外伝へ

ダブリ買いの言い訳

【♪ KechiKechi Classics ♪】 外伝


 2000年3月21日から職場内の任務分担替えで、月一回の大阪出張がなくなってしまいました。激安怪しげCDとか、PCの部品とか漁るのは楽しみにしていたんですけどね、しかたがない。普段は四国内をグルグル回っていて、たまに東京にも行くんですけど、これがひどい。全国から集まる会議では「岡山〜東京」が一番遠いんですよ、時間的に。こないだなんて、前日終電で入って、朝9:00から開始、終わったのが夜の7:00過ぎで、自宅に着いたら11:00ですよ。

 で、CDはなかなか買えなくなりました。でも、「蛇の道は蛇」というか、「一念岩をも通す」「精神一到なにごとかならざらん」(んな、たいそうな)CDはどこからか見つけて来るもんで、たとえばGW中のBOOK・OFF(自宅から歩いて10分)で「6枚1,000円」のセールとか(近所じゃワタシくらいですよ、クラシックのCDをまとめて買ってしまうのが)、徳島への集中出張時にはホテル前に中古屋さんを発見〜クレツキのBEE全集を購入したのは報告済み。

 岡山のタワーレコードの売場は小さくて、レコ芸の宣伝の半分以上は在庫に反映していない・・・・・というか、ワタシが行ったときにはもう売れているのか?でも、職場の近所なので、ときどき様子は見に行きます。で、10回に1回くらいは購入することもある。

 2000年5月12日に「The Piano Masters」(HISTORY 20.3157)40枚組を買いました。ほかでも見たことがあったし、RSS会員からのメール情報でも注目していました。5,990円。きっともっと安いところはあるんでしょうが、ま、交通費もかからないし、一枚あたりも充分安い。いつもそうなんですが、こういった類の箱ものは外からは明細が見えないんですよ。HISTORYというレーベルは、この間かなり購入していて、音質的には信頼できると確信していました。

 「激安箱もの」好きのワタシとしては「交響曲第18番宿命」なんですけど、ダブリ買いしちゃうんですよね。この「The Piano Masters」でも、かなりありました。

 ミケランジェリの2枚〜これ完全に同じ音源のがありました。なかの数曲はなんと3枚目。フィッシャーのブラームスの2番、これも。ラフマニノフ自作自演の2番〜3枚目。ラフマニノフ/クライスラーのグリーグのソナタもダブリ。ソロモン/ハーティのチャイコフスキーもお馴染み。はは・・しゃあないなぁと、リパッティのをラジカセで聴いていたら、ずいぶん懐かしく、胸に染みます。「ははぁ、エア・チェック・カセットで昔さんざん聴いたやつだなぁ」と思ったけど、どうも気になる。

 「LP時代持っていたのはブザンソンのラスト・ライヴだったはず」と、棚をひっくり返していたら、ありましたよ。「20世紀不滅の名演奏家 ディヌ・リパッティ」(FICの海賊盤)、楽章の細切ればかりながら、半分くらい同じ音源。懐かしいはず。両方とも聴いて堪能しました。(ショパンのワルツは泣けます)

 買って数時間でこれだけ気付きました。厳密に調査すれば次々と新事実発見の可能性有。現調査段階で6/40枚がダブリ買いで、感慨無量。それでも「愛とはけっして後悔しないこと」(映画「ある愛の詩」より)。今回に限らず、こんな感じの「ダブリ買い」は後を絶たない。

 ま、40枚も一気に聴けないし、未聴バックヤード在庫がのべ数百枚に至っているのも気にならないではないが、数枚聴いたのは痺れました。マイラ・ヘス女史の気高い演奏(元祖「主よ、人の望みの喜びよ」〜初耳)、ハスキルのベートーヴェンの4番の極限の洗練と上品さ。ソロモンのブラームス(2番のほう)の流れのよい、強面にならない演奏もなかなか。久々に聴いたコルトーのフランクの味わい深さ。

 「歴史的録音」は、いつも思うのですが音の悪さはそう気にならない。(メチャクチャなのもありますよ、けっこう)「別耳」というますか、端っから覚悟して聴いているせいでしょうかね。それに歴史の風雪に耐え、残った録音だから演奏そのものの価値が高いのかも。著作隣接権との関係で価格が安いのもありがたい。

 少々のダブリは気になりません。音質が違ったりするのも楽しいもの。(2000年5月14日) 


【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
▲To Top Page.▲
written by wabisuke hayashi