調(1963年スイス・ロマンド管弦楽団)

Rachmninov

交響詩「死の島」(1954年パリ音楽院管弦楽団)

エルネスト・アンセルメ(Ernest Ansermet, 1883ー1969瑞西)

この写真はLP英DECCA SX6095

 日本のSibelius人気はおそらく渡邉暁雄さん(1919ー1990)の成果、自分がSibeliusと出会ったのはおそらくヘルベルト・カラヤン/フィルハーモニア管弦楽団(1960年)(←リンク先は恥ずかしい駅売海賊盤/処分済)、中学生時代にはロリン・マゼール/ウィーン・フィルの第6番第7番(もちろんLP)を聴いていたから、ちょっと世評とは異なる道を歩んでSibeliusファンになったのかも知れません。

 アンセルメは録音に恵まれ、彼の個性とは縁の薄そうなBeethoven、BrahmsはもちろんBachなど、今でも現役音質で聴けます。Siebliusも意外なレパートリーっぽくて、他著名な交響曲第2番ニ長調や交響詩「タピオラ」有、今回暗鬱な交響曲第4番イ短調を初めて聴いて、その明晰クリアな響きに驚きました。英国北欧系の清涼な風情溢れる方向でもなく、亜米利加のパワフルな爆発でもない、とても腰の軽いデリケートなサウンド。

 第1楽章「Tempo molto moderato, quasi adagio - Adagio」。暗くうごめくような低弦の開始、チェロのモノローグも暗鬱そのもの、やがて遠方より光が届くように金管がコラール風に炸裂して、この辺り幻想的な風景はSibeliusの魅力でしょう。息も絶え絶え、ごりごりずっしりと重くないサウンドは、アンセルメらしい雰囲気たっぷり。(9:42)第2楽章「Allegro molto vivace」は軽快なスケルツォ楽章だけど、妙に寂しげな静謐と陰影を伴います。唐突に終わる感じも儚い。(4:32)

 第3楽章「Il tempo largo」は緩徐楽章、不安げにゆらゆら漂って、つかみどころがない。この浮遊感と、スイス・ロマンド管弦楽団のかっちりとしない響きは似合っていると思います。やがて後半、雄弁な嘆きが姿を表しても厚みのないサウンドが重すぎない。(9:48)第4楽章「Allegro」は噛み締めるような遅いテンポ、指定通りチューブラーベルを使用して、この位置関係(定位)がとても効果的。第1楽章同様チェロのソロが控えめに登場して、躍動のフィナーレとなります。なんとなくリズムがユルいのも不安げな雰囲気、足取りはあわてず、噛み締めるように急がない。大団円なフィナーレに非ず、力尽きて弱々しく終わっていく特異な交響曲でした。(11:49)

 今回聴いた音源のフィル・アップはたまたまRachmninov。オケはパリ音楽院管弦楽団に変わって、これも華やかに腰の軽いサウンド。「シェエラザード」と同時期の録音でしょう。これもアンセルメには珍しい録音かな?不気味な波が寄せては返す濃密な盛り上がりを見せる名曲、前作品と雰囲気の整合性があって、音質はまずまず良好なステレオ。あまり他の演奏を聴いたこともないけれど、さっぱりとした語り口が作品を堪能させてくださいました。(19:33)

(2020年9月6日)

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written by wabisuke hayashi