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贅沢三昧

Mahler 有為編

 交響曲第1番ニ長調は人気のある作品らしく、録音が多いようです。だから中古でも入手できる機会も多く、ワタシの手許にもいつの間にか貯まっておりますね。「贅沢三昧 Mahler 編 有為(うい)編」では、この作品中心に在庫棚卸しを実施し、新たな気持ちで音楽を楽しむつもり。

D Classics HR702922  3枚組2,000円で購入 パウル・クレツキが数曲録音を残しております。交響曲第1番ニ長調(ウィーン・フィルハーモニー。1964年録音)/交響曲第4番ト長調(フィルハーモニア管弦楽団/ルーズ(s)。1957年録音)/第5番 嬰ハ短調より「アダージエット」(フィルハーモニア管弦楽団。1959年録音)/「大地の歌」(フィルハーモニア管弦楽団/ディッキー(t)F・ディースカウ(br)。1959年録音)・・・まだメジャーな人気とは言い難かった時代の、先進的録音です。知的緻密な演奏〜だったはずだけれど、久々に真面目に、集中して聴いてみないと。

   1999年、岡山に転居したワタシは「もうこれからは激安CDは入手できないかも」という思いから、延べ20枚ほど@1,000(高い!贅沢!)で購入しております。その中の一枚が●交響曲第1番ニ長調〜ラインスドルフ/ボストン交響楽団(1962年。RCA 74321-17896-2)。これは少々素っ気ないというか、割り切ったような演奏でして、楽しめなかった記憶有。(しばらく聴いておりません。第5番1963年録音も入手。BVCC-9002 @480)●ケーゲル/ドレスデン・フィル(1979年 BerlinClassics 0090382BC)〜これは「ドレスデン・フィル125周年記念ボックス」(9枚組9,000円〜こんな贅沢したのは20世紀中の購入に間違いない)に含まれていたもの。

 これもエラく不機嫌な演奏だった記憶が・・・ずいぶんと聴いておりません。(連続反省)●交響曲第1番ニ長調〜マゼール/ウィーン・フィル(CBS/SONY 22DC 5595 1985年 250円)・・・有名で支持者も多い全集だけれど、ワタシはこれしか聴いておりません。恣意的意欲的なテンポの揺れが気になって、好み方面ではない・・・が一度しか聴いていないから情けない。ほとんど駅売海賊盤でしか聴く機会を得なかった●ショルティだけれど、シカゴ交響楽団との第1番(LONDON DCI 81037 1983年録音 250円)・・・耳あたりの良い、爽快なる強力演奏でしたね。しかし、あまりにこだわりなさ過ぎで、やはり好みでもない・・・録音極上でした。

NOVALIS NOV-16 1988年録音 更に●交響曲第1番〜コリン・デイヴィス/バイエルン放送交響楽団(NOVALIS NOV-16 1988年録音 420円。定価3,200円!)期待の一枚だったが、期待ほどのオーケストラの深い響き(クーベリック全集が念頭にある)ではなかったのは録音故か、それとも聴き手の未熟なのか。●ジェイムス・レヴァイン/ロンドン交響楽団(RCA CDMC-30 1974年 350円)は、明るく素直で、すっきりこだわりのない方向だけれど、これは良く歌う演奏で意外とお気に入りでした。(「これ、なんというか「明るいMahler 」か。「陰影に富んで、病んだ感じ」がまったくない。かといってノー天気なアホ演奏かというとそうではなくて、歌心に充ちて、聴いていてひじょうに楽しい。オーケストラ・コントロールに優れ、LSOも快調。かなり以前の録音で、結局全集に至っていないが、これはもしかして新時代のMahler を切り開く演奏になるのかも知れません。それとも現在「巨匠」になったレヴァインは考えすぎの演奏をするのかも」〜CLASSIC ちょろ聴き(9)より)

 まだまだ出てくる交響曲第1番ニ長調の在庫はどうなっておるのか・・・●マルケヴィッチ/フランス国立管弦楽団(1967年ライヴ PECO SSCD 001 3枚組1,144円)これ、さっぱり、というより、素っ気ない乾いたような演奏がかつてない(妙な)個性を感じさせましたね。POOLClassic 75 083  250円。すみません、売り払いました。 ●ハンスーペーター・フランク/シュターツカペレ・ヴァイマール(1993年ライヴ+「花の章」 POOLClassic 75 083 250円)日本じゃなかなか聴けない旧東ドイツのオーケストラだし、これは掘り出し物。不思議な透明感を持った演奏で、録音のせいかやや散漫な印象もある。特別に優秀な技量とは思えないが、少なくともベルリン・フィルのようなインターナショナルな色気ある響きとは無縁で、誠実感が取り柄か?〜CLASSIC ちょろ聴きより(すみません。売り払いました)

 最近、出張ついでにBOOK・OFFで購入した●メータ/ニューヨーク・フィル(CBS/SONY FDCA331 1980年録音 @250税込)は別原稿で触れておりましたね。ここ最近、評判芳しくない(あくまで日本で、CD評価上だからあてにならぬが)オーケストラの盤石の自信ぶりが意外と楽しい・・・。●スウィトナー/シュターツカペレ・ドレスデン(1962年)の録音も既にサイト掲載済み。(正直記憶が飛んでおりました。)

 歴史的録音の在庫は少々記憶が怪しくて・・・●ミトロプーロス/ミネアポリス交響楽団(1940年)・・・これはCBS正規盤ではなく件のHISTORY10枚組(XXCM 220833-303 10枚組2,480円)収録だけれどから音質云々できない(あまりヨロしからぬが、オリジナルはもっと良好なのでは?)が、メリハリはっきりして引き締まった集中力+優雅な歌が素晴らしい。第2楽章なんて、もう大爆発!・・・と音楽日誌に書いておりました。(この原稿執筆最中更に、●ミトロプーロス/ニューヨーク・フィルハーモニック1960年ライヴ入手 ARIOSO 105-CD1・・・盆休みに聴く予定)

 嗚呼、情けない。もしかしてまだ棚奥から「新発見!」あるかも。この「有為編」こそ、今回の「棚卸し」最大の成果、というか、ほとんど「記憶がない」「聴いていない」連続大反省の巻でした。もっと、ちゃんと、ていねいに音楽を聴きます!という後悔と決意の巻でした。

(2005年8日12月)

【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi