Vaughan Williams ロンドン交響曲(交響曲第2番)
(オウェイン・アーウェル・ヒューズ/ウェールズ・ナショナル・ユース管弦楽団)


Diversions DDV24135 Vaughan Williams

ロンドン交響曲(交響曲第2番)

William Mathias (1934-1992)

ケルトの踊り 作品60

オウェイン・アーウェル・ヒューズ/ウェールズ・ナショナル・ユース管弦楽団

Diversions DDV24135  2008年録音

 Owain Arwel Hughes (1942-)・・・

この人は1988年フィルハーモニア管弦楽団と録音しております。フィルハーモニア管弦楽団は絶好調、音質極上ながら、こちらウェールズ・ナショナル・ユース管弦楽団もけっして負けてはいない、立派なアンサンブルを聴かせておりました。ヒューズはなかなかマッチョ、雄弁な表現をする人であって、ひときは地味なこの作品を悠々たるスケールで見事にまとめ上げております。この作品に艶々の分厚い響きは必要ないと思うが、若者のオケには非力さを感じさせぬ完成度。技量の高さに文句を付ける暇(いとま)なし。ちょっと感心いたしました。(音楽日誌2011年7月)
 音源在庫をひっくり返していたら偶然出現した珍しいもの。別に深い意味はありません。ウェールズ地方の若者のオケなんでしょう。(首都カーディフ)出会いは小学生時代「グリーンスリーヴズの主題による幻想曲」に一発で痺れました。長じてCDを一生懸命集めていた頃はオークション格安で入手可能(人気ないから)売る時には苦労したもんですよ。相変わらず我が日本では英国音楽の人気はさっぱりらしくて、R.V.W.の作品を取り上げる演奏会もまず見掛けません。閑話休題(それはさておき)

 これはお気に入り作品でして、ヴァーノン・ハンドリー(1992年)、太古ヘンリー・ウッド(1936年)辺り、渋い音源にも言及ありました。

 じわじわ夜が明けてビッグベンが遠くで鳴り響き、やがて颯爽として峻厳、清潔感溢れて疾走する第1楽章「Lento - Allegro risoluto」(←これは以前の言及のコピペ)これって二時間ドラマ(再放送)のテーマ音楽。若者のオケは端正なアンサンブルを聴かせ、輝かしいサウンドの厚みに不足はない・・・けど、やや贅沢云えば素直過ぎて響きに深み、重みがちょっぴり足りない・・・かも。この出足、やがて発生する悲劇を予感させて(←二時間ドラマ)甘美、ユーモア+しみじみカッコよいところ。若いオケだから少々軽量だけど、元気いっぱいです。ここでは「ビッグベンの鐘」が少々弱い感じ。ヘンリー・ウッドなんて思いっきり鳴ってましたから。

 第2楽章「Lento」は物憂い黄昏を感じさせる渋い緩徐楽章。イングリッシュホルンが歌う静謐に内向きの旋律を導入として、ホルンもトランペットも遠くから静々と呼応して、ヴァイオリン?ヴィオラかな?セクシーなソロ、日本の馬子唄のような懐かしい鈴の音・・・華麗なる加齢を重ねると遠い目で過去を懐かしむような、こんな緩徐楽章が好みになるものです。第3楽章「Scherzo: Nocturne - Allegro vivace」は囁くように抑制され、静かに、リズミカルに躍動する素敵なところ。巧まざるユーモアも感じます。胸の底、泡立つような情感に充ちて繊細なスケルツォ。

 第4楽章「Andante con moto」。ここはいよいよ黄昏の太陽が水面に沈む、最後の輝きでしょう。やがて第1楽章の風情が回帰して(ビッグベンも)堂々たる歩み、独墺系のオーソドックスな交響曲みたいに盛大なラスト!華々しい大爆発!じゃないのが英国紳士の含羞と矜持。しっとりヴァイオリン・ソロが(「舞い上がるひばり」を連想)ひとしきり歌って、静謐に店仕舞いいたしました。

 William Mathias(ウィリアム・マサイアス)は作曲者名も初耳、きらきらとリリカル、穏健、ポップな味わい深い作品でした。太鼓に乗った愉しげな民謡風リズムも出現、晦渋な不協和音皆無、ほとんどカッコ良い冒険活劇な映画音楽風。ウェールズの文化なんて知る機会はなかったので想像の世界だけど、きっと伝統(リズム旋律)を取り入れたものなのでしょう。若者のオケのアンサンブルは繊細でした。

(2016年7月3日)

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written by wabisuke hayashi