Beethoven 交響曲第3/4番(ヨゼフ・クリップス/ロンドン交響楽団)


FAT BOY(EVEREST録音) FATCD420/2 Beethoven

交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」
交響曲第4番 変ロ長調 作品60

ヨゼフ・クリップス/ロンドン交響楽団

FAT BOY(EVEREST録音) FATCD420/2 1960年頃録音 500円で購入

 毎年、春とともに何故かMY Beethoven ブームがやってくる・・・・・・。(なんて言ってる間に夏)コルトーのフランクを久々に聴いて「!」と思ったのもつかの間、深い眠りに入ってしまい、コメントは先送り。で、結局ワン・パターンのべーさんに心委ねる阿呆なワタシ。クリップスとワタシとの、昔からの深い関係(勝手にそう思っている)は、「第7・8番」を参照のこと。

 「贅沢三昧〜Beethoven 編」にも書いたように、交響曲のCDはけっこう沢山(ほぼ無意味に、無定見に)所有。はっきり言って、調べないともう枚数はわからないし、忘れているものもあるはず。その中でも、やはりこのクリップスの演奏は、とくべつな個性だと思うのです。そりゃフルトヴェングラーやクナ辺りも「特別」ですよ。そういう「コ〜い系」個性じゃなくて、「お上品系」個性というか「非リキみ系」個性というか、ズバリいま流行の「癒やし系」か。

 ずらり9曲・名曲揃いのなかでも屈指の説得力を持つ「英雄」。(題名がなんとも凄い)たいてい、どんな演奏を聴いてもいろいろと発見がある。(ま、この曲に限らずBeeやんのはどれも)すべての音に入魂の入れ込み演奏、ゴージャスにオケの豊満な響きを楽しませてくれるもの、逆に贅肉はすべてそぎ落として、骨格が透けて見えるようなの(ギーレン/シンシナティ響の演奏!)とか、素朴で古雅な味わい系、等々、いろいろ、様々有。

 冒頭の二つの和音から、スッと肩の力が抜けて、(やる気を抜いているわけじゃないけど)音楽が本来持っている魅力に、いつのまにか巻き込まれてしまう不思議。ノリ。LSOは響きが濁らない。フレージングが上品。「葬送行進曲」も、主題提示がさりげないというか、なんの工夫もないように見えて、変奏が繰り返されてうちに、なにか大きな流れに知らず知らずに身を任せてしまうような〜「クリップスのCDを聴いている」のを忘れてしまうような〜快感。

 スケルツォの軽妙ともいえる流れの良さ、中庸でありながら、ひとつひとつのフレーズを、ていねいに透明に表現してくれる終楽章のワザ。にじみ出る歓喜の歌。自然体は最後まで崩れない。

 第4番もさりげない。嬉しげで、明るく、弾むような第1楽章。フルートとファゴットが、明るく美しいこと。低音が軽い・・・・というか、わざと重厚さを避けているようなかんじ。アダージョは、この人の個性がいつも良いほうに出て文句なし。終楽章は、(この楽章に限らないけれど)よけいな旋律のふくらましも、なにもないのになんと充足感の深いこと。LSOの色気ある響きは、この時期特有でしょうか。

 結論としては、「第7・8番」となんら変わらないワン・パターン。これでいいんです。いつも馴染みのガンコ親父Beeやんですが、厳つい顔が、いつになく穏やかで機嫌がいい。こんな演奏だったら、棚からCDを出すのに気持ちが萎えることはない。(Beethoven って、聴くのに根性固める必要がある・・・・こともある)

 このFAT BOY盤はやや海賊(勝手にCD化)臭くて、音の劣化が目立ちました。EVERESTの正規盤全集が安く出ないものでしょうか。どこかの中古屋さんで2,000円くらいが望み。見つけたら、すぐ買うんですけどねぇ。ムリか。

(2000年7月20日更新)


比較対象盤

やっぱりジンマン(ARET NOVA)でしょ。ほんとうは思いっきり個性的で、クドいくらいの歴史的名盤を持ってきたいけど、最近は(年齢いったせいか)薄味で、すっきりしたのがいいな。でも、ダシが下品なのはダメ。


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written by wabisuke hayashi