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CDの相場/価格破壊


   子供の頃から音楽が好きで、LPは贅沢品だったし、ましてや小学生〜中学生でしょ?子供にとっての1,000円(廉価盤)2,000円(レギュラー盤)は1970年頃の物価を考え合わせると、天文学的!その思いが抜けないから、CD時代(自分にとっては1990年以降/LPを全部処分して)から廉価盤一筋!とにかく1,000円以下〜500円以下〜300円以下を狙って幾星霜。21世紀に入ると歴史的録音を皮切りに価格破壊が始まって、ワタシは少年時代とは比べ物にならぬ金満中年に至って”オトナ買い”〜挙句、聴ききれない・・・音楽を大切に、ていねいに、感謝の心を以って聴かなくなってしまった・・・

 棚中在庫処分(=オークションにて)を本格的に開始したのが、2006年。2007年に尼崎に転居するにあたり一部屋減、巨大CDラックを購入しても収納しきれずダンボール一個分余り、それを処分すべくオークション出品を強化しました。基本@300だったし、よう売れましたよ。儲けが目的じゃないんで。ちゃんとカウントしていないが、おそらくは累計1,500枚ほど?(落札評価人数から類推)2009年末には売れ行きがぱたりと止まって、ちょっと出品休んだりしました。

 もうCDの時代じゃないからね、ワタシだって著作隣接権の切れた歴史的音源をネットで無料ダウンロード、.mp3→.wavファイル変換→自主CD化してますもの。世間の不況はいや増すばかり、自分のお仕事でもそのことは実感できる日々。音楽ってやはり道楽ですし、もちろん人生に必要な。

 つい最近なんだけど・・・ルービンシュタインのChopin (駅売海賊盤)6枚分難有250円で出品したら、1,000円(試しに付けてみた即決価格)にて売れてくださいました。最低価格一件入札が理想でして、ちょっと法外だな?と思いました。案の定、送付したら

商品説明に「スリーヴの一部紛失、ケースに割れなどがございます。」などとありますが、その「など」の部分をもう少し詳しく書いておいてほしかったと思います。全てのCDが同じレーベルではないということに少し衝撃を受けました
 非正規ライセンス盤と明記、しかも写真を掲載しているんですよ。「全てのCDが同じレーベルではない」って、当たり前じゃん。だいたい原価6,000円だぞ、関係ないか。これは我に理有。でも、なんだかなぁ、といった感慨有。その財源1,000円を元手に正規盤11枚組2,470円にて亜米利加より輸入した件は既に「音楽日誌」に載せました。1,470円にて11枚分買い直した計算か。到着までに10日間、その間に相場が変わって国内新品と同じ価格になっておりました。

 ジョン・バルビローリのBeethoven 2枚組(DUTTON)は600円にて落札され、送付したら盤面劣化が始まっていたらしく(事前点検ミス/だってちゃんと数日前には聴いていたので)到着後クレームが来ました。これは正当なものなので、手数料送料込みで即刻全額返金。信義信頼問題が一番大切なので、小金など屁でもない。大量に処理すれば、こんな事件も発生します。CDは「聴ける間は、聴いてやってください」と、プレゼントいたしました。

 数日前、ジャクリーヌ・デュ・プレ「初期BBC放送録音1961-65/2枚組」(これはEMI正規盤)+Haydn協奏曲2曲/Boccherini協奏曲(駅売海賊盤)2枚、合計1,000円にて落札され送付しました。彼女のファンですって。喜んでいただけるとありがたいが・・・数日前アマゾンで17枚組3,100円ほどで見かけて、いくらでも良いからこれが売れたら(つまりダブり回避できたら*)注文しようと決意しておりました。先のChopin 同様、我ながらあくどい手口ですな。(*正確にはElgar30枚ボックスに彼女のチェロ協奏曲が含まれるからダブり必須、完全回避できず)

 ルービンシュタイン+デュ・プレ計28枚CDを入手したから(正確には▲10枚既に拠出しているが)その分だけ、最低でも棚中在庫処分しないといけないな。総量抑制(できれば削減)計画実行中なので。なにより、ちゃんと、心を込めて音楽を聴いてあげることは前提です。不況感いや増すここ最近なのに、やたらとCDが高値で落札されるのが不思議な現象であります。フェルナン・ウーブラドゥの「パリのMozart 」が人気なのは知っていたけれど、4枚組中古で5,750 円というのは相場なのか?ブルーノ・マデルナのMahler 交響曲第3/5/7/9番4枚組が6,850 円!、それとは別の第7番(ウィーン交響楽団1967年)が一枚で2,100 円〜うーむ高い・・・300円で出したのに。(その財源で小澤征爾PHILIPS盤全集をオークション落札してしまった!)

 仏ADES フランス中心の歴史的録音のモーツァルト5枚組(Ad'es 14.185-2)に至っては、なんと!13,600 円でっせ。もともと1,000円(送料別)で出品していた(基本、ダブり音源処分目的だった)んだけれど。そんなに太古の音源聴きたいんだろうか?売れ筋というのは理解でけまへん。なんか、おかしい。

(2010年3月19日)
 

【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi