Mozart ホルン協奏曲集 第1〜4番
(ゲルト・ザイフェルト(hr)/カラヤン/ベルリン・フィル)
Mozart
ホルン協奏曲集
第1番 ニ長調K.412(386b)
第2番 変ホ長調K417
第3番 変ホ長調K.447
第4番 変ホ長調K.495
ヘルベルト・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー/ゲルト・ザイフェルト(hr)
エコーインダストリー(DGの海賊盤) CC1046 1968年録音 500円で購入
いつもの雑談更新でございます。1990年頃から集中的に集めた駅売海賊盤は歴史的役割を負え、棚中には残110枚程となりました。なんせ、21世紀は廉価盤の時代になっちゃったしね。それでも購入十数年、未だに現役で鳴り響いて下さるCDが愛おしい・・・”カラヤンのホルン協奏曲”といえばデニス・ブレインとの1954年録音が圧倒的に著名であって、こちらステレオ録音はほとんど話題にならないかも。久々の拝聴にすっかり驚きました。ややおとなしいが、ホルン・ソロの音色の美しさ、スムースな技巧、カラヤンのまったりとした仕上げの妙、豊かな響き、録音は極上・・・既に研究は進んでいて、未完成作品の寄せ集め、余人(ジュスマイヤー?)による補筆やらが加わっている(とされる)旧態とした収録、カラヤンのスタイルはあまりに浪漫に過ぎて異端である〜云々。
それがどうした?
過去に不遜なコメントを残してきたが、生演奏にも少々接する機会を得たし、他の録音も拝聴いたしました。例えばピアノ協奏曲やら交響曲を”昔のスタイルだから云々”という人いますか?ワタシは基本古楽器派だけれど、歴史的音源だって素敵な音楽なら愉しんで聴きますよ。ザイフェルトといえば往年のベルリン・フィルの金管セクションを支えた、弱音から壮大なる迫力に至るまで、見事にコントロールされたサウンドを連想いたします。(例えば1974年の「英雄の生涯」)そんな期待で聴けば、なんとも素直、しっとりと穏健派の演奏であって、ちょっと物足りない?ソロとしての主張が大人しすぎるでしょうか。カラヤン流のしっとりスタイリッシュなバックと併せ、評判よからぬのには一理あるような気もします。
でもね。正確で細かい表情付け、配慮/ずいぶん地味で淡々とした演奏(音色)というかつての評価そのまま、ゆったりと耳あたりの良いサウンドを堪能いたしました。連続4曲聴いていると、(愛するMozart ながら)やや単調で飽きちゃいますね、といったかつての(傲慢なる)感想は、第2番〜第4番迄同じ変ホ長調が続くということもあるのでしょう。実演だったら(奏者の体力問題?)まずあり得ぬ連続演奏。これはたしかサンモリッツで録音したものであって、リラックスして優雅ノンビリとした味わいもたっぷり感じます。ま、完成度は見事、完璧なテクニックなんだけど。
音質極上。ベルリン・フィルの弦は入念なアンサンブルを極めます。いつもの雑談なので、この辺りでご勘弁を。 (2010年10月15日)
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久々に再聴・・・とは言っても、不勉強なワタシに新しい切り口などあろうはずもなく、以下、数年前(更新クレジットがないから2000年くらいか?)のコメントとそう変わりはありません。有名な音源(これ執筆時点現役じゃないですか?)だし、ネットで検索すると”カラヤンの指揮に躍動感がない”と。なるほど。でも、カラヤンのMozart ってだいたいこんな感じだし、そんな違和感ないですよ、慣れているだけかも知れないが。流麗で、ちょっと粘着質で、艶々で重めで・・・(改めてオーマンディ盤/ジョーンズ(hr)のほうが、ずっと躍動していることに気付きました)。
ザイフェルトのホルンは、正確で細かい表情付け、配慮が名人芸。WagnerとかR.Straussでは勇壮に、バリバリ吹いているのかも(何度もCDでは聴いているのかも)知れないが、基本、ここではずいぶん地味で淡々とした演奏(音色)だと思います。やはりアンサンブルに溶け込むホルンなのか。それとも作品そのものが”豪快に吹き上げる”ものじゃないのか。今更、な論議かも知れないが、この名曲中の名曲は「全曲通して聴く」べきものではない、のかもね。コンサートの中でどれか1曲ご披露、というのが正しい姿だと思います。
カラヤンの色のせいもあるが、連続4曲聴いていると、(愛するMozart ながら)やや単調で飽きちゃいますね。意外と他の演奏を聴く機会(CD、ナマとも)を持てなくて、まだまだ不勉強なだけかも知れません。 (2005年5月27日)
「レコ芸」の特集で「BEST云々」では、ブレイン/カラヤン盤が不動の第一位。でもホルンの美しさって、どう感じ、評価したらよいのでしょうか。フル・オーケストラを聴くときには、ホルンとチェロを注目していて、とても好きな楽器(音色)なんですけどね。ロシア風のヴィヴラートが思いっきりきいた音色ならわかりやすい。(フランスもそうだけど)
はっきりいって、ホルンの作品はなんでも美しいと思うのです。古楽器によるMozart のホルン協は聴いたことはないけれど、いままで出会った録音はどの演奏でも不満に思ったことなし。
ホルンはオーケストラのなかでは欠かせないパートなのに、協奏曲は少ないようで、ワタシはほかにWeberとTelemann(ほかVivaldi、Handel 、L.Mozart とか・・・・あ、Schumannもあったな。ん、探すとバロックのがたくさん有)くらいしか持っていません。もう、Mozart がダントツの人気曲で、いったい何種の録音が出ているか想像できないくらい。手元には、この演奏と合わせて計3種類のCDが存在。
このCDは、いうまでもなくベルリン・フィル主席であるザイフェルト唯一の録音。この人くらいの実力と名声を備えていれば、デジタル時代に再録音があってもおかしくないんですけどね。
御大カラヤンの全盛期に録音されたもので、最初の音が鳴りだしたとたん、例のレガートがきいて、カッコウ付けた透明なベルリン・フィルの響きに包み込まれましたね。いつものコッホさんの鼻声のオーボエが快調・・・って、これザイフェルトさんが主役でしょ。
ホルンっていかにも難しそうな楽器だから、音がひっくり返っても仕方がないと思います。スタジオ録音で当たり前かもしれませんが、ザイフェルトは技術的には完璧で、淡々とスムースな演奏ぶり。力みというか、強弱というか、キメ、みたいなところがなくて、粛々と進めます。
音色の多彩さ、とか、ある種節回しの強調なんかもなくて、個性的ではないかもしれません。やはりオーケストラの団員だからでしょうか。カラヤンのバックがかなりエッチなので、その対比も強調されて面白い。
おとなしいホルンですが、こういう演奏は飽きがこなくって、聴き込むにつれて味わいが深まる感じ。続けて全曲聴いていると、けっこう気持ちよくてホルンの味わいを堪能できます。地味目ですけど、好きです。
ワタシがHPに書けるのはこのくらい。Mozart のホルン協奏曲は、その後研究が進んでいるらしくて、第1番として聴いていたニ長調協奏曲も、第2楽章はジュスマイヤーの手がはいってるそう。原典を復元しようとしたものや、後に発見された断章もいろいろとあるみたいで、最近出ているCDはそれらを収録しています。
手元にはJ.P.ヴァイクレ/ドレスデン・フィル/S.ヴァイクレ(hr)のCD(CAPRICCIO SUM-14 10 805/2)が、ずいぶんも盛りだくさんの収録となっています。
【♪ KechiKechi Classics ♪】 ●愉しく、とことん味わって音楽を●
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