To CLASSIC ちょろ聴き
CLASSIC ちょろ聴き(14)
Borodin 弦楽四重奏曲第1/2番〜ロシア弦楽四重奏団(1996年録音)
ミーハーなんで「ノクターン」が聴きたくてね、手許のアッカルド盤に少々違和感あったので購入。LP時代はドロルツ弦楽四重奏団(DG)で堪能したものです。団体名が大仰だけれど、女性ばかりの4人組ですね。これも、個人的な好みではもっと甘くやって欲しい。線がちょっと細いかも。ま、時代が時代だし「ロシアだから脂っこい演奏」とは限らないかも知れないが。やや生真面目で、Borodinの魅力の源泉である「クサい節回し」の強調に欠けます。でも、この曲好きだなぁ。晩秋〜初冬にピッタリ。(2002年11月23日)
Tchaikovsky 弦楽四重奏曲第1番〜3番+断章(1865年)〜サンクトペテルブルグ・フィル弦楽四重奏団(1993年録音)
ミーハーなんで「アンダンテ・カンタービレ」聴きたくてね、ようやく買ったCD。LP時代はドロルツ弦楽四重奏団(DG)の演奏が雰囲気あったんですよ。この演奏、ちょっと硬派で鋭くて、トロトロの甘さはないけれど、静謐なる緊張感タップリ、けっして悪い演奏じゃない。ややオフ・マイクっぽくて、室内楽らしい親密さには欠けるかもね。技術的には文句ないでしょ。(2002年11月23日)
Beethoven 弦楽四重奏曲第9番ハ長調 作品59-3/Schubert 「死と乙女」〜スメタナ弦楽四重奏団(1980年前後?)
苦手、というよりまともに向き合っていないBeethoven の弦楽四重奏曲。やや、乾いた音でバリバリ弾いていく感じの演奏で、当時人気No.1の熱気を感じる演奏。室内楽だと威圧感はないし、これぞBeethoven の「構成感」魅力の神髄かも知れない。けっして、難解とか晦渋な世界ではないはず。「死と乙女」はライヴなので、いっそうアツく、入魂の迫力を感じる。(2002年11月23日)
Ravel 歌曲集「シェヘラザード」(1963年) バレエ音楽「ダフニスとクロエ」全曲(1955年)〜アンヘレス/モントゥー/コンセルトヘボウ管
アンヘレスは純粋に自分の好みから外れて、やや濃厚過ぎるか?音の状態はイマイチ。「ダフニス」は明快で、若々しくて、強烈でLSO盤を凌駕する出来映えか。雰囲気で聴かせない。オーケストラが滅茶苦茶上手い。上品だけれど表情が濃い。モノながら音の状態出色。但し、トラック13を無事越えられるか?が問題。つまり不良盤です。(2002年11月17日)
Schumann ピアノ協奏曲/「こどもの情景」ほか〜フランソワ/クレツキ/フランス国立放送管弦楽団(1950年代録音)
名曲には、名曲と認識させるだけの演奏が存在するんだなぁ、とつくづく。自由で、ラプソディックで・・・微妙にテンポが揺れるのは溜息みたいで、これほど色気のある演奏は初体験かも。クレツキのバックも息はピタリ。ほとんどモノラルだけど、音も悪くない。「こどもの情景」は、ピアノの音色がほっこり暖かいの。(ライヴ)ほか、フランソワとしては珍しいBusoni編のBach コラール2曲ほど収録。Schumannの協奏曲を見直しました。見違えました。(2002年11月3日)
R.Strauss 交響詩「ドン・キホーテ」/チェロと管弦楽のためのロマンス〜マルクソン/ルディン(vc)/アイルランド国立響(1997年録音)
R.S.に対する苦手意識がまだまだ抜けない。長大なる変奏曲であるこの曲もまだ真価が理解できない。「脱力系R.S.指向」であるマルクソンは、どこにもリキみがなくて、淡々と進めていくのは「英雄の生涯」と同じ路線か。録音が自然なる奥行きと艶があって、一つの売り物ではある。響きにアクやクセがないのは特筆すべき個性であって、随所に美しさを感じるが、どうも全体としてオーケストラもソロも大人しい。最期まで集中しきれないのは、ワタシの根性なしか?じゃ、個性バリバリにエグい演奏が好きか?と問われると悩んでしまうが。/追加。じょじょにその清冽なる世界に近づいている自覚有。何度も聴くもんだね。(2002年11月3日)
Schubert 即興曲集作品90/94+「ゴロウィン森の物語」〜グルダ(p)(1999年録音)
わりと最近出た最晩年の録音かな。即興曲を初めて聴いたのはいつだったんだろう?誰の演奏だったのかな?でも、嗚呼、世の中にこれほど可憐な音楽が存在するんだ、という感動があったはず。その思い出が鮮明に蘇る文句なしの演奏。自由で、こだわりがなくて、軽快で、天性の歌に溢れていて・・・。グルダって、やっぱり大好き。小さなこども達が無心でクルクルと踊っているような、そんな錯覚に陥ります。いや、音色が、とか、テンポが、とかそういう言及を許さない、天衣無縫の演奏でしょ。「ゴロウィン森の物語」の自由なるインプロヴィゼーション(?)はいっそう感慨深い。何度でも聴きたい。(2002年11月3日)
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