Mahler 交響曲第2番「復活」ハ短調
(フォンク/ハーグ・レジデンティ管弦楽団)


BEILLIANT 99549-2
Mahler

交響曲第2番「復活」ハ短調 

フォンク/ハーグ・レジデンティ管弦楽団/オランダ劇場合唱団/オラン(s)ファン・ネス(con)

BEILLIANT 99549-2 1986年録音 11枚組4,290円で購入したウチの一枚

 フォンクの「復活」はずいぶんと牧歌的で、オケの響きも薄い。スケールも小さくて、曲と指揮者の味わいがマッチングしていない。(ヴァンガード原盤)・・・・なんて乱暴なことを言ったやつはいったい誰だっ!?・・・・って、もしかしてワタシ?フォンクさん、すみません。全日本フォンク愛好家倶楽部の皆様、深くお詫び申し上げます。もし、親戚筋の方がこのHPを見ていたら許して下さい。以下、訂正し、ここに深くお詫び申し上げます。

 音楽に先入観は禁物だし、一見ダメ演奏でもいつか「復活」の日が訪れるかも・・・というピタゴラスの大(ウソ)原則がここに適用されました。聴き流していたからフツウっぽい演奏に思えたが(そんな聴き方でも、ググッと魅き付けられる演奏だってあるんです=言い訳)、久々、ボリュームをそれなりに上げて聴いてみると、ジ〜ンときてしまいました。録音だって悪くない。

 ハーグのこのオケ、オランダの2番手として昔から知名度も高いが、録音にはあまり恵まれていません。(ここ最近はスヴェトラーノフとの録音がある)天下のコンセルトヘボウと比べられては少々ツラいが、やや薄手で、響きにコクが足りないんです。フォンクもオーソドックスというか、手堅い演奏を心がける人のようで、「牧歌的」(=「復活」にはあまりに似つかわしくない評価)という第1印象が出てきたんでしょう。

 響きが柔らかすぎる印象はあるが、第1楽章からメリハリもあってオケはよく鳴っています。やや一本調子、小さな音の部分での緊張感は少々不足だけれど、アンサンブルも安定しているし、技術的にも不足なし。立派な演奏です。でも、第2楽章アンダンテ・モデラートの静かな楽章では、オケの魅力が足りないと思うし、それを凌駕するようなワザをフォンクは使わない。

 ティンパニが衝撃的な「魚に説教するパドヴァの聖アントニウス」。リズム感も悪くないし、打楽器、金管の迫力もなかなかのもの。金管の絶叫がうるさくならないのも好感が持てます。なにが足りないかといえば、狂気、焦燥感、情熱、熱狂・・・・みたいなもの。健全なMahler ではもの足りない、というか方向が違うんじゃないでしょうか。

 「復活」は名曲だけれど、白眉は「原光」からあと、とくに最終楽章18:00頃、木管が静かに、荘厳に鳴き交わすところからが最高。つまり声楽が登場してからなんです。ヤルト・ファン・ネスはMahler のスペシャリストだし、気高くも奥深い声質に打ちのめされます。フォンクのバックも配慮が細かくて極上に美しい。(前半より上出来と思います)

 歌のバックとしては文句なしだけれど、弱音での深遠な宇宙を感じさせる奥行きが足りない・・・・というと、厳しい評価でしょうか。これは技術的な問題ではないはず。それでもクセのない表現だから、この演奏は気に入る人がいるはずです。ワタシも嫌いな演奏ではありません。ライヴだと、おそらく間違いなく感動できるはず。

 オランダ劇場合唱団(溌剌、正攻法な歌唱ぶり。久々の高水準)による、非常に静謐な歌声が入ってからのハーグ・レジデンティ管は絶好調です。地味だけれど、静かなやすらぎが溢れます。ラスト5分は文句なしの大盛り上がり。(ダメですよ。そこだけ聴いちゃ。ちゃんと最初から聴いてこそ、本当の感動がある)

 (余談) いくら安くCDを手に入れても、その価値を見いだせなければムダであり、高いといえます。ワタシはこのCDの再発見により、@390儲けました。


 ワタシはホルヴァートの演奏が気に入っております。オケは知名度薄く、しかもライヴという条件ながら、その緊張感というか、「狂気、焦燥感、情熱、熱狂・・・・みたいなもの」がちゃんと感じられます。フォンク盤との違いはそこでしょう。それでも、この演奏はそうとうなもので「全然ダメ演奏」ではありません。(2001年5月25日)


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written by wabisuke hayashi