Bruckner 交響曲第8番ハ短調(ハース版)
(ハインツ・レーグナー/ベルリン放送交響楽団)



DEUTSCHESHCALLPLATTEN  SDS-8
Bruckner

交響曲第8番ハ短調(ハース版)

ハインツ・レーグナー/ベルリン放送交響楽団

DEUTSCHESHCALLPLATTEN  SDS-8   1985年の録音 1,000円(税込み)で購入

 レーグナーは2001年に亡くなってしまいました。彼の録音は意外と廉価で多く手に入るし、ちゃんと追悼しないとな、と思いつつも数年ぶりの再聴となってしまいました。いつもながらワタシの昔の文書は無内容で、かといって今更気の利いたこともムリして加えるような実力もないが、真面目にまっさらな気持ちで音楽を聴きましょう。

 ちなみにこのオケ、日本語表記では同じ団体が(かつて)あったが、旧東の方の団体で、日本語訳「ベルリン放送管弦楽団」〜これは現ベルリン・ドイツ響と区別するためにムリヤリ付けた名前みたいです。数年前のワタシは「アンサンブルが落ちる」なんてふざけたことを言っているが、そんなことはないでしょ?「全奏で音が割れる」のは当時の激安CDプレーヤーのせいか。

 レーグナーのBrucknerは、新鮮さではピカイチじゃないでしょうか。テンポが速くてノリノリの情熱派、聴いていてドキドキしますね。ゆっくり目のテンポで、あちこちの旋律・和音をじっくり丁寧に味合わせてくれる演奏とは対局だけれど、細部が粗いわけじゃないんです。全74分。

 誰のとは言わぬが、意味もなく旋律が間延びして、緊張感はゆるむし、技術的には破綻しているし・・・なんて言う演奏とは大違い→こちら「芸術とは勢いだ!」風主張横溢魅力的演奏。「オケが上手くない」という感想は、おそらく当時何か別な演奏(チェリビダッケ/ベルリン・フィルの第7番か?)を聴いていた反動かと思います。たしかに、どのパートも地味な響きであることは間違いない。

 弦は鳴らない代表選手だけれど、薄いわけではなくて、輝くような艶がないだけなんです。コシとコクはあるから、ある意味Brucknerには似合っている。木管も華やかさがなくて、アンサンブルのなかで目立たない。金管も地味だけれど、これはむしろこの曲にあっては貴重な個性であって、渋いと評価してもよろしいと思います。

 これは第3楽章「アダージョ」を念頭に置いて書いていて、26分というのは通常より5分くらい短いでしょうか。急いた印象はなくて、諄々と説得力が深い楽章に仕上がっておりました。キリリと筋肉質か。終楽章は、威圧的な重さもなくてザックリとした編み方のセーターのような魅力がある。思い入れがましい表現皆無で、サラリとした節回しが鈍い輝きで奥行きが感じられました。ホルン、弦、がとくに素敵です。

 聴いた後の印象がとても爽やかでした。いつものように、以前のわかっちゃない文書(1999年頃かな?)もそのまま、置いておきます。恥ずかしい。(2002年3月22日)


  聴き比べを楽しみとしておりますので、同じような曲、演奏家ばかり続けて聴くこととなります。これは新星堂が1991年に出したシリーズの一枚。

 第7番に続けて聴いたのですが、速いテンポ、ストレートで飾らない演奏ぶりはそのまま。アンサンブルは、こちらの方が落ちるかも知れません。第7番で絶好調だったホルンもちょっと怪しい。オーボエもちっとも上手くない。やはり全奏で音が割れる。

 でもこちらの方がグッと聴き応えのある75分。はじめのうち、そのそっけない進め方を危惧するのですが、やがてやたらと熱気に溢れて、力一杯の異様な雰囲気に飲まれていきます。

 スケルツォが躍動感溢れるノリノリのド迫力なのは想像通り。アダージョのまさに「荘重に、ゆっくりと、しかし引きずることなく」という表示通りのすばらしさ。音が洗練されず、濁りがち。しかも表現が素朴で田舎臭く、カッコ良くはない。でも、誠実な音楽の流れに「汗」を感じさせる演奏。

 そして、誰もが阿波踊りを連想させるフィナーレの爆発。はっきりいって、あまり鳴らないオケだと思うんです。でも持てる力を精一杯全開して、なによりリズムは弾むようで素晴らしい。

 落ち着きがなくて、静謐さが足りないのはいつも通り。音も割れて聴き疲れします。でもきっと、こういう演奏はライヴで聴くと感動するはず。Brucknerとしてはやや異形ですが、元気いっぱい、全力疾走の演奏もタマに聴くと良いものです。


他のBrucknerの交響曲第8番

ケーゲル/ライプツィヒ放送響

ティントナー/アイルランド国立管

バルビローリ/ハレ管 


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written by wabisuke hayashi