Berlioz(フェレンツ・フリッチャイ)/Bizet(フェルディナント・ライトナー)/
Dukas/Honegger管弦楽作品集


DG 4470361-2 Berlioz

序曲「ローマの謝肉祭」(コンセール・ラムルー管弦楽団)
劇的物語「ファウストのごう罰」より「妖精の踊り」「ラコッツィ行進曲」

フェレンツ・フリッチャイ/ベルリン・フィル((p)1952)

Bizet

歌劇「カルメン」第1組曲/「アルルの女」第1/2組曲

フェルディナント・ライトナー/バンベルク交響楽団((p)1953)

Dukas

交響詩「魔法使いの弟子」

フェレンツ・フリッチャイ/コンセール・ラムルー管弦楽団((p)1952)

Honegger

ピアノ協奏曲

マルグリット・ウェーバー(p)/フリッチャイ/RIAS交響楽団((p)1957)

DG 4470361-2 2枚組

 Ferenc Fricsay(1914ー1963洪)、Ferdinand Leitner(1912-1996独)いずれも少々昔、独往系往年の名人の記録、というか寄せ集め落穂拾い的音源による仏蘭西名曲集です。Honeggerはステレオだけど他全部モノラル(それなり音質は悪くない)もう入手は難しい音源かな?LP時代からお気に入りでした。個人的には懐かしくて、すっかり擦れっ枯らしの似非音楽愛好家に至(成り下が)って久々、美しい名旋律に感慨がありました。

 幻想交響曲以外のBerliozの売れ筋3曲、求めて聴くことも滅多にないけど、いきなり!「ローマの謝肉祭」ノリノリの華やかさに打たれました。フリッチャイの手に掛かるとコンセール・ラムルーもベルリン・フィルもアンサンブルの水準に差はなくて、前者に明るく軽快、ふっくらとした風情を個性ととして感じるのみ。「妖精の踊り」ってメルヘンな旋律がデリケートに静謐、「動物の謝肉祭」(象)に引用されてましたよね。「ラコッツィ(ハンガリー)行進曲」って、フクザツなリズムとか間、テンポのタメがオモロくて、興奮と熱を呼んで輝かしい。ベルリン・フィルの管楽器のキレと賑々しさはさすが一流でしょう。

 ライトナー/バンベルク交響楽団というなんとも硬派独逸系の顔合わせで「カルメン」(4曲10分ほど。足らんなぁ)「アルルの女」(30分超)録音とは?どんな趣向だったのか。小学校(中学だっけ?)の教科書以来馴染みの旋律、LPでもたしか聴いていたよなぁ、モノラルだったんだ。几帳面かつヴィヴィッドに開始されるカルメン「前奏曲」から細部キチンと描き込んで、曖昧さのないもの。残り3曲の間奏曲も真面目な風情、木管に色気は足りないけど、これはこれで期待通り、作品旋律の美しさはちゃんと浮き立つリズム感であります。「アルルの女」は、マリオ・デル・モナコの「カルメン」露西亜(怪しげ)ライヴ「ファランドール」の臨場感が忘れられないもの。

 第1組曲の前奏曲から几帳面正確生真面目といった感じ。仕方がないなぁ、なんせ独逸正統(硬)派ですから。サキソフォーンの妖しげな音色も甘さ控えめ、一番人気の「メヌエット」のフルートはなかなか充実して、但し別作品からの引用(「美しいパースの娘」)らしい。「ファランドール」の端正な表現、正確なリズムの刻みも悪くないでしょう。

 ディズニーの「ファンタジア」以来の人気作品「魔法使いの弟子」は、Dukas唯一のヒット作。序曲「ローマの謝肉祭」といっしょに録音したんでしょう。こうしてみると、フリッチャイはライトナーより表情豊か、リズムのキレもなかなか。華やかなニュアンスを感じさせ、ユーモラスにはちょいと足りないかも。CD一枚目ラストのHoneggerは他の作品ほど知名度はないけれど、このピアノ協奏曲は時計仕掛けの玩具みたい、機械的無機的ピアノ・ソロが思いっきり素っ頓狂に愉しくて、ワタシ大好きな作品です。【♪ KechiKechi Classics ♪】にも数度登場しております。(ミヒャエル・リシェ/ワルター・クリーン)マルグリット・ウェーバー(p)はかなり真剣勝負っぽい集中力有。

(2016年8月20日)

【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi