Bach
トッカータとフーガ ニ短調
「主よ、人の望みの喜びよ」
小フーガ ト短調
G線上のアリア
Kreisler
「愛の喜び」
Schubert
「セレナード」
Debussy
「夢」
Offenbach
「ホフマンの舟歌」
Mascagni
「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲
Debussy
「月の光」
Boccherini
「メヌエット」
Borodin
「夜想曲」
Tchaikovsky
「アンダンテ・カンタービレ」
オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団(1957年〜68年録音)
CBS/SONY 22DC 5520 定価2,200円だけれど中古200円で購入
嗚呼、ツカレた。ワタシは性格的に楽観的なほうだし、日常生活に支障ない程度の健康体でもあり、経済的な環境もあります。お仕事関係だって、こんな楽しく過ごしているいるサラリーマンは日本では稀少な存在かもしれません。趣味のサイトも順調なるカウント(みたい)だし、毎日音楽を楽しんで・・・きっと幸せ。
でもほんの些細な行き違いとか、難しい人間関係も、葛藤もあります。それが毎日毎日、澱(おり)のように溜まっていって、やがて重荷になる。ハードな音楽に逃げ込めない〜集中できない。そんなこともある、フツウの中年サラリーマンの日常〜それを癒やして下さる一枚がコレ。音楽って本来はそんなもんじゃないかな。
以下の文書は数年前に書いたもので、特別に新たな感慨もありません。Bach が冒頭で4曲。ワタシお気に入りNo,1作品である「主よ、人の望みの喜びよ」は、「大喜び、大はしゃぎ」とは言い過ぎかな?なにごとも豪華好きで明るいアメリカ人のクリスマス(これはこれでけっこう真面目だったりする)風でしょうか。いずれBach はほんまに美しい。
「G線上のアリア」の敬虔なる響き、「ホフマンの舟歌」における弦の極上なる厚み、「カヴァレリア・ルスティカーナ」の涙はダイヤモンドでっせ。「セレナード」と「夢」「月の光」が、いわゆるイージー・リスニング〜とは数年前の自らのコメントだけれど、なるほど。原曲云々って原理主義に走らなくても良いじゃないの。気持ちヨロシいし。
「ノクターン」「アンダンテ・カンタービレ」は、ワタシのサイトにも数回登場していて、ワタシの嗜好性向の極めて高いもの。この2曲の原曲をカップリングしたCDを探しているのですが・・・ありそうでないのが(もちろん安いものですが)不思議なんです。
この類のコンピレーションものは、中古ではいくらでも出ます。「初心者向け」になんども出されては、それっきりの方、Brucknerなんかに行っちゃう方、いずれも「オーケストラ名曲集」から卒業しちゃうんです。ワタシは永遠に卒業なんてできないが。(2003年12月30日)以下は数年前のコメントそのまま。
こういった類の「ライト・クラシック」(死語?)は、やめられまへん。好きです。ましてやオーマンディでしょ。豪華ですね。ハデハデですね。豊かですね。このCDは(c)1989年となっていますが、その後、似たような選曲の廉価盤も出ていたような(?)気もするのですが、良く知りません。
もう国内盤は中古でしか買わなくなったなぁ。200円でしょ。少々ケースが薄汚れているけれど、CD本体は美しいもの。もちろん音楽のほうも。一時間以上収録で、@3/mか。うわぁ、もうけた。(音楽の価値を時間単位で考えてしまう)
オーマンディに馴染みの方へ→期待通りです。ゆったり、たっぷり、豪華絢爛、派手。以上。
オーマンディなんぞ知らぬ、という方へ→仕方がないので、駄文をしたためます。いざ・・・・・。
ディズニーの「ファンタジア」見ました?もう、最高に楽しいですよね。これ、CDも出ています。(ワタシが買ったのはHISTORY 20.3295-HI)その最初に入っているのが「トッカータとフーガ」で、ストコフスキーの十八番(おはこ)ですよね。
ストコフスキーは、淡彩で難解っぽいBach をなんとか楽しめるように、極色彩色管弦楽編曲したんでしょうね。フィラデルフィアで、その伝統を引き継いだのがオーマンディで、けっこうその類の録音も残っています。
ま、悪くはないけど、原曲とはまったく別の楽しい音楽になっていますね。そうだなぁ、ラヴェル編の「展覧会の絵」以上に味わいは変容。ワタシお気に入り「主よ、人の望みの喜びよ」は、金管なんかがんばっていて「敬虔で素朴な喜び」というより「大喜び、大はしゃぎ」ですなぁ。(ストコ版のほうが、原曲の味わいが残っている)
「小フーガ」が一番完成度が高い、説得力ある演奏。「G線上のアリア」は、これがかつての正しい姿だったんです。(しっとりとして荘厳なる大編成)ムジカ・アンテクヮ・ケルンやイングリッシュ・コンサートの演奏なんて、まるで別な曲ですよ。最近ではテレビで見た小澤の演奏がこんなんでしたね。
「セレナード」と「夢」「月の光」が、いわゆるイージー・リスニング(これも死語かぁ?)風編曲もの。この手のものには目がないワタシ。好きです。安易で、豊かで。ノーミソ空で聴けて。
「ホフマン」とか「カヴァレリア・・・・」なんてのは、上手いオーケストラで切々とやられると、切なくて最高なんですよね。だからカラヤンなんかも悪くない。
「夜想曲」「アンダンテ・カンタービレ」あたりは、原曲でもCDでカップリングされる、甘い、あま〜い、そして暖かい旋律の宝庫。ちょっと鼻にかかった瑞々しい音色、フィラデルフィアの名人芸が堪能できます。
お洒落なパーティのBGMにいかがでしょうか。(ウソばっか)音楽は楽しむためのもので、「眉間に皺」(「人類の哲学的な悩みはすべてオレが担っている」)・・・・・みたいなのは60年代に絶滅しました。