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募集します。ワタシのお好みBrahms 交響曲第2番ニ長調


 ワタシはヘルビッヒ/ベルリン響(この度加筆)の演奏が大好きで、ネット検索をしてみるとクソミソ評価も・・・嗚呼、好みは人様ざまだな、という感慨も込めてBBSで「募集します。ワタシのお好みBrahms 交響曲第2番ニ長調」やってみたら、望外にたくさんご意見が集まりました。で、保存版として(匿名ですが)一気掲載!よろしく。(ワタシのボケ発言込み)

<メールでいただきました Kさま>

 ブラームスの交響曲2番は、シューリヒト・ウィーンフィルです。理由 初めて買ったこの曲のレコードだから。そういう個人的思い入れを除いても 佳演だと思います。
まだローカルな味を残していたウィーンフィルの魅力が満載。そしてシューリヒトにしては結構テンポを動かしていますが それがドラマチックにならず 飄々とした演奏になっているのがいいと思います。

ヘルヴィヒの2・3番は、私もとても良い演奏だと思います。この演奏が良かったので ドレスデンフィルとのハイドン・ロンドンセットを買いました・・・


<メールでいただきました Kaさま>

アメリカ在住時にヘルビッヒのブラームスの二番を生で聞いたこと があります。オーケストラはトロント響で、彼がシェフをしていた時代です。よかったです よ。その後聞いた、ハイティンク/ベルリンフィルは大味で雑な演奏だったという記 憶です。当時の北米大陸は純粋ドイツ系の指揮者は他にいなかったんじゃないです かね。奇をてらわない解釈でしたし、オーケストラの実力も立派なものでした。

(中略)

昨夜は、マゼール・クリーブランドでブラームスの二番・三番を聞 きました。これは、最近入手したもの(Scribendum、DECCAの録音)で、割と気に入 っています。マゼール時代のクリーブランドはセルの時ほど禁欲的でなく、ほどよ い華というかゴージャスさがあるような感じで悪くありません。あるいはデッカ とエピック/CBSとの録音の違いかもしれません。林さんは、ノーテンキというかも しれないね、この演奏は。(*いえ、言いません)

シューリヒトはシュツットガルト放送響のスタジオ録音(Archiphon)が音が良いで す。LP時代はモントゥーをよく聞いていたような記憶あり。


<Re:ワタシのお好みBrahms 交響曲第2番 Yさま>

ワタシのサイトには、先日ここで話題になったサヴァリッシュ/VSOを取り上げましたけど、最初にスリこまれたのはカイルベルト/BPO。 第4番(ハンブルクフィル)とのカプリングのGT1000シリーズ(GT1058)ですね。 質実として無骨な感じもしますけれど充実した演奏は一発録りみたいな緊張感もありますよね。


<曲が大好きだからナンボでも挙げられる Bさま>

クナッパーツブッシュそんななかでも一番のお気に入りは クナッパーツブッシュ&ミュンヘンpoのルガノ・ライヴ。
朴訥とした響きと、はっとするような独特の間。分厚いハーモニーに支えられた美しい弦の音色。重戦車のようなどっしりとしたフィナーレは何が来たってビクともしない。緩徐楽章の繊細な歌も聞きものです。聴く機会も一番多いです。

もう少し新しいものだと、 ジュリーニ&LAPO(DG)。
滔々と流れる美しい歌、歌いこまれています。噛み締めるような足取りとともに、その流れに溺れてしまいそうになります。

ノイマン&フィルハーモニア(コリンズ)
これは録音したプロデューサーの追悼盤になっていますが、特に晩年のノイマンらしい穏やかな足取りで、癒し系の一番手です。特に緩徐楽章の木管の絡みが美しい絵画のようです。チェコ・フィルとのマーラーの9番とともに、既に俗世を離れてしまったかのような純粋に美しい響きで、彼晩年の代表盤であると思っています。

番外編は
プリッチャード&BBC so(カールトン)

プロムスのライヴだと記憶していますが、真摯なブラームスを展開していきます。音楽の素晴らしさを感じさせてくれる一枚。フィナーレの最後のコードが終わらないうちに大喝采となります。近年我が国のコンサートでフライングブラボーが揶揄されていますが、こういうのを聴くと、音楽によってはそれもありかなと思ったりします。

なぜかコンサートではあまり聴いていない曲なんですね、これが


<なんとまぁ Koさま>

私も最近ようやく「ブラ2」(すんません)が分かるようになりました。
好きな演奏は、林大学頭殿がかかれたように、「不機嫌な」KegelのPilz盤、Y氏が書かれた、「ゲルマンの」だけど、よ〜く聴くとところどころに隠し味がある、Keilberth盤、なにも足さない、引かないKempeのミュンヒェン盤、暖かい雰囲気を醸し出すWalterの盤(ベルリン・フィルとフランス国立)。勿論、BarbirolliやBoultKlemperer、Sanderlingの両盤、も好きです。

これ、スコアを見ながら聴きましたが異様に難しいです。


<やっぱり青春の歌じゃないですか? 林 侘助。>

Koさん、そんな若くしてBrahms に心酔してちゃいけませんよ。あれは人生の苦渋が身にしみないと・・・というのはジョーダンでして、人それぞれ、世代それぞれの受け取り方があるのでしょう。

ミュンシュ/フランス国立放送管のライヴがあるでしょ。それこそ激演でして、燃えるような、一世一代のド迫力!それこそ、観客が耐えきれずラストの音が止む前にブラヴォーの嵐!

でも、ワタシはオツカレ気味なので、そういった演奏は5年に一回くらい聴けば満足です。


<Re:やっぱり青春の歌じゃないですか? Iさま>

モントゥー盤久しぶりにお邪魔します。
私の好きなブラームス2番。
2,3枚あとから思い出しそうで心配ですが、、、(^_^;)
ハイティンク&ボストン
ザンデルリンク&SKD
ケンペ&ミュンヘン
モントゥ&LSO

この4枚がとくに好きです。
4枚全てに共通しているのは、音符を1つ1つ丁寧に置いていく、または積み上げていくタイプの演奏だというです。 崩したり、流れすぎたり、粒がバラバラだったりしていないところに、快楽のようなものを覚えます。 あと、ブラームスの交響曲の場合はわたしは録音がそこそこよいことが重要です。それもこれらはクリアしてます。

この中では、今はハイティンク盤が一番好きです。ACO時代のハイティンクの音楽を基本にしつつも、やや巨匠風の大きなウネリが加わっていて、心にしみいります。ボストン響の分厚い(4番などでは分厚すぎてうるさいけど)響きも心地よいです。
ザンデルリンクのゆっくりじっくりと音楽を積み上げていくブラームスも、絶妙に構築された音楽の形に快楽を感じます。
ケンペはいつもながらのすばらしい音楽。このコンビの全集では2番が一番好きです。ソツなく、心地よく音楽が進行していき、最後のフィナーレでは快速なのに音の粒が小さくきれいにそろっていて、これも快感です。
モントゥはフィナーレの前半部でみせる、絶妙なリタルダントが天下一品です。ここで、こんな絶妙なブレーキの踏み方をしているのは、モントゥだけじゃないでしょうか。
当時のロンドン響の響きも随一ですね。


<Re:ブラームス2番のベスト8 orooroさま>

お邪魔致します。よろしくお願いします。

1.フルトヴェングラー&LPO
「フルオタも駄盤、駄盤というけれど、音質のため、これならば。」
IRUKADISKというCD-R。SP復刻で聴くなら、伸びやかで柔らか。 フルトヴェングラーの同演異盤のような激しさもなく、優しく曲に浸れます。

2.フルトヴェングラー&ウィーン・フィル
「美しい、伸びやかしなやか美しい、極限での一つの奇跡、ここにあり。」 柔らかく高貴な音色。伸びやかなフレージング。酔いますね。

3.バルビローリ&ウィーン・フィル
「批評家は駄目よ駄目よというけれど、やっぱり聴きたいこのように。」 評価真っ二つ。バルビローリの歌いっぷりを理解して聴けば、もう特上。

4.ジュリーニ&ウィーン・フィル
「ロスフィルはアンサンブルが不揃だ、だからこちらがよいでしょう。」 このレガートで部厚い独自の世界。

5.シューリヒト&シュッットガルト放送響
「遺言です。一音一音慈しむ、シューリヒト美学、ここに極まる。」
死の直前の録音。意外にも颯爽とせずスローテンポ。 一音一音愛しむような丁寧な表現。カンタービレ豊か。 ウィーン・フィル盤以上にできよい。

6.ボウルト&LSO
「だれよりも歌うところは歌います、意外や意外、ボウルト節」 実は実は、一番歌いっぷりが良いのは、これなのです。

7.フルトヴェングラー&ベルリン・フィル
「優しさと怒涛のフォルテのコントラスト、フルトヴェングラー流儀ここに極まる。」
有無を言わさぬ説得力あり。歌うべきところは歌い、迫力あるところでは大迫力。 文句はありません。

8.ケルテス&ウィーン・フィル
「颯爽と、鋭いリズムもありますが、バランスうまくとってます。」


<♪ Schu>

ブラ2はダイスキな交響曲のひとつです。
初めて、聴いた、買ったのは確かベーム/ウィーン・フィルです。 ブラ1しか知らないのに交響曲全集を大枚はたいて 高校時代に買いました。笑。
チェロ、オーボエ、ホルンの響きがなんとも言えない深い味わいが絶妙なので、絶対に!下手なオーケストラでは聴きたくありません。

愛聴盤は、瑞々しいモントゥー/ロンドン響、 深い黄昏がの味わいがあるジュリーニ/ウィーン・フィル(特に2楽章のホルン!素晴らしすぎて言葉になりません。)
あとは、ボウルト/ロンドン。
おっと忘れちゃいけない、スタイリッシュなムラヴィンスキー/レニングラード。これをFMで聴いてブラ2が好きになったような気が・・・。
一番聴いてみたいのが、ジャン・フルネの演奏です。


<思わず手がのびた Yaさま>

久しぶりにブラ2を聴こうと思いました。 手が出たのは、ケンペ&バンベルク。
20年以上前の廉価盤LPですが、渋いオーケストラの充実した響き、 相変らずの自然体でありながら、細かな所まで気配りの行き届いた名演。

この曲は、フルトヴェングラーら大指揮者たちよりも このクラスの指揮者の演奏で楽しみたいと思う今日この頃デス。


<おっしゃっるとおり Schu>

カラヤン/BPOは素晴らしいですが、 流れすぎた演奏で、微妙です。
それにいつも演奏会では、前プロとして演奏していたので、 ひっかかります。

ベームの本来の姿は、やはりBPOとの旧盤です。 晩年のベームは体力的な問題が生じていて 別人だと、感じます。
晩年VPO相手に、火の鳥のテンポが遅い!って 言っていたそうですね。オーケストラはベームのテンポで演奏していたのに・・・。
確かに国内盤と輸入盤は、音が違いませんか?


<Re:ワタシの好きなBrahms 交響曲第2番 Mさま>

こんばんは。以前に一度おじゃましたことがあります。
私もブラームス交響曲第2番は最も好きな交響曲のひとつです。

好きな演奏は、
●ケンペ&ミュンヘンフィル
 この曲を最初に聴いた演奏で、それは高校生のころでした。フレーズの歌わせ方がたいへん自然で、深々とした音響でやさしく包んでくれるかの演奏になぐさめられたことを憶えています。ほかの方からもあがっているようですが、やはり、この曲には派手できらびやかな演奏よりもこうしたしっとり系のほうがこころに響いてきてよろしいのでは。(同じ指揮者のバイエルン放送響とのLIVE盤も美しいです)。

●モントゥ&ロンドン交響楽団
 テンポのゆれやダイナミックレンジの幅が大きく、フレーズ1つ1つに微妙な表情づけがあるように感じます。ケンペ盤よりも厳しさが顔をのぞかせています。
 ちなみに私も、国内盤(UCCP9479)で聴いていますが、当時の録音としては良質で深みのある音のように聴こえ、気に入っているのですが‥。(再生装置との相性があるのかな)

●カイルベルト&バイエルン放送響(LIVE)
 カイルベルト特有のゴリッとした感触とLIVEならではの熱いうねりが魅力で、前2者とは違った傾向ですがたまにはこんな演奏もいいかも知れません。 (結局、ほとんど既出になってしまい、変わりばえなくてすみません)。

ところで、どなたか、クリップス&チューリッヒトーンハレ管のCD(LPかも?)をお持ちの方いませんか。その存在を知ってから探しているのですが、なかなか見つかりません。(感興あふれる名演とのことです!)。


<お探しものはコレかな Yさま>

クリップス

さてこれからクリップスのを聴くかな・・・と思いきや、ステレオのある部屋で長女が期末テストの勉強を始めましたんで自粛モードに突入。 正直ここ1年以上このレコードを耳にしていないもんで、コンサートホール盤らしく音が古いという印象しかありません。 あとクリップスらしい、というものかな(^^;; 

話かわって、クライバーは交響曲第4番を聞いたときに失望したクチです。 世評は高いようですけど、なんか自分自身のなかのブラームス像とズレている感じがしています。 第2番ってどんな演奏かしら?

ケンペ/ミュンヘンフィルはLP時代に絶賛していたんですけど、倒産したPLIZ/ACANTAの全曲CDを捕獲してガックリ。 柔らかくて甘くて。。えっ、って感じで遠のいてました。
ここで皆さん言われているので、久しぶりにLPを出してきました。 今朝これを聴いてましたけど、やっぱLPの方が耳に馴染んでいるせいか、しっとりとして、繊細さも感じられます。 装置のせいかもしれませんけどね。 

とにかく時と場合、自分の精神状態によっても違いますからね。 皆さんの意見は色々と参考になります。


<もしよろしければ‥ Mさま>

ケンペ&ミュンヘンフィルのCDは、最近(といっても2年ほど前)リリースされた、ARTS盤がよろしいかと思います。多少詰め込みすぎのせいか(1枚に2番と4番を収録)、楽章間の間隔が多少短いのが気になりますが、音質面では、ピラミッドバランスで深みのある音になっています。 (PLIZ/ACANTAの音は、ぼやけていて聴くにたえないものでした)。


<ケンペのARTS盤ね 林 侘助。>

数回見掛けましたね。PILZ/Acantaの中古盤もよく見掛けますよね。以前から音質のことは伺っておりましたが、ARTS盤では改善されてますか。これは機会があれば買わないといけませんね。

ベルリン・フィルとのモノラル録音はいかがでしょうか


<エアチェックからブラームス:交響曲第2番 Aさま>

ブラームスの交響曲第2番は好きです。 僕はエアチェックしたものから 2点あります。

・チョン・ミョンフン指揮 東京フィル<2004年7月1日、オペラシティ>
 第1楽章からミョンフンらしくグィ!とオーケストラをドライブしていくのがよくわかります。ティンパニの強打もライブらしい。第2楽章は思いっきり歌っていて感動を誘われます。第4楽章に入れば整いはやや悪いもののライブと言うことでこれもいいことだと思います。興奮させられた演奏です。

・ダニエル・ハーディング指揮 ドイツ・カンマーフィル
 この演奏は真の若さがある演奏です。巨匠が若々しく演奏するとこではなく本当に若くて颯爽としています。しかしこの颯爽とした演奏のおかげで普通ならブラームスらしい低音域に隠れてしまう、聴こえなかった音まで聴こえてきます。そして、最大の聴き所は弦の豊かさが伺えることです。これは室内オーケストラの特徴でもあるのでしょうか?

CDではヴァント&北ドイツ放送響の演奏が透明感のある弦の音が美しくてよかったと思います。


<若者らしい選定だ 林 侘助。>

ミュンフンのは想像つかないが、ハーディングのはスタジオ録音の交響曲(何番でしたっけ?)から類推して、ソリッドで先鋭的・集中力高い演奏なんでしょうね。オーケストラがメカニック的に凄いし。

第2番は「人生の苦渋が身に染みる世代」にならないと・・・と思ってきたが、各々の世代ごとに感じる「イメージ」があるようで、それが名曲の名曲たる所以か。ヴァントというのもいかにもオーソドックス(王道!)な選定でした。


<ケンペ&ベルリン・フィルのモノラル録音は Mさま>

TESTAMENT盤で聴きましたが、クリアな音質でモノラルということを抜きにすれば十分鑑賞に堪えうるかと思います。演奏は、第2楽章がかなりゆったりとしたテンポで進みます。好き嫌いの問題ですが、私は若干作為的なものを感じてしまい好きになれませんでした。‥‥そろそろケンペネタはこのへんで‥。
(追伸) クリップス&チューリッヒは、上京した折にでも中古LP店を探してみます。


ベイヌム・コンセルトヘボウ Sさま

若かりし頃(中学生?)NHKでサヴァリッシュのリハーサル風景をちょっと放送しました(最後の部分の)。それ以来ブラームスの2番は大好きです。この曲には田園的な明るさとドイツ的な弦の深さが欲しいとおもいます。しゅうさんのいわれるようなぐいぐいおす推進力もほしいですね、と欲張るとなかなか難しいです(どれをきいても満足できる曲ではあるのですが・・) 最近聴いていて満足しているのがベイヌム・コンセルトヘボウのライブ(EMI)です。モノなのが残念ですが、弦の深みと管の美しさが絶妙にからみあっているように思います。弦の深みという点ではバルビローリが素晴らしいのですが、そのまま4楽章にいくので今ひとつ欲求ふまんですが、ベイヌムは4楽章も熱く語ってくれます。最後に拍手も入っていますが、思わず一緒に拍手してしまいたくなります。ベイヌム・コンセルトヘボウは1番も名演だと思います。単に私がコンセルトヘボウ・オーケストラが好きなだけかもしれませんが・・・

(2004年11月23日)


【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi