Beethoven ピアノ協奏曲第3番ハ短調/第4番ト長調
(ウィルヘルム・ケンプ(p)/フェルディナント・ライトナー/ベルリン・フィル)


CC-1096  DG録音の海賊盤 @250 Beethoven

ピアノ協奏曲第3番ハ短調
ピアノ協奏曲第4番ト長調

ウィルヘルム・ケンプ(p)/フェルディナント・ライトナー/ベルリン・フィル

CC-1096 DG1961年録音の駅売海賊盤 @250

 人様にご迷惑を掛けなければ各々の趣味嗜好は自由自在。職場には週末休みはすべて”くわがた収集”に費やしている若者がおります。ワタシは小学生の頃より(ジャンル問わず)音楽が好き、一方で節約、ムダを省くのも趣味の域、若くて貧しかった頃はFM放送のカセット・エアチェックに熱心でした。(著名な演奏はほとんどそれで馴染んだもの)LP時代より廉価盤+中古盤一筋、安ければ国内盤海外盤関係なく入手、1994年辺り最終的にLPは贅沢品に至ったと見切りをつけ、在庫すべて処分してCDへ。CDも【♪ KechiKechi Classics ♪】という名前の通り廉価盤一筋・・・21世紀国民皆廉価盤時代を迎えて更にネットより音源入手可能となってCDを徐々に処分・・・このネタは千度使いました。

 1990年代前半はCDが未だ高くて、駅売海賊盤@1,000は貴重だったんです。今でもホームセンターのカゴとかスーパーの店頭販売に見掛けるけれど、正規盤のほうが安くなっているから要注意。駅売海賊盤はヤフオクでもなかなか売れないから棚中生き残ったのは50数枚ほど。正規CDも含めトータル在庫最盛期の1/4以下に減った在庫を眺めつつ2009年に最終言及した駅売海賊盤「ウィルヘルム・ケンプのBeetoven ピアノ協奏曲全集」の記憶が蘇りました。第5番第1番/第2番への言及有。なんでもそうだけど、ちょっとずつ、ゆっくり集める愉しみってありますよね。一気オトナ買いの醍醐味は夢だったけれど、実現すればそれは限りなく、儚いもの。ウィルヘルム・ケンプの駅売海賊盤を順繰り6枚BOOK・OFF@250入手した!なんて、だれも羨ましく思いませんって。それでも趣味は趣味。

 我がオーディオから流れた音楽にはそんな経緯所以は関係ないもの。音に拘るマニアにとって「怪しげ駅売海賊盤」など笑止千万でしょう。LP板起こし?人民中国製某村ぐるみ製造(か?どうかは定かではない)CDは、最新マスタリング!高品質スーパー云々CDやらハイレゾ(ってなんですか?)に比べられぬものでしょう。おそらく四半世紀前に製造され、しかも中古入手、やや音質の肌理が粗くても、日常音楽を楽しむのに充分な水準・・・長いだ・・・パブリックドメインだから、ネットから音源入手可能、youtubeでも拝聴可能です。

 ピアノ協奏曲第3番ハ短調作品37第1楽章「Allegro con brio」の冒頭、Mozart ピアノ協奏曲第24番ハ短調K.491によう似ておりませんか。(もちろんMozartのほうが先)シンプルだけど劇的な出足、カラヤン時代を迎えた当時のベルリン・フィルは(上手いけど)質実端正な響き、これはライトナー(Ferdinand Leitner, 1912ー1996)の個性でしょう。当時66歳のケンプの技巧に怪しいところなくて、おそらく楽器はスタンウエイ?高音がやや安っぽく(失礼)響いて、壮麗華やかな音色に非ず、バリバリと強靭に非ず暖かいピアノ。オケとソロはみごとに息が合っておりました。雄弁なカデンツァは自作ですか?緊張感と集中力を感じさせる劇的楽章であります。(16:12)

 第2楽章 「Largo」対象的に優しげ、神妙に厚い響き、静謐な緩徐楽章。若い頃はBeeやんの激しいところを求めたけれど、現在は静謐な緩徐楽章を好むようになりました。ピアノのアルペジオに美しい木管が絡むところ、これは現代ならもっと軽快に演っても良いのかも。(8:58)第3楽章「Molto allegro」深刻なロンド主題はいかにもBeeやん、この出足がずいぶんと優しく抑制されたもの、緊張感切迫感を強調せぬままテンポは抑制気味、そっと開始して力みはないもの。この辺り老熟を感じさせて、ちょいと盛り上がりと躍動が足らぬか。(9:28)

 ピアノ協奏曲第4番ト長調も名曲ですよね。第1楽章「Allegro moderato」はいきなりピアノのシンプルかつ優しいソロからスタート、やがて深い眠りから覚めるようにオーケストラがその旋律を受けて、粛々ピアノと絡む出足。一発ぶちかまし!に非ず、とつとつと落ち着いて味わい深く、語りかけるような楽章であります。徐々に暗転しつつ盛り上がってカデンツァはここでも自作。音質のせいか、ピアノの音色に芯がちょっぴり足りないような・・・(17:14)

 第2楽章「Andante con moto」。は深刻な弦のユニゾンにて開始、途方に暮れたピアノが静かに絡みます。モノクロームのような暗い旋律、サウンド。やがてピアノは嘆きを歌って幻想的なところ・・・ここの表現は絶品でしょう。(4:51)第3楽章「Rondo Vivace」は破顔一笑、前楽章の落ち込んだ暗さはこの対比を見せるためと理解できます。春のめざめのような憧憬開始は、一気呵成に走り出して、そこはヴェテランのワザ、抑制が効いてニュアンスを感じさせて力みはないもの。ここも(ほんの一部わずかに)高音に安っぽさを感じさせるピアノ、これは駅売海賊盤の不備でしょうか。ド・シロウトのイメージとしては”緩緩急”といった構成作品、ラストに焦点を当てて諄々と説得力ある演奏でした。(10:28)

 長く続いた”Beeやんアレルギー”はほとんど完治しております。

(2017年12月10日)

【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi