Mahler 交響曲第2番ニ短調「復活」
(ウィリアム・スタインバーグ/ボストン交響楽団1972年ライヴ)


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交響曲第2番ニ短調「復活」

ウィリアム・スタインバーグ/ボストン交響楽団/ハーヴァード・ラドクリフ・コレギウム・ムジクム/ベヴァリー・ウォルフ(ms)/ベニータ・ヴァレンテ(s)

1972年4月29日ボストン・シンフォニー・ホール・ライヴ/ネットよりダウンロード→自主CD化

 たしかケルン放響とのライヴがCDで出ていたはず(未聴)、上記リンク先では他、「大地の歌」(1970年)の音源も拾えるから、ラインスドルフ以来のMahler 演奏伝統はそのまま引き継がれ、やがて小澤征爾の全集へ至ったと類推されます。おそらくは放送音源(ラストにアナウンスも入る)であって、こういったものはまず音質がポイントでしょう。Mahler はできるだけ音質条件のよろしい音源で聴いたほうが、全貌がつかめるのは自明の理なんです。広がりが足りず、深みとか重みに少々不足するが、奥行きはそれなり、ワリと聴きやすい状態と思います。我が人民中国製極小ディジタル・アンプは、経験則的に苦手な音源傾向であって、できるだけボリュームを上げて拝聴いたしました。

 ウィリアム・スタインバーグ(1899年 - 1978年)は巨匠世代に近いが、主な活躍場所はピッツバーグ交響楽団、独墺尊重傾向ある日本では(LPCDレーベルの発売出口問題も含め)人気はあまり出ませんでした。最晩年ボストン交響楽団のシェフを務め(1899年- 1978年)、DGやRCAなどメジャーレーベルにいくつか華やか作品の録音を残して下さったのが救いか。米CAPITAL録音はまとめて復活したが、米COMMAND録音はどうなっておるのでしょうか?

 スタインバーグは概ね速めのテンポ、細部の彫琢より勢い命!的推進力に溢れるパターンが多いんです。ここではCD一枚で余裕の収録だからそのパターンなんだけど、速過ぎといった印象ではない。第1楽章「アレグロ・マエストーソ」には颯爽とした緊張感、燃えるような集中力、そしてオケ(とくに金管)に厚みと色彩を感じました。ティンパニの打撃も(ラストに向けますます)決まっております。第2楽章「アンダンテ・モデラート」は静謐な場面だけに、もうちょっと明晰な音質が欲しいところ。

 第3楽章「魚に説教するパドヴァの聖アントニウス」のユーモラスかつヴィヴィッドなリズム感(この楽章大好き)。爽快なオケの爆発、熱気。適切なテンポの疾走、揺れ。アタッカでそのまま第4楽章「原光」へ〜ベヴァリー・ウォルフ(ms)は往年の亜米利加で活躍したメゾ・ソプラノ(1928年-2005年)であって、貫禄充分。「復活」のキモは壮大なる終楽章であって、ワタシはここの魅力を発見するのにずいぶんと時間が掛かった記憶があります。全9曲(+「大地の歌」)の交響曲中、目覚めたのは一番遅かったはず。

 いくらでも詠嘆を込め、纏綿と歌える楽章と思うが、例の如し流れと勢い重視路線。素っ気ないイン・テンポ傾向、緊張感に充ち、前のめりのリズム感、淡々と粛々とは方向が違います。高らかな金管のファンファーレも、タメはないけれど、堂々朗々としてオケの優秀さを存分にアピールしております。(ライヴ故の細かい傷、なんのその)重苦しくもたれないのは録音印象か、やがて(さっくりとしつつ)荘厳なる合唱が静かに参入するが、ここら辺りはもっとクリアな音質で堪能したかったところ。それでもテンションの高さ、高貴な女声ソロ二人の息のあった掛け合いも見事であります。

 テンポは熱気とともに増して、ラストには雄弁な爆発、詠嘆ももありました。オケも合唱も力量ありますね。ちゃんとオルガンも響きも聴き取れ、圧巻のクライマックスがやって参りました。聴衆熱狂的な拍手有。

 ま、それなりの音質だし、好事家の世界かも知れません。ライヴだからあちこちミスタッチがあるし、一方で楽章間のチューニングの臨場感も有。いろいろ多種多様、気軽に、たっぷり音楽を愉しめる時代がやってきた喜びを噛み締めておりました。

(2011年8月19日)

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written by wabisuke hayashi