Mozart 交響曲第38/39番(ベーム/ベルリン・フィル)


エコーインダストリー(DGの海賊盤) ECC-603 Mozart

交響曲第38番ニ長調 K504「プラハ」(1959年)
交響曲第39番 変ホ長調K543(1968年)

カール・ベーム/ベルリン・フィルハーモニー

エコーインダストリー(DGの海賊盤) ECC-603  250円で購入

 Mozart の交響曲と初めて出会ったのは、セルの「ジュピター」だったか、ベームの「ハフナー」だったか?いずれにせよ小学生の時でしたね。社会人になって、やがてCD時代となると中古屋さんにLPが廉価に流れました。買いましたよ、交響曲全集。当時はベーム/ベルリン・フィルのしかなかったんです。いや、もう宝物でしたね。ズッシリと重くて。布張りの箱入りで。

 アリゴーニ/イタリア・フィルの全集(TIM  203301-205 10枚組2,360円)は存分に楽しんだが、さすがに「宝物」といった感触はありません。ある日、ご近所中古屋さんでみつけたベームのCDを久々聴いて、頭が下がる思いでしたね。敬虔なる精神が蘇るような、ある意味原点に帰ったようなすがすがしい気持になりました。ワタシが子供の時のMozart って、こんなに謹厳実直、背筋を伸ばして聴くべき音楽だったはず。

 ワタシ、Mozart だったらなんでも好きだが、交響曲だったら「プラハ」〜なんやら胸躍るような〜そんな名曲でしょ?この録音時期、ちょうどカラヤンの全盛期。同じベルリン・フィルなのに、ここまで違うか?というくらい禁欲的で、真面目で、まっすぐで、遊びがなくて、野暮で、一本気で、剛直で、辛口で、重厚で、節目がはっきりして、フレージングが正調で、リズムが重くて・・・・って、もうキリがないくらいこの方向で比喩したい気持。

 音の立ち上がりがパシッと合っているくせに、軽くなったり、逆に刺激的にならない。フレージングが清潔で明快なのに、ジュリーニのような歌が感じられない。キッチリとしたアンサンブルは筋が通っていて、真面目一方でよけいなルバートやらアッチェランドやらは見あたらない。四角四面とは言わないが、かなり融通が利かないのはたしかでしょう。

 でもね、それでも恋は恋(松山千春〜古い!)。いや、Mozart はMozart で、なんやら「正解を教えていただきました」みたいな気持になって、ある種、感動が深いんです。セルのBrahms には「これぞ正しい!」という確信が感じられたが、ベームの場合は「これがワタシの生きる道」〜いや、「これもひとつの正しい生き方」みたいな(強い、つお〜い)説得力がありました。

 ワタシの耳だからあてにならんが、「プラハ」のオーボエはコッホじゃないでしょ?明るさも、色気も控え目で、もし彼ならずいぶんと指揮者に従った音色になっていると思いません?有名なる、第39番メヌエット楽章におけるクラリネット〜これはライスターでしょ?なんやら正統派のストレート的演奏で、美しく、真面目で、面白みがない?いえいえ、これぞドイツのMozart でっせ。「楽譜にはこう書いてある」(はず。ホンマ?知らんけど)とばかりに。

 ワタシの人生も色気とは縁が薄かったが、この演奏もそのお仲間でしょう。でも、この生真面目さは勤勉日本人の琴線に触れるべき演奏であり、とくにある意味硬派の女性には絶対の支持を得られると思います。ワタシは通勤のバスの中で背筋を伸ばして、そして、存分に楽しみました。音質も悪くない。日本人はベーム好きなんです。(2002年12月27日) 


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written by wabisuke hayashi