Bach 2台のためのピアノ協奏曲ハ長調 BWV1061/
Mozart 2台のためのピアノ協奏曲 変ホ長調K.365(316a)
(クララ・ハスキル/ゲーザ・アンダ)


DOCUMENTS 232868/E CD4  10枚組970円 この写真なんとかならんか Bach

2台のためのピアノ協奏曲ハ長調 BWV1061

Mozart

2台のためのピアノ協奏曲 変ホ長調K.365(316a)

クララ・ハスキル/ゲーザ・アンダ(p)/アルチェオ・ガリエラ/フィルハーモニア管弦楽団(1956年録音)

DOCUMENTS 232868/E CD4  10枚組970円

 これは「協奏曲100枚組」と「ハスキル10枚組」にてまるまるダブり購入してしまった2作品。(要らぬ情報だけれど、membran10枚組の供給元は、最近独逸SONYとなっていて資本参加?でもしたのか)1956年録音は既にパブリック・ドメインだけれど、EMIによる初期ステレオ録音は良好であります。そして掛け値なしの素晴らしい演奏。ハスキルは61歳のヴェテラン、36歳未だ新進のゲーザ・アンダを従えて上機嫌なる演奏を繰り広げております。アルチェオ・ガリエラは合わせものの名手、Bach などは少々時代故の重さ、大仰なるルバートが時に気になる(第1楽章ラスト)けれど、いずれ良く整った清涼なるアンサンブルに間違いはない。

 Bach のBWV1061は伴奏なしでも演奏可能だそうで、事実そんな録音もあるそう(未聴)。本来はチェンバロ用(更にその元となった原曲はあるらしいが)ながら、Bach はどんなスタイルで演奏しても音楽の骨格が崩れないんです。第1楽章「アレグロ」は思いっきり華やかで、キラキラ希望と歓喜に溢れたタッチが暖かい。バックも含めてスケールが大きいですよ。第2楽章「アダージョ」は二人のピアノのみの演奏であって、一転、淡々粛々としたニュアンスが寂しげです。

 第3楽章「フーガ」に冒頭の輝かしい世界が戻っております。ご機嫌なる「フーガ」は2台のピアノのみで開始され、やがて弦楽が喜ばしく参入し、広がり色彩が付加されました。バロック・スタイルとは無縁の大柄な世界だけれど、違和感ありませんよ。古臭くもない。タッチは明快、打鍵もかなりしっかりと力強いものだけれど、瑞々しくもヴィヴィッドなBach でありました。

 これがMozart になると、演奏スタイル云々は一切問題なく、完全に現役であります。無条件幸福Mozart の作品はクサるほど聴いてきたが、これぞ文句なしヴェリ・ベスト。スタイルは上記Bach と変わりないが、なんせこちらハスキル(アンダも)十八番(おはこ)ですから。職を得ることかなわず、旅先で母を失い、アロイジアに相手にされず、失意のうちにザルツブルグに帰った1779年頃の作品とされるが、そんな陰りは微塵も感じさせない。希望に溢れ、初々しい情感に溢れた名作であります。ちゃんといつもの”暗転に崩れる”瞬間もあって、その対比は筆舌に尽くしがたい魅力であります。名曲中の名曲。当たり前。

 二人のピアノはニュアンスに富んで、玉を転がすようであり、明快に鳴り響いて余計な力が入っていない。例えば第2楽章「アンダンテ」のしっとりとした歌には浪漫が馥郁と香るけれど、それはありきたり思わせぶりな、シナを作った表現の結果はない。淡々と健康的に自然な流れの中での結果であります。終楽章「ロンド・アレグロ」は内側から溢れ出る歓びに、思わず走り出した陽光降り注ぐ草原の風情。それもわずかの”陰り”で印象深くアクセントが付けられます。

 ガリエラのバックの上手いこと!清潔であり、ソロとのバランスも絶妙でありました。

(2010年5月7日)

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written by wabisuke hayashi