Rachmaninov 交響曲第2番ホ短調
(ヴァーノン・ハンドリー/ロイヤル・フィルハーモニー)


Membran Wallet 233018 Rachmaninov

交響曲第2番ホ短調

ヴァーノン・ハンドリー/ロイヤル・フィルハーモニー

Membran Wallet 233018/CD6  1994年録音

 日本じゃ人気知名度さっぱりなVernon Handley(1930ー2008)は英国の実力派でした。あちこちネットを眺めると誤った読み方「ハンドレイ」ちゃいまっせ。(ちなみにAndrewは「アンドリュー」に非ず「アンドルー」、ま、たいした話題じゃないけど)この甘美濃厚な旋律満載!な作品は大好き、ユージン・オーマンディとかアレクサンダー・アニシモフへの言及もありました。なんでも良いんですよ、ピアノ協奏曲版(ヴォルフラム・シュミット=レオナルディ(p))でもかまわない。

 この10枚組は玉石混淆っぽくて、この一枚は出色の「玉」でしょう(ディジタル録音)。一連のRPO録音は音質極上、例の如しロイヤル・フィルの金管も絶好調の迫力であります。(但し、スリーブのデザインはいただけないけど)フィル・アップなしも贅沢な一枚。

 第1楽章「Largo - Allegro moderato」。チェロとコントラバスによる暗鬱内省的、静かな出足。露西亜系はここから重心低く、こってり味でいくことでしょう。濃厚にたっぷり甘い旋律をハンドリーはデリケートに、ていねいに、清潔に、たっぷり歌っていると思いますよ。オケのサウンドにキレがあっても、分厚くはない淡いサウンド、重苦しくならない。あくまで爽やか系、そして切ない。(11:40付近のヴァイオリン・ソロ〜オーボエは泣ける)金管ののびのびとした響きと爆発も期待通り(15:30以降)。21:16。テンポは中庸。アシュケナージが18:00なのは繰り返し問題ですか?

 第2楽章「Allegro molto」雪原を疾走する白馬といった風情のスケルツォ楽章。弦の決然としたリズム+ホルンががカッコ良い開始です。ドラマティックな転調を伴って、やがて柔和な甘い表情も顔を出すセンチメンタルに弱まって・・・そして冒頭疾走復活、いきなりのシンバルに雰囲気ガラリと変わって、落ち着かない切迫したリズムはいかにも「スケルツォ」でしょう。次々と表情を変える楽章も、うまく統率するハンドリーのワザ、やがて冒頭疾走がやや怒り増強してアツく復活、この辺りの色彩、清潔な甘さ(控えめ)もみごとなものです。9:56。

 第3楽章「Adagio」。露西亜のサウンド・イメージはくすんだヴィオラ。その効果を駆使してゾクゾクするような激甘旋律(ノクターン)の露払い、気が遠くなるほどの抑制を効かせてクラリネットが続きます。やがてそれはフル・オーケストラの悦楽へ。気品と安定にとどまらぬ英国紳士の情感溢れて、けっしてクサくならぬ、泣き過ぎぬ”清潔抑制の美”バランス文句なし。5:00辺り、弦の合間に木管が静かに啼き交わすところ、これがあってクライマックスも生きるというもの(6分台後半の上り詰めていくところ)。7:50〜ホルンの遠い歌も素敵ですね。うねりは寄せて、返して絶頂は幾度繰り返される、この楽章最高!14:31。

 第4楽章「Allegro vivace」。終楽章は一転して、賑々しい露西亜のカーニヴァル風大騒ぎ行進曲。溌剌と揺れるリズム、いきなりの金管+打楽器の絶叫に楽しい雰囲気満載。ロイヤル・フィルの魅力(とくに金管のキレ)満開でっせ。第2主題の明朗かつ甘い旋律も表情は晴れやか、第3楽章「Adagio」もちょっぴり回帰しました。やがてリズムそのままに暗転、静かにようすを伺いつつ・・・再び(8:45辺りから)怒涛の金管復活!やや変形して冒頭の賑々しい行進曲再来。時に”静かなようす伺い”を繰り返しつつ、不死鳥のように金管怒涛の再進撃!やがてクライマックスへと自信に溢れた歩みを進めます。11:50にはまるで「ドン・ファンのテーマ」みたいなホルン出現、最後はロイヤル・フィル打楽器+金管ボンバイエ。

 たしかセール時に10枚組1,000円也(税込)で入手した記憶があるけど、これ一枚で充分ペイしました。

(2017年1月29日)


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written by wabisuke hayashi