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懐かしい劣悪録音


   2009年から歴史的録音のCDを精力的に処分し始めたのは、ネットでフリー音源が拾えるようになったこと。もうひとつ、劣悪な音質に耐えられなくなった理由もありました。昔の録音=劣悪録音ではなくて、戦前太古録音でも聴きやすいもの、1955年の驚異的優秀録音(ステレオ)というものもあります。前者だったら例えば協奏曲100枚組、後者だったらフリッツ・ライナー辺りが代表か。あまりオーディオ云々言わないほうだけれど、自然な奥行きや広がりがあって、ドンシャリではない、聴き疲れしないものを求めております。

 LP時代からお世話になったVOXレーベルには、劣悪音質で苦しみました。ホーレンシュタインやらクレンペラーの1950年代録音もほとんど処分済み。堕落ですな。ここ最近、ネットで拾えるフリー音源に凝っていて、.mp3→.wavファイル変換して自主CD化、それでもけっこう、それなりの音質と感じるから、たいした耳じゃないのはたしか。+安物オーディオだし。

 20円のCDRでばんばんCDができてしまうから、嬉しい。一発、好みの作品ばかり集めて〜まず、Bach /Busoni編「シャコンヌ」から・・・W.M.ガン(p)。粛々として大仰ではない演奏ぶりがなかなかエエではないか。次、愛しのMozart 行きましょう。ピアノ協奏曲第21番ハ長調K.467〜ロベルト・カルネヴェイレ(p)/アマデウス室内管弦楽団・・・素直で軽快、明るい演奏ではないか。バックのオケ(現代楽器)も充分美しいアンサンブル。

 で、更に。ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466〜 ボフミル・ステリク(p)収録・・・バックのオケはクレジットされず。しかし、ズロニツェの聖マリア教会のライヴとなっております。これが酷い、演奏ではなくて音質が。まるでブート・レグ。ガサゴソとマイク・ノイズが至近で鳴るし、エラく遠くで過大なる残響にまみれて、芯も低音もない曖昧模糊としたサウンドが流れてまいります。滅茶苦茶オフ・マイク。ここ最近、こんな音質だったら絶対に商売に使えまへんな。

 商売じゃないから、ネットで無料で流しているから、こんな粗悪な音源も紛れ込んじゃう。演奏はそう悪くないんだけれど、ラスト迄聴き通すがツラいものでした。結果、自主CD化失敗、というかちゃんと残っているけれど。

 思い出しました。若き日のLP時代。中古でコロムビア・ダイヤモンド1000シリーズ集めてました。(MS-1027)Beethoven 序曲集/「レオノーレ」序曲第3番/エグモント/シュテファン王/他〜ヨーゼフ・クリップス/ロンドン交響楽団(1960年)・・・これはなかなかエエ演奏でした。音質も往年のEVEREST名録音。問題はウェリントンの勝利(戦争交響曲)〜ウェルナー・ヤンセン/ロスアンジェルス交響楽団(?)・・・記憶では解説コメントにてロス・フィルと混同しておりました。

 これが、エラく遠くで過大なる残響にまみれて、芯も低音もない曖昧模糊としたサウンドが流れて〜まさに記憶類似。凄い音は忘れられない。ズロニツェの聖マリア教会のライヴは、久々にそんなことを思い出させてくださいました。

 マニアックな音源をいくらネット上でコメントして空しいものだけれど、いまやこのサイトの読者は実際に誰でも拝聴確認可能。エエ時代となりました。

(2010年4月9日)
 

【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi