西崎崇子 ヴァイオリン小曲集<Romantic Violin Favorites><Romantic Violin Favorites>
Schubert バレエ音楽〜「ロザムンデ」より 西崎崇子(v)/ヴォルフ・ハーデン(p) NAXOS 8.550125 1982/83年録音 880円ほどで購入 西崎さんはNAXOS社長ハイマンさんの奥様、ということで、たくさん録音があります。NAXOS辺りにしか録音がないせいもあって、日本では知名度が低いでしょうか。ワタシはナマで聴いたこともあるし、骨太で立派な演奏をさせる方だと思っております。NAXOSがスタートしたのが1987年だから、これはもっとも初期、と言うか、もしかしたらもともと別なレーベルの音源を買い取ったものかも知れません。 トリオ・フォントネのメンバーであるヴォルフ・ハーデンのピアノであること、それと、こういった「ヴァイオリン名曲集」ではちょっと珍しい方面の選曲(全部Kreisler編曲らしいが)なのが魅力の一枚。ちょっと凝ったアンコール・ピース的雰囲気ありますね。じつはヤンドー(p)ともう一枚同趣旨のCDを録音(1989年)していて、そちらの選曲はもっと馴染みのものがずらり。(8.550306) 西崎さんのヴァイオリンは中低音がしっかりして、腰があります。艶やかな美音ではないだろうが、しっとり品があって表現が端正なんです。神経質ではなく、朗々と歌って飽きさせない。ハーデンの床しい響きのピアノはお気に入りでして、それが目当てで購入したと記憶しております。Rimsky-Korsakov「太陽賛歌」「インドの歌」、Haydn「ハンガリー風ロンド」(軽快な躍動!)辺りが初耳旋律かな。初耳だけど、懐かしく、どれを聴いてもほっとするような優しい作品ばかり。 4曲収録される(その)Rimsky-Korsakov がヴァイオリンに似合ってますね。「シェヘラザード」はぜひ管弦楽作品で全曲聴いてみたい。2曲8分の抜粋は多彩な表現に間違いないが、欲求不満が溜まります。Dvora'k「母が教えてくれた歌」は万感迫る感動的な(わずか)3分の激情。Schumannの「ロマンス」と併せ、このCD中ワタシのお気に入り。Haydn「皇帝賛歌」は凄いですよ。重音連続の超絶技巧要求で、これじゃまるでBach の「シャコンヌ」状態。ヴァイオリン・ソロのみで伴奏も付けているんです。(無伴奏) Mozart 「ロンド」〜セレナード第7番ニ長調K.250「ハフナー」〜西崎崇子(vn)/ヨハネス・ヴィルトナー指揮/カペラ・イストロポリターナのCDは処分しちゃったなぁ。(たしか音質が金属的で気に喰わなかった)これが一番長い7:16収録でして、テンポがかなり大幅に揺れてエエ演奏なんです。流麗と表現すると少々違和感あるが、技巧の冴えはもちろん、表現の多彩さに全曲CD処分を少々後悔したものです。 Rameauの「タンブーラン」は思わぬ遅いテンポ、憂いの表情に馴染みの旋律印象一変。Graingerの「岸辺のモリー」って、題名ともかく、きっとどこかで聴いたことのある、とつとつとした剽軽な味わいでしょう。懐かしい「ロンドンデリーの歌」で名残惜しく、全曲終了いたしました。”眉間に皺”の巨大音響交響曲も悪くないが、ほっとする一枚也。 (2007年6月1日)
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