Mozart ピアノ協奏曲第23番 K.488/第5番 K.175/
ピアノと管弦楽のためのロンド第1番 K.382
(カルメン・ピアッツィーニ(p)/ミハイル・ガントヴァルク/レニングラード・ソロイスツ)
Mozart
ピアノ協奏曲第23番ニ長調K.488
ピアノ協奏曲第5番ニ長調 K.175
ピアノと管弦楽のためのロンド ニ長調 K.382
カルメン・ピアッツィーニ(p)/ミハイル・ガントヴァルク/レニングラード・ソロイスツ
CASCADE am@do clasiccs 01028「Mozart Pemium Edition 40枚組」2,980円にて購入(録音1990年頃?)
なんの陰りもない明快なタッチ、速めのテンポ、ストレートな表現で疾走するMozart !は快活で破顔一笑的歓びに溢れました。馴染みの(お気に入り)作品ばかりだけれど、まったく別の作品を聴くような(それこそ)”突き抜けた爽快”がここにあります。得難い全集だ(「音楽日誌」より)
エエ時代になったもんです。LP時代、そしてCD普及期だった20世紀だったら「ピアノ協奏曲全集!」(に限らないが)って贅沢品、例えば”壱万円!以上”でした。ワタシがちょっぴり贅沢になったこともあるけど、今だったら即買えますもんね、その気になれば。ニ長調K.488は夢見るように優しい第1楽章、涙をいっぱい浮かべた第2楽章、ころころと笑顔が弾ける終楽章・・・こんな名曲、いくらでも思い入れタップリ、浪漫方向に振ることもできるし、実際そのような演奏も多いと思います。嗜好ですけどね。
ピアッツィーニ全集は、かつて聴いたどんな演奏とも異なった個性が魅力。技術的な不備とか、あまりに粗雑な荒々しさとは(もちろん)無縁です。この虚飾のなさ、ストレートな明るさ、イン・テンポ〜じつはコレ、全曲に渡ってすべて同じ。「明快、素っ気ないくらいにストレートで元気が良い。揺れ動く激情とか陰影ではなく、ひたすら明るい・・・といった感触」〜とは、以前のコメントであります。あとは作品との相性。さて、どんな結果になるのか。2年ぶりの拝聴。
淡々粛々+”素っ気ないくらいにストレート”、陰影とか揺れを強調しないが、デリカシーに欠けないピアノ。ウキウキとした憧憬ではないが、作品の素の味わいが表出して、涼やかな味わい有。”これぞ浪漫!”の第2楽章「アダージョ」だけれど、これも抑制の利いたタッチで素っ気ないほどに飾りがない。でもね、ひたすら明るいといった印象はありませんでした。激情ではなく、静謐なる歩み。
終楽章「アレグロ」は、速めのテンポが華やかだけれど、”突き抜けた爽快”なんだろうか?淡々粛々としたスタイルのまま、流れよく、メリハリもあって・・・この作品では(彼女にしては)ずいぶんと抑制方面なんじゃないか。作品個性を意識したかな?
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ニ長調 K.175は作品が元気いっぱいきらきらしているし、いかにも古典派のシンプルな曲想がピアッツィーニの個性に似合っていると思います。陰影とか揺れをもともと必要としない作品。なんの疑念もなく突き進む第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンテ」は上機嫌な歌であり、終楽章「アレグロ」はスケール大きく、一点の曇りもない晴れやかなテンションが持続します。
ロンド ニ長調 K.382は、1980年代?FM放送のテーマソングで出会って以来、ワタシのもっともお気に入り作品となりました。屈託ない、牧歌的な変奏曲が続くと陶然といたします。名曲!故に、様々な録音が存在するけれど、これはあまりに強弱や表現の対比を付けちゃうと、牧歌的味わいがなくなるんです。「明快、素っ気ないくらいにストレートで元気が良い」ピアッツィーニの方向が理想・・・と思ったら、後半一気に元気な盛り上がりがやってきました。
言及が遅れたが、ガントヴァルクのオーケストラも、同様の、”しっかりとした”ストレート系です。
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