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「Bruckner 交響曲第4番 変ホ長調
〜ベーム/ウィーン・フィル(1973年)」談義


 Bruckner 交響曲第4番 変ホ長調 〜ベーム/ウィーン・フィル(1973年)ワタシは謙虚方面からは縁遠いゴーマン系人間だけれど、【♪ KechiKechi Classics ♪】に関しては「ひたすら上質なる読者に感謝」せざるを得ません。ま、飲み屋だって、料理や接客とともに「お客の質」で評価が決まるんです。インターネットという媒体は、自由なる意見の開陳、それに対する双方向的なご意見の(建設的なる)やりとりが魅力です。

 意見はいろいろ多彩で、評価が食い違っているからこそ楽しい。ワタシも好みの方向はあるが、日々コロコロと音楽の嗜好方向は変わります。きのうは「?」だったのに、きょうは「!」に感じる音楽も多数あります。で、ある日、それなりにキモチよく聴いていた表題の著名なる録音(但し、ワタシ所有は件の駅売海賊盤申し訳なし)に、馴染みのベルリンこんの氏が厳しい評価を下しておりました。(クソミソともいう)

「これは本当に名盤?やっぱり、巷間評価が高かったり、なんとか賞ををとったものとかは、実際にこの耳で聞かないと駄目だ。ブルックナーは雰囲気の音楽じゃない。正直言ってベームの云いたいことがさっぱり分からん。縦の線はいつものウィーン・フィルの如くあっていないし、どうせあわせるきがなかったのであろう。管楽器も魅力に欠けるし、Tuttiでの五月蠅さ、またSofiensaalでのDeccaの音創りの酷さは昔からである。有名だからといってこの盤を買うと、ブルックナーが嫌いになってしまうのでは?」
   で、この際、広く善良なる読者に広くご意見を賜りたい。「場を盛り上げるために論争を望む。さて皆様のご評価は?期待してます」とBBSに。まず、当のベルリンこんの氏より苦情が・・・



●いつのまに konno 

盗用・・・いや、引用されていますね。
でも、所詮私の個人的な体験、意見をこねくりまわしているだけですよ。他人にとっては屁理屈と映るかもしれませんが。



●私の妄言風コメントを。 yuri 

きっとこれは、ムジークフェラインで聴けばとってもいい演奏なんでしょうね。オーストリアの田舎のチーズの臭いがします。時たま聞こえる笛も何とはなしに眠気を覚ますものではないし、ラッパだって石油缶を叩いたみたいに洗練されていないのが良いじゃない?。でもこれはこれで妙に風味豊かな響きがします。だいたい何とはなしにリズムもピッチも妖しいのがこの魅力でしょう。この演奏スタイルでピタッと合っちゃったらつまらないよ。曲自体少しとぼけた感じなのだから、演奏もこれくらいとぼけていなきゃ。

というわけで、悪意はないのですがちょっとヘンテコなコメントをしてみました。実際、この演奏は久し振りにこの文章を書くために聞き返した見たのですが、以前は全く面白くは聴けなかったのですが、「いい感じジャン」ってとこです。この頃、ベームは既に手の動きがしっかりしていなかったのでしょうか?。アインザッツが気になるのもそうですが、リズムが緩みがちになるのはなんとなく気になりますね。私は、「ロマンティック」に関してはブロムシュテット/ドレスデン盤を愛聴しておりますが、今聴いてみたら今の私の感性にはけっこうすんなり入ってきました。実際細かいところでの改変も結構気になりますね。
私の評価としては、70点〜75点位でしょうか。


●そもそもこんの幹部はブルックナー嫌い? ぶり

HP1ページを読み飛ばしてみたところ、殆どのCDにダメ出しですね?

