Beethoven 交響曲第7/8番(ヨゼフ・クリップス/ロンドン交響楽団)


FAT BOY(EVEREST録音)	FATCD420/4  このCDは処分済/別途全集を購入 Beethoven

交響曲第7番イ長調 作品92
交響曲第8番ヘ長調 作品93

ヨゼフ・クリップス/ロンドン交響楽団

FAT BOY(EVEREST録音) FATCD420/4 1960年頃録音 400円で購入

 え〜、「安物買いの銭失い」を一席。(どうぞ嗤ってやってください)

 あれは1970年頃だったでしょうか、親父がちょうど現在のワタシくらいの年齢の時、職場にセールスかなんか来たんでしょう「クリップスのBeethoven 交響曲全集」のパンフを持ってきました。当時のワタシはクリップスなんか知らなかったし、反抗期でもあったので「いらねぇよ」と一言。

 その罰があたって、その後、社会人になるとすっかりクリップスのファンになってしまい、LPでは数枚購入。CD化されて(BESCOL)9番を除く全集を購入(これは音質が気に入らず友人に売却)、さらに別な会社でCD化された全集を購入(ナントカ・クラシックという黒い箱入り)したものの、「ブーン」というノイズが気になって(いっそう音質悪し)また売却、再びBESCOLのセットものを格安で見つけて購入、でも、やっぱり音質が気にくわなくて売却。

 LPはもっと良好な音質だったんですよ。EVERESTの正規CD化はきっと音の状態は良いと思うのですが、ワタシが見かけたものは@1,000では買えなかったのでパス。で、ことし(1999年)になって、このFATBOY盤を見つけて買いました。(2枚だけ)

 音質はまあまあ良好ですが、このCDは残念ながら左右逆収録。「左右逆CD」は数枚手元にありますが、「右前方の第2ヴァイオリンが活躍している。低弦は左奥の対向配置か」と思ったら、たいてい「左右逆」なんですね。珍しいとも、価値があるとも思いません。ディスクマンで聴いていると不自然でやりきれない。

 ま、最初からEVERESTの正規CDを買っていれば、ずいぶん安くついた計算になる・・・・・・真似をしないように。

 1999年前半の「BEE中毒」をようやく脱したのに、猛暑が過ぎ秋風の気配が漂うとまたまたビョーキ復活か・・・・・・でも、ほんとうに名曲だなぁ。

 第7番はシェルヘンのノリノリ激辛演奏も素敵だし、クリュイタンスの洗練された明快な響きも好き。ERMITGEにビーチャムのライヴがあって、これも上品で暖かくて、なんともいえない。

 シェルヘンが「本場タイ料理」なら、クリップスは京料理か。薄味の微妙な味付けが繊細です。澄んだ真水のようなダシですが、よ〜く味わうと滋味深い。臭みも濁りもなし。

 力みがなく素直で自然体、それでいて説得力もある。じつに優しく、きめ細かい演奏ぶり。ヤワ過ぎで物足りなく思うくらいでしょ?力強さも足りないし、響きの濁りなんてありえません。クリップスの録音って、たいていこんな感じだから確信犯ですね。いわゆるその、ウィーン風(素人のワタシが考える)の柔らかさ。

 1960年前後の録音のはずで、ちょうどモントゥー時代のLSOでしょ?アンサンブルは最高で、クリップス(このひともLSOの指揮者だったことがある)の指揮にピタリとハマったのか、極上の美しさ。この管楽器の洗練具合は滅多に出会えません。情熱的な高まりはないけれど冷たさはなくて、どこをとっても抵抗なく聴けます。遅からず、早からず、適正なテンポ。

 第8番は、クナッパーツブッシュの超鈍速演奏の毒気に当てられて以来、どんな演奏をを聴いても物足りなく思うように・・・・。この曲は、リリカルで感情移入の難かしい曲。(クナの行き方もひとつの道・・・濃〜い味付けで)もともとワインガルトナーとか、ハイティンク/LPOで覚えた曲ですが、そういう穏健で、オーソドックスな演奏にこそこの曲本来の味わいがあるのかもしれません。

 ここでのクリップスは第7番のコメントと寸分違わず。「嗚呼、第8番って、こんな優しい味わいだったな」と、思い出させてくれる音楽です。オケと指揮者の力量が正直に出てしまうのでバカにできない。ていねいな仕上げに満足できます。

 これはこれで確立した個性、ここ最近絶滅してしまった音楽です。


【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi