「Franck 交響曲ニ長調」談義先日の「Bruckner 交響曲第4番 変ホ長調 〜ベーム/ウィーン・フィル(1973年)」談義も充実した読者諸氏の論議でした。意見は多様なほうが楽しい世界なんです。「多種多様なご意見拝聴は、音楽をいっそう深く楽しむための必須条件」「意見・見解・感じ方の違いが問題なのではない、違うからこそオモロく、盛り上がるんです。再度『音楽をたっぷり楽しむ』ということが前提です。蘊蓄はそれから!」とワタシは千度繰り返している通り。 で、「Franck 交響曲ニ長調」談義の件、もともとはワタシが「音楽日誌」にちょっとだけ触れたコンスタンティン・シルヴェストリ/フィルハーモニア管弦楽団(1960年 DClassics BX 707492)の件、BBSで反応があったことに端を発します。ほんま、ありがたい上質なる読者の集まりでございます。ひたすら感謝! ●Franck 交響曲ニ短調は い シャイーとコンセルトヘボウのもの「のみ」をたまに聴きます。
演奏によっては聴き続けるのが難しい曲ですが、上の演奏だと、なんとなくこの曲の本質的な味わい?がよくわかるような気がして、ブルックナーを聴くような感じで楽しんで聴けます。
●交響曲が少々苦手 林 侘助。 室内楽、ピアノ曲はOKなんですけどね。交響曲が少々苦手なんです。これは浪漫派の作曲家と同じ状況ですね。この交響曲は何故かたくさん手許にあるんです。 最近あまり流行りませんね。そうでもないか。
●どうもなじめなくて ピー
私もこの曲がどうもなじめなくて。
●「遅い」やつは陰々滅々として サンセ この曲の演奏、「遅い」やつは陰々滅々として受け付けません。ミュンシュやモントゥーだと華麗で楽しめます。
●まともに聴いてません 某SH
よく考えて見ると、
交響曲、ピアノ五重奏、ソナタ、プシュケ?くらいしかまともに聴いてません。オルガン曲は山ほどあるのに・・・何ゆえか???
フランス人作曲家にしては、垢抜けてないからでしょうかね。
●薀蓄を垂れてすみません 安 薀蓄を垂れてすみません・・・と先に謝っておきますね〜
フランクは、ベルギーのリエージュというフランス語を離す地方で生まれています(1822年)けど、父親はドイツ語を話す地方の出身。 また母親はドイツ人ですね。 このあとパリに一家で移住してパリ音楽院に進むわけですが、対位法とオルガンで賞を得ていますし、後年生活のために教会オルガニストになったのちパリ音楽院のオルガン教授になってます。 交響曲ニ短調もオルガン的な響き方がするように思えますよね。 なおフランクは当時歌劇が主流だったフランス音楽界にベートーヴェンの伝統をフランスに根付かせたいと願って国民音楽協会を設立してます(1871年)し、近代フランス音楽の礎になった作曲家という位置付けでしょう。 フランスに帰化したのは1870年です。
な〜んて知識が邪魔して変なイメージをつけてもらっては困るのですけど、安田はそんな知識を持ってして、ようやく交響曲ニ短調を楽しめるようになりました。 最後によく聴くのは、ザンデルリンク/シュターツカペレ・ドレスデンの演奏。 構成感がしっかりしてて曲そのものの魅力が味わえるんじゃないかでしょうか。
●「交響曲以外」なら大好き 林 侘助。 こりゃ、どうしたことでしょうか。一連の有名浪漫派作曲家と同じように「交響曲以外」なら大好きなんです。交響曲はナマで聴いたことがないからか?シルヴェストリ/フィルハーモニア管との出会いを感謝しましょう。(最近敬遠しているザンデルリンクで洗礼受けなくっちゃいけませんか?) コルトーが得意とした「前奏曲、コラールとフーガ」、オルガン作品である「前奏曲、フーガと変奏曲 変ロ短調」、言うまでもなくヴァイオリン・ソナタ、ピアノ五重奏曲はかなり以前からのお気に入りで、いずれも「1000円以上」でCDを購入しております。(そういえばボベスコの日本録音とうとう復活しましたね) ところが!「当然手許にあるはず」とばかり信じ込んできた、弦楽四重奏曲がない。(探せないだけかも)LP時代のレーヴェングートSQの思い出が印象深いが、なんたることか。
● 苦手な曲のひとつ ぶり 有名交響曲の中でとっつきにくいもののひとつですね。コンサートのプログラムに載っていたら、自発的には買わない曲です。確か学生時代にオーケストラの定期会員だったので仕方なく聞いたという罰当たりであります(とても退屈でした)。初めて聞いたのはたぶんフルトヴェングラーのロンドン廉価盤。それ以外にも持っていたはずですが思い出せなかったので、音源をひっくり返したら結構ありますね。 しゅうさんご愛聴のバレンボイム盤はDGのLPで。聞いてない(--;。CDでは朝比奈盤もあった。...聞いてない(--;。他にもたぶんあると思いますが、いずれも聞いてないのです。何故買ったのか思い起こしてみたら、理由は単純。他のソフトと抱き合わせで買ってるんです。いずれは聞くだろうということで持っている不遜な私。 フランクで聞くのはヴァィオリン・ソナタでしょうか。フランチェスカッティのモノラルLP。ねっちりした音色で、これがエスプリというものかと思わせる、いい味出してます。昨年はパユのフルート編曲版で聴いたコンサートでは、楽器の限界を超えてしまった演奏に圧倒されました。
●フランス人は、独欧系は嫌いだといいつつ 某SH フランクのヒストリーは一応知ってはいるのですが、 フランス人は、独欧系は嫌いだといいつつ、 ベートーヴェン、ブラームス好きですね。 モントゥー、ミュンシュ、クリュイタンス、フルネ。 みな、素晴らしい演奏をしていますし・・・。 しかし、交響曲、ナマを聴いた記憶がありません。
●気になっていたカラヤン/パリ管の録音 安 気になっていたカラヤン/パリ管の録音(もちろんLP)を引っ張り出して聴き返しました。
個人的には、やはり渋く纏めたクルト・ザンデルリンクの演奏の方が好みですが・・・
● 実演を聴いたことがありません 山
私も交響曲は実演を聴いたことがありません。 録音はモントゥー、パレーあたりが印象に残っていますが、 デアゴスティーニから出ていたスワロフスキー&南ドイツフィル。これ、異常な緊張感に満ちた名演だと思います。オーケストラはショボイですがなかなか健闘しています。
最近、趣味でフルートを吹いている元上司が(とてもヘタクソです)ヴァイオリンソナタのフルート版を練習するのに、伴奏ピアニストが見つからないと嘆いておりました。
●ようやく話に展開が・・・ 林 侘助。 安先生の硬派蘊蓄+果敢なるカラヤン(往年のベストセラー。1970年頃のイ・ムジチの連続売り上げ一位を阻止した)トライも見事な書き込みだけれど、某SHの書き込みにまったく面白みがない。 スワロフスキー盤はてっきり安先生からのご推薦があるかとおもったら、山御大からでしたね。意外なる展開。 読者諸氏のご推奨により、久々ザンデルリンク盤を確認しております。(1964年)彼はあらゆる作品を「立派な独墺風交響曲」に仕上げて下さって、時に閉口するが、なるほどFranck はええでんな。 ナント全曲40分。慌てず騒がず、じっくり、開き直るように重厚に、丁寧に、きっちりとジミに大きく仕上げて下さって、こりゃピタリ!なのか?大カンチガイ演奏なのか? 華麗派の方の反論求む!
某SHがうるさいので朝比奈隆盤を。 ザンデルリンク盤より更に長い。が、動きも煽りもあって、鈍重さは感じさせないし、北ドイツ放響がエエ感じの骨太さですな。 まだ出ないか?仏蘭西系快速華麗なる演奏推薦。
●フランス的なものへのギャップ サンセ
ベルギーはフランス語とオランダ語の境界にありますが、19世紀当時、今よりも遙かにフランス語の文化的な力は強く、それゆえにフランクもフランスで活躍したのではないでしょうか。 サバタの演奏、音が良かったらなあと思いますが、華麗で熱狂的、素晴らしい!
●フランクの交響曲は大好き なか
30年以上前の学生時代にFMでこの曲を聴いて好きになりました。 (演奏者はとっくに記憶から消えてしまいましたが) 昨年6月オーチャードホールクリヴィヌ/N響を聴きました(実演は久し振り)
●独逸仏蘭西論争 林 侘助。 エエかんじですな。伊太利も参入ですか。そういえばミュンシュ盤(ボストン響)を在庫していたはずなので再確認しましょう。室内楽の官能的な味わいとは違って、交響曲の方は厳格古典的な演奏も似合うと思います。 なか様、お好み盤のみ挙げて理由示さず、は掟破りでっせ。ちゃんとお薦め理由必須。ミュンシュ/ロッテルダムは懐かしいなぁ、田園もありましたよね。
●説得と誘惑にに負けてモントゥー盤購入 林 侘助。 清水の舞台から飛び降りる決意で@819円+「ペトルーシュカ」(ボストン響)も込み込みで欲しかった。 じつは以前から第3楽章のみ聴いていて、今回初めて全曲聴いたけれど、いや、もうこれは圧倒的なオーケストラの大爆発+モントゥーの気品と(Beethoven も得意とする)構成感が相まって、辛気くささ皆無!明るく、華麗に鳴り響く交響曲ニ短調でした。 音楽はアウフヘーベンでんなぁ。最初っからこの録音を聴いていたら、作品の見方が全然変わったことでしょう。驚愕。
●実はわたしも い 実はわたしもここで話題になってから、モントゥ盤購入したクチです(笑)。近所の店の倒産セールでゲット。 さすがに名演ですねえ。50年後も残っていて欲しいと思わせる、個性ある名演奏と感じました。何が個性といわれれば、やはり、林さんがおっしゃるように、モントゥの気品、でしょうか。単なる気品ではなく、モントゥらしい気品ですね。洒脱に香り漂うような、不思議に風通しのよい演奏でした。ペトルーシュカも素晴らしかったです。
● ね、いいでしょう! kon ね、いいでしょういいでしょう! モントゥーの演奏はフランスよりの演奏だけれど、オーケストラの技術はアメリカン。普段はしつこくて、ねちっこいドイツ系の解釈が多いフランクだけれど、この演奏は録音ともども、最高の藝術解釈だと思っています。 しっかし、高齢のモントゥーがしかもスタジオでなんでこんなに熱くなったんだろう?
●パレーも良いでっせ 山
3回の録音を残しているモントゥーにとって、フランクの交響曲は特別な曲でして、1889年のジュール・ガルシン指揮パリ音楽院オーケストラのこの曲の初演を、当時パリ音楽院の学生であったモントゥーはその場で聴いてます。
初演当時モントゥーは実に13才! パレー&デトロイト響もモントゥーと同傾向の名演で、 甲乙付け難し。
●モントゥー盤に寄せて サンセ
モントゥー・シカゴの演奏はLPで聴いています。83年くらいに出た高音質のものですが、凄く良い音です。
●ご指摘ありがとうございます。 山 サンセさん、ご指摘ありがとうございます。 私はフランス語は全く不案内ですが、実は手元の資料では「ガルシン」と「ガルサン」の二通りありまして、どちらか迷った末に「指揮棒と80年」に書かれていたガルシンとしたまでで、深い意味はありませんです。
モントゥーのフランクは、私も最初LPで聴きました。 「呪われた狩人」は冒頭のホルンがカッコイイので気に入っています。私の好きなのはすっきり系のクリュイタンスの旧盤。
●フランク大好き trijata39
○特に交響曲は大のお気に入りなのじゃった。
●荒削りで円空の鉈彫りのような 山
ボウルトのロンドン・プロムナード管の実態はフィルハーモニア管ですね。リーダーズダイジェストがオリジナル。
●ああ、そうか 林 侘助。 Cheskyね。ワタシも随分以前に購入してました。ボウルト/ロンドン・オーケストラ・ソサエティ表記になっております。(1960年)これフィルハーモニア管なんですってね、それで思い出しました。明日、ちゃんと聴きます。 ちなみに「呪われた狩人」は、マッシモ・フレッチャ/RCAヴィクター交響楽団(1968年)いっしょに収録されておりました。
●フランク交響曲 kat
う〜む、これだけ盛り上がっていてフルトヴェングラーの演奏が出て来ないのは何かフルベンの演奏に問題かタブーがあるのでありましょうか?。
● 「絶対勘弁せんけんね」的透徹した境地 林 侘助。 ご参照の音源が(ほぼ)すべて手許にある・・・というのもおぞましいというか、無定見というか・・・フルトヴェングラー盤(1945年ウィーン・フィル)は尋常一様でない集中力が、ほかの演奏とは一線を画すと思います。 但し、「ただでさえ辛気くさい作品を、いやもう徹底してとことん辛気くさく、絶対勘弁せんけんね」的透徹した境地でして、これはもう好き嫌いの範疇ですから。「フルトヴェングラー大好き」という人にはタマらん世界だと思います。
●年齢とともに多様な演奏の世界に遊ぶ kat 確かに「絶対勘弁せんけんね」的演奏を今初めて聴いたら多分私もついてゆけないかも知れませんね。 年齢とともに多様な演奏の世界に遊ぶ皆様を見習わせて戴きます。
●少々加筆修正を。 林 侘助。 katさまの録音はきっと1953年英DECCAのスタジオ録音じゃないですか?それだったら聴いたことはないんです。 ワタシのは1945年1月28日(表記。29日じゃないの?)で、しかも、Historyレーベルのエエ加減復刻ですし、音質あまりよろしくありません。それでも、この演奏は独特の不思議な幻想に溢れ、集中力の強い個性的な演奏だと思います。
(最終更新2005年6月11日)
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