Stravinsky バレエ音楽「春の祭典」
(サイモン・ラトル/イギリス・ナショナル・ユース管弦楽団/1977年録音)


BRILLIANT 6243
Stravinsky

バレエ音楽「春の祭典」

サイモン・ラトル/イギリス・ナショナル・ユース管弦楽団

BRILLIANT 6243 ASV原盤(1977年録音)  2枚組580円

 前回コメントが2004年、なんせお気に入り作品(群)なので、棚中数多くのCD有(今更在庫詳細確認する意欲もなし)、この2枚組はオークション処分しましょうと出品繰り返し幾度、結果的にまったく反応なし。びくともせずに売れ残り。一時期たくさん出回ったから好事家は既に所有済み?知名度高い演奏家ばかりだったんだけれど・・・人生出会いと巡り合わせでしょう。別に嫌っていた演奏でもなし。

 ラトル22歳の「春の祭典」〜オケは予想外に技術的にしっかりしていました。固有の色合いというか、味には不足するけれど、これ以下のプロ演奏はゴロゴロしていると思います。稀にアンサンブルが前のめりに、ややずれる(走る)のは若さ故。それさえ、熱気に感じられないことはない。1988年のバーミンガム・シティ響との録音が有名(らしい)だし、1993年にベルリン・フィルとの演奏会にも取り上げているから、きっと彼得意の作品なんでしょう。エネルギッシュで、推進力充分大爆発の立派な演奏だと思います。

 若気の至りなどという未熟は、ほとんど見られない完成度の高さ。あとは「この作品になにを求めるのか」ということのみでしょう。「このCDを聴く限り、あまりおもしろくない。スリリングでも安定感があるものでもない」という厳しいサイト評も見掛けました。ワタシの標準は「知的分解」のブーレーズ。もともとが原始的暴力的作品だから、やや粗野なアンサンブル混沌の泥臭い馬力表現もおもしろい。そういう範疇どちらにも入らない、都会的元気演奏かな。ワタシは充分に楽しめましたが。

 オケにも指揮にも(きっと)余裕が足りないせいか、聴き進むに連れ「やかましい」?〜少々そんなことも感じました。

 〜これが前回感想であって、やや中途半端な印象であったことが類推できます。前回コメントにもあるんだけれど、音量水準やや低くて、ボリュームはできるだけ上げたほうが様子はわかりやすい。

 バーミンガム・シティ響の主席指揮者就任が1979年、25歳でっせ。その更に2年前、ぴかぴかの若者(指揮者も演奏者も)の演奏。「春の祭典」はほんの子供の頃からのお気に入り作品だから、聴く機会は多くて、新旧種々様々な演奏を愉しみます。でもね、華麗なる加齢を重ね、似非金満中年に至り、贅沢病悪化気味。つい先日、LP処分以降ずいぶんと聴く機会を得なかった(待望の)ピエール・モントゥー/ボストン交響楽団(1951年RCAモノラル録音)を拝聴・再会いたしました・・・これがどーもいけん。音質が気に喰わない(当たり前の太古録音也)。若い頃は貧しかったから、音質よろしからぬ(安い、中古など)旧録音ばかり聴く機会が多くて、”耳で聴くな!魂で聴け”みたいな精神論をモットーにしてきたはずなのに、この堕落ぶりはなんやねん。1956年ステレオ録音を(3年ぶり?)再聴する勇気も出ません。

 ブツクサ言いつつ、モントゥー1951年録音と幾度比較しつつ、やがて見えてくるものが・・・アナログ末期1977年録音状態はまずまずでしょう、やや、オフ・マイクっぽいけれど。オケの技量云々でいえば技術的不備はほとんどない。若者の集まりだから個性とか色気とか味わいとかタメ、そんなものは期待できぬけれど、ラトル盤1977年には若さ、粗削りの勢いが(たっぷり)存在します。個性不足とか、緊張と緩和、陰影や色彩云々するのは若者達に酷な話しでしょうが。響きがやや薄い(散漫?)、軽量、アンサンブルに洗練が足りぬというのも事実でしょう。(この後に収録される「火の鳥」(1910年版)/マッケラス/ロイヤル・フィル1976年録音を続けて聴けば、その熟練した緻密サウンドとの違いは一目瞭然)

 でも、これで良いのではないか。ここ数日、幾度スッキリさっぱりとした(熱血系に非ず)若々しい、元気演奏を愉しんだことでしょう。熟達完成した個性ばかりを称揚するのは、ちょっと違うんじゃないか。後年2種の再録音との比較はこれからの楽しみ。ちなみに、モントゥー/ボストン交響楽団(1951年)は聴けば聴くほど味わいの深さを感じるに至りました。もしかしたらLP時代、若い頃(柔軟なるノーミソだった頃)の刷り込みかも。

(2011年7月23日)

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written by wabisuke hayashi