Mozart ホルン協奏曲集(ヨジェ・ファロウト(hr)他)
オーボエ協奏曲ハ長調(ボゾ・ロジェリァ(ob))


CASCADE am@do clasiccs 01001 Mozart

ホルン協奏曲第1番 KV.412 ニ長調(ヨジェ・ファロウト(hr)/カメラータ・ラバチェンシス/クルト・レーデル)
ホルン協奏曲第2番 K.417 変ホ長調(ヨゼフ・ドクピル(hr)/モーツァルト・フェスティヴァル管弦楽団/アルベルト・リッツィオ)
ホルン協奏曲第3番 K.447 変ホ長調(ヨジェ・ファロウト(hr)/カメラータ・ラバチェンシス/クルト・レーデル)
オーボエ協奏曲ハ長調 K.285d(314)(ボゾ・ロジェリァ(ob)/カメラータ・ラバチェンシス/クルト・レーデル)

CASCADE am@do clasiccs 01001「Mozart Pemium Edition 40枚組」2,980円にて購入

 2006年、CASCADEの40枚組ボックス数種(相場は4,000〜5,000円)が激安で発売され、これこそワタシが1990年以前当時@1,000〜1,200の「激安」(当時はCD一枚3,000円以上の時代でしたから)に狂喜し、収集したPILZ音源(大部分)そのものでありました。「Mozart Pemium Edition 40枚組」2,980円セールに驚き、ダブり覚悟で注文したのは2007年初頭、ダブりは上手いことオークションで処分できました。おそらくは処分収入で、そのまま支払い補充できたはず。

 当時のPILZ音源(後、同朋社出版/デ・アゴスティーニの雑誌付録音源として流用された)すべてを聴いているわけでもなくて、この協奏曲集は初耳となります。ソリストの知名度ともかく、クルト・レーデルは言うまでもなくバロック系往年の大巨匠だけれど、リッツィオも「モーツァルト・フェスティヴァル管弦楽団」も、少々存在そのものが危うい”匿名演奏家”である可能性が高い。その事実は、演奏水準とはなんら関係ないが。

 ワタシはホルン協奏曲云々するほど音楽を聴き込んでいないが、岡山でのナマ体験がある日「!」状態(ホルンの魅力発見!)を作り出して下さるものです。ヨジェ・ファロウト(第1/3番担当)は全体にややこぢんまりとしているが、ヴィヴラートの掛かった流麗なる音色と技巧であって、レーデルのバックも瑞々しい響きでソロを支えました。録音だって、適度な残響がバランス良いもの。契約がどうなっていたのかはわからないが、この2曲しか録音されなかったのでしょうか。第3番 K.447 変ホ長調は名曲ですね。とくに第2楽章「ロマンツェ」は絶品の旋律。終楽章の、いかにも難しそうなスタッカートもスムースにこなしました。

 第2番 K.417 変ホ長調はヨゼフ・ドクピル(hr)の担当であり、こちらもう少し素朴で粗野な味わいのソロとなります。先ほどの”ヴィヴラート流麗”とは少々異なる感じ。これだって味わいの相違であって、けっして”廉価盤向けヘロ演奏”ではない。終楽章の豪放な力強さも捨てがたい魅力。アンサンブルもレーデルより落ちる印象があるのは、乾き気味(残響少)の録音印象があるのかも知れません。

 オーボエ協奏曲とワタシとの出会いは、ハインツ・ホリガー(ob)/ハンス・シュタットルマイヤー/ミュンヘン室内管弦楽団(アルヒーフ・レーベルの豪華LP)となります。中学生だったかな?レーデルのバックは(ここでも)躍動に溢れ、しっとり美しいもの。ボゾ・ロジェリァ(ob)はやや線が細いかも知れないが、繊細で流れよく、ほとんどなんの不満も感じさせません。我らがヴォルフガングの愉悦たっぷり披瀝してくださいました。録音も”目の醒めるような!”とは言わぬが、自然な味わいで聴きやすい。

 ホルン協奏曲に第4番がないとか、演奏者が寄せ集めで音質にバラ付きがあるとか、そんな不満を言い出したらキリはないけれど、40枚組2,980円=@74.5でっせ。その一枚目として衝撃のC/P(コスト・パフォーマンス)だと思います。”安いから”という理由だけではなく、気軽に座右に置いて日常愉しむべき水準に至っていると思います。PILZ音源侮るべからず。   

(2007年4月6日)


【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi