Bach ピアノ協奏曲第1番ニ長調(リヒテル(p))/ピアノ協奏曲第5番ヘ短調(ハスキル(p))


MEISTERKONZERTE100枚組8,519円也 1枚目 232098/1 Bach

ピアノ協奏曲第1番ニ長調BWV1052

スヴャトスラフ・リヒテル(p)/ヴァーツラフ・ターリヒ/チェコ・フィルハーモニー(1956年)

ピアノ協奏曲第5番ヘ短調BWV1056

クララ・ハスキル(p)/パブロ・カザルス/プラド音楽祭管弦楽団(1950年)

2台のピアノによる協奏曲ハ長調BWV1061

クララ・ハスキル/ゲーザ・アンダ(p)/アルチェオ・ガリエラ/フィルハーモニア管弦楽団(1956年)

MEISTERKONZERTE100枚組8,519円也 1枚目 232098/1

 DOCUMENTSの激安歴史的音源にはずいぶんとお世話になっているが、音源がダブってしまうのには少々閉口気味。このリヒテル、ハスキル両音源とも10枚組に再収録され、他の音源を聴きたいから仕方がなくダブり買いしてしまう・・・交響曲第18番「宿命」であります。それは音楽そのものの価値とは関係ないこと。

 協奏曲第1番はSUPRAPHONの音源なんでしょう。リヒテルは小学生以来の大ファンであって、強靱なテクニック、けっこう大量な録音を誇りながら、この人はレパートリーを厳選しております。”全集録音!”みたいなものはなかなか存在しない(平均律くらい?)。いかにも的「ゴールドベルク変奏曲」もレパートリーではないし、著名作曲家協奏曲で全部揃うものもないのではないか・・・子供の頃からチェンバロ演奏に馴染んでいたせいか、現代ピアノによるBach 協奏曲にはずっと違和感があって、グレン・グールドのクールなタッチに(ようやく/20年掛かって)目覚めたところ。

 音質もそう悪くないし、大柄な作風の作品に相応しい入念硬派なタッチであり、ターリヒのかなり緻密なアンサンブルとの相性も抜群です。しっかり浪漫方向なんだけど説得力があって、盤石に揺れ動かない。いいぞ、なかなか、リズム感がしっかりしていて時代遅れを感じさせない説得力有。とくに第2楽章「アダージョ」に於ける深遠なる情景が絶品。

 ハスキルの第5番〜リヒテルを”しっかり浪漫方向”と感じたが、こちら揺れ動いて”いかにも女性的”(先入観か)柔軟繊細なる味わい有。カザルスにアンサンブルの緻密を求めても仕方がないし、剛直骨太重厚なるバックに”泣き”を感じさせる味わい有(いつも、常に変わらない/うなり声も聞こえる)。これはこれで悪くない時代の証言か。やはり、第2楽章「ラルゴ」のとつとつとした寂しさ〜名曲ですよねぇ〜が絶品でした。終楽章は、おそらく現代には絶滅してしまったグランド・マナーが堪能できます。

 ラスト、2台のピアノによる協奏曲ハ長調もダブり所有音源でして、既に言及済。EMIステレオ録音。当時若手だったアンダが参加して、爽やかな演奏を繰り広げます。完全にモダーンなスタイルに至っていて、晴れやかなる表情はヴェリ・ベスト。

(2011年2月4日)

【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi