Mozart ピアノ協奏曲第27番 K.595/第1番 K.37/第2番 K.39
(ピアッツィーニ(p)/ガントヴァルク/レニングラード・ソロイスツ)
Mozart
ピアノ協奏曲
第27番 変ロ長調 K.595
第1番ヘ長調 K.37
第2番 変ロ長調 K.39
カルメン・ピアッツィーニ(p)/ミハイル・ガントヴァルク/レニングラード・ソロイスツ
CASCADE am@do clasiccs 01020 (おそらく)1990年録音/「Mozart Pemium Edition 40枚組」2,980円にて購入
無条件幸福Mozart 中の白眉ピアノ協奏曲は、ぜひ全集にて座右に常備したいものです。カルメン・ピアッツィーニは来日もしていたはずだけれど、知名度としてはいまいちなる名手であります。ラテン系のお名前(アルゼンチン出身)だけれどカールスルーエ大学教授とのこと。激安投げ売りされた「Mozart Pemium Edition 40枚組」では18枚分の協奏曲+ソナタを担当しております。いずれ幾度聴いても飽きさせぬ、楽しい演奏に間違いなし。レーベル名でバカにしていけません。
どの作品を聴いてもほぼ似たような感想となるけれど、明快、素っ気ないくらいにストレートで元気が良い。揺れ動く激情とか陰影ではなく、ひたすら明るい・・・といった感触で共通しております。若々しいMozart !的イメージの表現であって、かつて聴いた中でも希有の価値を持っていると確信。
このラスト協奏曲は、世俗を脱ぎ去った簡素清涼ピュアな作品。ピアッツィーニは基本「明快、素っ気ないくらいにストレートで元気が良い」のであり、神妙な遠慮はないんだけれど、彼女なりにずいぶんと抑制とニュアンスを感じさせる表現となっております。繊細だけれど、神経質ではない。「揺れ動く激情とか陰影」の人ではないから、結果、淡々とした風情の中に上品な薄味が残ったような演奏に仕上がっております。特別な美音ではなく、素っ気なく無機的なワケでもない。技術的な不足(細部の詰めの甘さ)はもちろんなく、叩き過ぎることもない。響きは濁らない。
ちょっとココロを洗われるような演奏でしたね。
フィル・アップがおもしろくて、他人の作品を借りて協奏曲に仕上げた最初期(11/12歳)の作品。違和感ありません。世俗が身に付く前の清涼ピュアな作品か。時代的にチェンバロで演奏するのが正しいのだろうが、ま、現代ピアノによる適度な色彩を楽しみましょう。中後期の著名な協奏曲では、他との比較がたっぷり可能だから「素っ気ないくらいにストレート」な表現を気にされる方もいらっしゃるかも。
でも、こんな純粋無垢な初期作品だったら、ピアッツィーニの表現は似合っていると思うし、けっこう、それなりに華麗で浪漫的なニュアンスを感じること可能かもしれません。作品イメージからは(ちょっとだけ)が大柄かな?第2番 変ロ長調って、シロウト耳にはやたらとソロが難しそうに聞こえますが、専門の方いかが?良くできた古典派協奏曲は(ちゃんと)躍動しております。最終楽章の可憐なピアノと、オーケストラの追い掛けっこ旋律にため息が出ました。
ガントヴァルクのオーケストラは、小編成で引き締まって溌剌たるアンサンブルを誇ります。録音も含め、立派なものでしょう。 (2008年10月3日)
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