Vivaldi Famous Concertos 協奏曲集
(ヤロスラフ・クレチェク/カペラ・イストロポリターナ1989年)


NAXOS 8.550384 Vivaldi

オーボエ協奏曲 ヘ長調 RV 455

ガブリエラ・クルコヴァ(ob)

ヴァイオリン協奏曲ト短調 作品12/1, RV 317

ユレイ・チズマロヴィチ (v)

ギター協奏曲 ニ長調 (Lute Concerto RV 93)

ヨゼフ・ツァプカ(g)

オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 変ロ長調 RV 548

ガブリエラ・クルコヴァ(ob)/イルジー・ポスピシリ(v)

トランペット協奏曲 ニ短調(J. ティルド編)

ミロスラフ・ケイマル(tp)

2つのチェロのための協奏曲 ト短調 RV 531

ペーター・バラン、ルドヴィト・カンタ(vc)

ヤロスラフ・クレチェク/カペラ・イストロポリターナ

NAXOS 8.550384 1989年録音

 

NAXOS初期の音源であり、今時流行らぬ現代楽器によるオーソドックスな演奏也。現役です。これが、なんとも奇を衒わぬフツウっぽい味わいは、ほっとさせるもの。音質も悪くないし、ジミなサウンドのオケも技術的に十全、軽快軽妙なリズムに溢れます。クルコヴァのオーボエは透明、洗練されております。ルドヴィト・カンタって、オーケストラ・アンサンブル金沢の首席ですよね。ワタシは古楽器派と自認するが、こんなスタイルだってバロック音楽の魅力を堪能するに不足はないんです。(「音楽日誌」2013年2月より)
   上記に言い尽くされ、バロック音楽好きとしては屁理屈云々せずに愉しみたい一枚也。クレチェクは1939年生まれ、チェコのヴェテランらしい・・・とは、かつて自らのコメントを発見したもの。最近キレキレの古楽器系リズムを聴き過ぎたせいか、妙にこんなオーソドックス常識的テンポ(?)現代楽器が新鮮に響く今日このごろであります。Vivaldiって、作品8(和声とインヴェンションへの試み)とか、作品3(調和の霊感)以外は、とくにこの作品!旋律!みたいな意識はできなくて、どれもぼんやり聴いて、まったりする罰当たりな聴き方なんです。以下、順不同に

 誰でも知っていそうな馴染みの旋律は2曲。ギター協奏曲ニ長調は原曲はリュートになっているけれど、実際は現代ギター演奏の中心的なレパートリーになっております。リュートは実演にて数度拝聴したけれど、音量とても小さいのですね。古楽器系演奏ではとてもテンポ速かった記憶があって、こちらヨゼフ・ツァプカのギターは納得のお馴染み風情。しっとり軽快なアンサンブル、柔らかなソロにほっとします。驚いたのがトランペット協奏曲 ニ短調(J. ティルド編)→作品8-9(またはRV 454/オーボエまたはヴァイオリンのための)つまり(著名な)「四季」の後に続く、ちょっぴり切迫感のある旋律。ヘルベルト・ケーゲル辺りで妙に有名になった作品かな?

 これがオリジナル作品と見紛うばかりにトランペットにぴたり!ヴァイオリンによる原曲も素敵だけれど、朗々たるトランペットと悲痛かつ緊迫感旋律が似合うのですね。ケイマルのソロはスムース、このくらいの技量ならブラティスラヴァ辺りでもフツウにおりまっせ、ということか。

 オーボエ協奏曲 ヘ長調は洗練されたソロが陰影表情深く、明るく洗練された音色、みごとな技量で聴かせます。オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 変ロ長調はノンビリ、明るい牧歌的雰囲気満載。クルコヴァのオーボエは後者、若干の暗さを伴って音色印象が少々異なりました。ポスピシリのヴァイオリンは清潔そのもの。ヴァイオリン協奏曲ト短調(作品12/1)はもの哀しくもほの暗い旋律(名曲!教則本にも載っているとのこと)であって、チズマロヴィチの音色はちょっぴり蠱惑的、色気を感じさせます。サウンドはモダーン、昔風ではない浪漫なスタイルか。このCD中の白眉かも。

 2つのチェロのための協奏曲 ト短調は珍しい編成の作品でしょう。ソロのテイストか、全体に重苦しい風情があり、それは演奏スタイルによる表現印象かもしれません。二人のチェリストの絡みあいには充分な集中力があり、第2楽章「ラルゴ」に詠嘆の祈りが聴き取れます。カペラ・イストロポリターナって、NAXOS廉価盤専門みたいな印象でした。こうして襟を糺してちゃんと拝聴すると、瑞々しく整ったアンサンブルに驚かされます。音質も良好。

(2013年4月12日)


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written by wabisuke hayashi