ベームの盤、五月蝿いことはないと思いますが。とはいえ私は英デッカのLPしか持っていないので比較できないかもしれませんね。ベームは歌劇場タイプのブルックナーを振る人、つまりメロディーを追いかけるブルックナーじゃないかと思います。そこがムード的に聞こえるのかも。私は歌わないブルックナーが好みなので、これはあまり好きな演奏ではありません。仰るとおりハイティンクの方が良いでしょう。オーケストラの精度も。

しかし音色はベームの方が聴いてて楽しいな、ホルン吹きとしては...。


●まさか konno 

そんなことは無いですね。
でも、世評高いブルックナーの演奏は余りあわないというのが正直のところです。なにせ、レーグナーの演奏で開眼したので、これがやはり大きいかな。それに、ブルックナーをたくからそれほど人気がない、スクロヴァチェフスキも最近ではすきだし、やはり「正統派」でしょうか?


●先生方、おせーて下さい 林 侘助。 

ワタシはエコー・インダストリーの駅売海賊盤しか持っていませんが、この英DECCA録音に問題有ですか?(ゾフィエンザールの評判が悪いのは聞いておりますが)

それと劇場型表現の件、ベームの解釈って「メロディを追いかけてる」方向性なんでしょうか。(そのような気もする)でも、ヨッフムみたいな煽って劇的!みたいなものとは随分違うような気がするのですが。

それとヴァントは「歌わないBruckner」に入りますか?以上、質問でした。


●私もこのベームの演奏は苦手です (^O^)  い

「先生方」ではありませんが、、、私もこのベームの演奏は苦手です (^O^)
3番もほぼ同様の印象です。
7番と8番は割りと好きです。

>ワタシはエコー・インダストリーの駅売海賊盤しか持
>っていませんが、この英DECCA録音に問題有ですか?

私、正規盤と上記カイゾク盤と両方聴いたことがありますが、録音の程度は同じと考えてよいと思います。録音に問題あり、と私は思います。

>それと劇場型表現の件、ベームの解釈って「メロディを
>追いかけてる」方向性なんでしょうか。(そのような気
>もする)でも、ヨッフムみたいな煽って劇的!みたいな
>ものとは随分違うような気がするのですが。

メロディを追いかけているという感じはありませんが、そういう側面が全くないとも思いません。ただ、印象としては、ベームのブルックナーはあまり個性のない、淡々と筆を進めているという印象が強いです。3番や4番では録音がはっきりせず、VPOの音の魅力が十分にでていないこともあり(また、やや四角四面過ぎる感もあります)、あまり楽しめません。
7番や8番はもう少しオーケストラの魅力が録音上よくあらわれている気がします。

ヨッフムについては私はコンセルトヘボウとの録音が至福である反面(除く、晩年の日本での7番)、その他の録音はあまり好きではありません(BPOとの9番などはビッグバンのようなダイナミズムを感じて好きですが)。

そういう趣向からすると、コンセルトヘボウとの録音は「煽って劇的」という印象は全くなく、神々しいほどの「自然さ」、を感じるます。

>それとヴァントは「歌わないBruckner」に入りますか?以上、質問でした。

ヴァントは「歌わないブルックナー」だと私は感じています。少なくとも晩年のBPOとの録音については、ツメがきつ過ぎて聴いていて疲れる、との評に賛意を覚えます。
5番などは曲の構造と合致していたこともあり、すばらしいなと思う側面もありましたが、7番や9番などは聴いていて疲れた記憶しか残っていません。

ちなみに、上にでておりましたレーグナーのブルックナーは全て愛聴盤になっています。 風通しがよく、速めのテンポで軽快に進んでいくので何度でも聴きたくなってしまう手にとりやすさがあるのですが、かといって、軽薄な音楽ではなく、ブルックナーを十分に堪能できる魅力も備わっていると思います。

日誌本文をいま拝見しました。ベームの4番、録音は悪くないとの前提だったのですね、、、。再度聴きなおしてみたいと思います、、、と思いました、既に手元にありませんでした、、、。


●懐かしい音源 への

「ベームウィーン・フィルのブルックナー4番」懐かしい音源です。
この音源が初めて出た頃、 レコ芸誌上でも大々的に宣伝されておりましたな。
ベームを聴くのはそれが初めて、 その宣伝に乗せられ、大いに期待して、 新譜LP(SOL1003〜4 2枚組 3000円)を購入。
当時は廉価LP最盛期(1974年頃)のころ、 毎月少しずつ購入しては勉強していた時期でした、
貧乏人の私としては廉価LP3枚分は大出資でした。

で、演奏はと言うと「ハッキリ言ってガッカリ」
どこを聴いても面白くないのです。唯々ヤタラ長〜いだけ。
何も分からなかった頃(今も!)、
心の中で、
「3000円返せ〜ッ! ベームってこの程度なの!」
と、叫んでおりましたな(笑)。
期待が大きかっただけに、落胆も大きい。

そんな落胆した私を救ってくださったのが、 クナッパーツブッシュ大先生でした。

心の中で、 「同じウィーン・フィルで…同じ曲を…クナッパーツブッシュは、 こんなに面白く聴かせてくださる。 ましてや、音質の悪いモノラル盤なのに!」
それ以来ブルックナーに関しては、 クナッパーツブッシュにドップリ。

その後ベームではR・シュトラウスの アルプス交響曲(多分モノラル盤?)も聴きましたが、 やはり面白くなかったですね。
それ以来ベームは全く聴かなくなってしまった…

…で、数年前、ベームに再挑戦の意味で、 DGのシューベルト交響曲全集を聴いてみました。
こちらが歳をとったせいか、あるいは感性の違いか、 後期はともかく、前期交響曲は素晴らしいと感じました。
こんなんなら、もう少し早く聴きたかったと思った次第。
まあ、最初の出会いが肝心ですな。

「ベームウィーン・フィルのブルックナー4番」再挑戦してみるか!
多分ダメだろうな。 最初の出会いってかなり確かなんです。


●旗色悪いでんなぁ 林 侘助。 

音源所有の方、もう少しご教授下さい。

1) 録音の評価 〜なにをポイントにされているのか。ワタシは一般にEMIの録音に厳しい感想を持ってしまうが、オーディオ的な評価は高かったりします。音の嗜好かも知れません。ベーム盤の問題点は?

2) ベーム盤そのものの演奏に対する具体的コメントをもう一つ!「リズムが緩みがち」「ムード的」「あまり個性のない、淡々と筆を進めている」「どこを聴いても面白くない」・・・アンサンブルがキッチリ揃わないのは、いけないことなんでしょうか。(じゃ、クナッパーツブッシュはどうなる?意味合い違いますか?)

3) どんな演奏が”求めるべきもの”なのか。ハイティンクやレーグナー、クナッパーツブッシュが登場してますね。そこの様子(実例もありがたいが)をご教授願いたい。

ヨッフム/コンセルトヘボウの第4/6/7/8番晩年のライヴ(TAHRAボックス)たしかに「行き着くところまで行った」的自然体がありますね。それと、1986年の第5番ライヴも同様。でも、ワタシは彼の「煽って劇的!」も時に良いのではないか、と感じます。


●久しぶりに 山

久しぶりにベーム&VPOのロマンティックを聴いてみました。
私の刷り込みがRCAの千円盤ラインスドルフの淡々とした演奏だったりしたので、当時このベームの豊麗な演奏を聴いた時は仰天しましたね。(FMでした)
とくにウィンナホルンの豪快な響きにはゴキゲンな気分になったものです。

今聴いてみると、茫洋とした自然体の演奏で、確かに細かなところでタガがゆるんだりしていますが、VPOの魅力は充分伝わるし、ブルックナーはこれで良いのではないかとも思います。
もっとも今の私の好みは明晰なスクロヴァさんだったりします。

ところでベームの録音状態ですが、私が聴いたのは国内盤LP2枚組です。もっともへのへのさんが聴かれたSOLではなく、ウィーンフィルによるブルックナー交響曲全集のもの。これは全てソフェンザールの録音で、シュタインやショルティの演奏が入っているもので、エンジニアはGordon ParryとColin Moorfootの二人が手がけています。

この中でベームとアバドが同じMoorfootですが、聴き比べるとベーム盤はアバドと比べてもかなり残響が多いですね。

ただ、私の装置で聴く限りではウィンナホルンとクラリネットの柔らかな音色とオーケストラのフォルテがホールに拡散していく様子が心地よく聴こえます。それほど悪いとは思いませんが。
ただエコーインダストリーのCDですが、以前弟が持っていて聴いたことがあります。完全に板起こしでピッチも怪しかったと記憶しています。


CC-1074 駅売海賊盤です●が〜ん! 林 侘助。 

”完全に板起こしでピッチも怪しかったと”・・・うっぅ・・・そうだったのか。「録音の程度は同じと考えてよいと思います」〜しかし、もともとの音質に問題有、というご意見も。

ワタシ、安上がりの耳持ちでして、駅売海賊盤でも充分美しいと思いました。もっさりしているようでも、ウィーン・フィルの音色(とくにホルン)がジンワリしていて、決して悪くないのでは・・・そんな風に思いますが。

まず正規盤を購入しないと話しになりませんね。引き続き、話しの切り口をお願いいたします。


●どこをどう聞いても ぶり

録音は良いですね。きっとCDにリマスターしたときに変になってしまったのでしょう。ただし、ホルンを中心に金管がオンマイク気味であることは確かです。でも五月蝿いように聞こえません。

この演奏、確かに緊張感には乏しい演奏ですが、ブルックナーの一種茫洋とした世界を描きたかったのかもしれません。響きの塊りを積み上げることで歌わない演奏に成功したヴァントのような録音に対して、メロディーをも追いかけているので「二兎を追う者一兎をも得ず」みたいな結果になっているようにも感じます。これがムード的に聞こえてしまうのかな。

クナッパーツブッシュのアンサンブルは時として不ぞろいですけれど、ひとたび上官が「気をつけー!」と靴音とともに指示を出せば、途端に兵隊が直立不動の姿勢をとるところが他の指揮者との違いです。

ラインスドルフは私も赤いラインの入った廉価盤で持っていました。しっかりとホルンソロのジェームズ・スタリアーノがクレジットされていたっけ。

求めるべきものは別に今はないです。この曲は懐広く、色々な演奏で楽しめますよ。昔プレートルで聞いたときは、フィナーレのホルンのコラールがへろへろでずっこけましたけれど、大抵は大丈夫。宇野某のときでさえ、「ああ、しっかり時間をとって練習したんだな」と微笑ましく感じたものです。


●大所高所ご配慮あるコメント感謝 林 侘助。

ようやく2005年はSibelius 〜Brucknerへとマイ・ブームが遷ってきたようで、連日楽しんでおります。正直、ここ5年でもっとも好みの変遷が激しかった作品群でして、かつてのサイト上のコメントも混迷を深めております。

かつてよりのぶりちょふ様”Brucknerに無理矢理旋律”論もワタシは完全には理解できていないようでして、てっきり「ヨッフム煽り」「セル微に入り細を穿つ」のことかと思ったら、「ベーム緩慢茫洋」もその範疇だったのですね。引き続き、ご指導ご鞭撻ヨロシク。

今朝はマタチッチ/チェコ・フィル(1967年)の第7番に痺れておりました。なによりオーケストラのローカルな響きが魅力的であり、剛直であり、ストレート!


● 難しいのは ぶり

4番がブルックナーの中ではちゃんとしたメロディーが多い作品であるということです。だから色々なスタイルでもそこそこ聴けるんだと思います。

以前から酒飲み話に出している「旋律追っかけ」は表情づけではなくスタイルの問題なので、煽りの有無とか、細かい大雑把という見方とは違うように思いますが、これは私以外あまり使わない分類なので(比較的ナットクしてくださるのは8番を微に入り細に入りスコアまで持ち出して批評していたおじさまくらい)、議論するのは難しいかも。いい加減なもんです。
ベームに関して言えば、これだけの美音を味わえるんだから、ムーディーでもいいじゃんって思います。4番はそんなに拘りがないからというのはヒミツ。


●まあ、好みの問題と言ってしまえば 某SH 

好みの問題と言ってしまえば、それまでですが。
ベーム/ウィーン・フィルの駅前海賊盤を久々に再聴。
音質等、聴くにたえないもでじゃありませんね。
私には充分楽しめる演奏です。
一昔前?のウィーン・フィルの音が美しく響いてませんか?
良くも悪くもオーケストラまかせの「のびのーび演奏」で、大きな流れがありません?本来のベームのがっちりとした構築力は消えてるような。
日本でもてはやされた精力が弱くなった晩年のベームの演奏ですかね。ベルリン・フィルを振ったら、まったく違う演奏になった事でしょう。
こんのさん、これはこれでいいじゃないですか。
まあ、もっといろんなスタイルの演奏聴いてみてはいかがでしょう。


●ただたんに、私がウィーン・フィルを好まないからか  こんの 

ただたんに、私がウィーン・フィルを好まないからか。晩年のベームはもとよりそれほどベームを尊敬していないからか。
どうも、ウィーン・フィルのあのルーティンな仕事ぶり、やるきのない、指揮者を馬鹿にした演奏、オーセンティックと云う名のもとに、実は何も「分かっていない」などなど。

「私のブルックナー」はあくまでも構築としての創造だと思っていますので、この演奏はその正反対だと思います。
それにしても、ベームって本当に凄い指揮者ですか?ライブに見られる迫力は分かるものの。異論・反論お待ちしています。


●”世評を鵜呑みにしない” 林 侘助。

”世評を鵜呑みにしない”というのは音楽を聴く上での基本でして、多種多様なご意見拝聴は、音楽をいっそう深く楽しむための必須条件です。ワタシ個人的には「なにもしない」「ウィーン・フィルに任せる」「ウィンナ・ホルンの深々とした響き」ということで充分楽しめました。

昨日、中古で正規盤を購入しようと思ったが、1200〜1400円(希望価格の2倍)なので止めました。駅売海賊盤でも雰囲気わかりますけどね。

ご指導いただいたハイティンク/ウィーン・フィル(1985年)〜これはたしかによりリズムが引き締まって、自然体の躍動があるし、しかもウィーン・フィルの魅力存分に味わえる・・・と言う点でいっそう楽しめました。

「ベームって本当に凄い指揮者ですか?」・・・名匠であるかどうかの評価をする立場にはないが、小学生時代にハフナー交響曲(ベルリン・フィル)を聴いて以来のお付き合いであり(晩年の録音はあまり聴いていない)どれも手堅く、面白みには欠けるが、しっかり着実で意外と淡々としたお付き合いが続いております。そんな感じ。


●メールにて kane

自分の記 憶を確かめるべく、昨日聴いてみました。私のCDは3番と一緒の二枚組み、Double Deccaです。

「縦の線はいつものウィーン・フィルの如くあっていないし、どうせあわせるきがなかったのであ ろう。」 なるほど、そう言われればそう感じられなくもないですね。でも私は、 ブルックナーについて言えば、縦の線なんてどうでも良いと思っています。もっと もベーム/ウィーン・フィルがそんなにOut of Controlだとも思えませんが・・・ただ、この演奏 は叙情的な部分が特に優れているように思いますし、私のブルックナーは荘厳にブ ラスが鳴り響くところよりは、旋律の美しいところ、そのあたりベームは体温を感 じさせながらべたべたせず、ちょうど良い具合だと思います。

ブルックナーには厳しさを求める人が多いようですね、峻厳なブルックナー。だか ら、リハーサルに時間をかけて完璧な演奏をするヴァントなんかが評価されるので しょうね。しかし、ブルックナーという人は、おそらく縦の線の合っていない、 ノーテンキな田舎のおっさんだったのではないでしょうか?伝記的な逸話を読む限 りはそんな感じがするのですがね。

そういうわけで、私は縦の線があっていないブルックナーもありだと思っていま す。北朝鮮軍のパレードじゃないのですから・・・(あえてナチスのドイツとは言 いませんが)

(2005年5月19日)


【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi