Mahler 交響曲第2番「復活」ハ短調
(ホルヴァート/スロヴェニア・フィルハーモニー)


Mahler

交響曲第 2番ハ短調「復活」

ホルヴァート/スロヴェニア・フィルハーモニー/リュブリャナ・アカデミー合唱団(コヴァチッチ合唱指揮) /グラチェリ(s)ノヴァツァク・ホウツカ(a)

GMS 500073/4 ライヴ録音(1990年との情報あり。拍手付き)
(2枚組。ナヌート/リュブリャナ響の第1番との組み合わせ *) 2枚で1,600円にて購入。

 このCDに関連して、J様よりこんなメールをいただきました。了承の上、全文掲載いたします。

前略

Mahler 交響曲第2番「復活」ハ短調(ホルヴァート/スロヴェニア・フィルハーモニー)の 記事を拝読しました。
この記事を読む限りは、ナヌート/リュブリャナ響1981年録音の演奏と同一ではないかと 疑っています。小生の手持ちの音盤は、CANTUS CLASSICS盤の2枚組(併収は同マーラー#4) で、その記述では、Anton Nanut指揮 RUNDFUNK SINFONIE ORCHESTER && CHOR LJUBLIANA, 独唱は、Alt: Ute Priew Sopran: Olga Graceli となっています。
#2の演奏時間は、T21:02 U11:19 V10:32 W6:33 X33:47(拍手なし) 1981年アナログ録音、1997年Digitalbearbeitung: ham. Peter Horenberg とあります。
あまりに記述内容がナヌートのこの演奏を想起させるものがあるので記しました。
指揮者がホルヴァートであれ、ナヌートであれ、説得力のある、素晴らしい演奏には 違いないことに同意しつつ、併収の#4が仮にナヌートの指揮のものなら、間違いなく 同じ指揮者に拠る#2のように思えます。                         

早々
ワタシの返答は以下の通り。

 ごていねいなメール、ありがとうございます。

収録時間を見る限り、ほぼ同一音源ののような気もしますね。声楽陣/オケ情報 は「終楽章カット有」の「zyx  CLS4193」と同一になっているのも大いに怪し い。正直、この辺りの音源は、ディジタル機器の一気普及と、東欧地域の政治経 済危機に便乗し、激安で音源を作った仕掛け人(誰か?ショルツか)の産物で す。知名度は低いが歴史と伝統ある演奏者を使って、数百点に渡る録音がされた とのこと。ご存知でしょうが。

ご指摘の通り、そのなかでもっとも数多くの録音を残したのがアントン・ナヌッ トでしょう。後、PILZが旧い既存音源も含め、架空演奏家、変名、DDDウソ表記 も加え、多彩な音源に水増しし・・・ついに誰の演奏かわからなく大混乱に陥っ ている、という状態のようです。

残念ながらナヌートのMahler 第4番は聴く機会を得ません。2000年頃「ナヌート 全集ボックス」をいちど見掛けましたが、あれは本当だろうか?との疑念がいま でも消えません。手持ち、第5番の演奏と第2番「復活」(ホルヴァート表示)と は少々異なるような・・・いずれ、貴重なるご意見ありがとうございます。

いずれ”指揮者がホルヴァートであれ、ナヌートであれ、説得力のある、素晴らしい演奏 には違いないことに同意しつつ”というスタンスは、音楽を愛するものとして大 いに同意するものです。

枝葉末節なこだわり知識披露ばかりで、肝心の感動が消え去っているサイト記事 が大いことに少々閉口気味ですので。これからもご忌憚のないご意見期待してお ります。

(2005年8月27日)

 2002年再聴です。ライヴならではのこの素晴らしき緊張感、集中力を、ワタシは伝える術(すべ)を持ちません。厚みのあるオケとは言い難いが、アンサンブルは意外と優秀〜というか、そこを問題にさせない。音楽の隅々にまでホルヴァートの祈りが透徹しているようで、聴いていて切なくなるような厳しい表情なんです。音の状態は(聴き手の好みだけれど)ややオフ・マイクながら、会場の奥行きが存分に捉えられていて臨場感タップリ。

 ワタシMahler 大好き人間だけれど、第1番(ワルター/コロムビア響)を除いては大人になってから(CD時代になってからか)の嗜好です〜というか、子供の頃Mahler のLPは高くて買えなかったのが正直なところ。「復活」も巨大な作品でしょ、けっこう馴染むのに時間が掛かった記憶がある。いまや、胸ときめかせて聴くべき愛聴曲に。

 オケはやや軽量級でしょうか。色気も厚みも少々足りんが、それを補って余る切迫感〜これは第1楽章から明白な事実です。「虚飾ない自然体の表現から、自ずと沸き上がる実力あるオケの響きこそ」〜自分の主張をコロコロ変えて申し訳ないが〜そういう方面じゃない。もっと切実なる「怒り」に満ち溢れたライヴなんです。「間」に込められた感情の確かさ。

 弦にせよ、木管にせよ、特別に驚くような美しさを誇るわけじゃないし、金管にしても同様。作曲者の指定通り、休憩をとってCD2枚目の第2楽章へ。アンダンテは素朴さが際だちます。そして緊張感は少しずつ高まってきますね。ワタシが大好きな第3楽章「魚に説教するパドヴァの聖アントニウス」〜このスケルツォは、逆にやや生臭く表現していただくのが好みです。迫力はあるが、やや生真面目すぎ(木管の表情)でしょうか。

 「原光」はアルトの歌が抜群に神秘的。オケの抑制され、澄んだ響きが一体となって白眉です。この誠実な木管になんの不満があるでしょうか。ヴァイオリン・ソロも悩ましげ。やがて大爆発とともに感動のフィナーレへと突入。(ここまで音楽に集中できたら、「オケの響きが薄い」なんて感じるヒマはないはず)

 静かな金管・木管の絡みは「復活」の夜明けです。ホルンと弦は次々と広がっていく朝日の一筋一筋。高らかに金管が歌い、ティンパニ(打楽器?)が力強く呼応します。この音の感じは、いかにも作り物じゃない自然さがある。表現そのものは、特別にアクがあったり、テンポをモウレツに揺らせたり、といったものじゃなくて、むしろクール方面。でも音楽はアツいんです。

 終楽章の高揚は尋常じゃないですよ。激しいオケの叫びは心の中の葛藤でしょうか。そして、生の歓びをソプラノが静かに歌い上げてクライマックスへ。この平成なるオケと合唱の囁きには涙が抑えられません。やがて太陽が大地を照らし、すべてが復活します。オルガンも伽藍を揺らせて、なんと大仰なる「復活」!清潔で明快な合唱。終楽章のみで34分。

 この演奏会は、なにか特別なマジックがあって、聴き手のココロを掴んで離しません。このCDでは、聴衆の熱狂的な拍手(まったく素晴らしい!会場の熱気が伝わる)が収録されます。詳細なるインデックスもありがたいCD。但し、タイム・カウント表記はかなり実際と異なります。(2002年7月26日)


ホルヴァート/リュブリャナ放送交響楽団・合唱団/グラチェリ(s)プリウ(a)

zyx  CLS4193(改装再発を2001年頃目撃) @890で購入

 同一音源らしい。(音の感じは少々異なる)真のオケは不明。ワタシの類推だけれど、GMS盤の方が音の鮮度が高いことから、こちらzyx盤は音源コピーではないかな?上記の奥行き、ある意味作り物でないオフ・マイク感はこちらでは消えていて、やや音の粒が粗い。散漫感のある残響は押さえ気味。

 これは音の細部データを少々削ってしまったのか?但し、なんとかCD一枚に収めていただいたのはありがたい・・・というか、拍手がなくなっちゃったのは残念至極。


 追記。

 zyx盤にはカットがあるとのご教授有。(楽譜に弱くて、しかもぼ〜っと聴いているので気付かない)終楽章のタイミングですが、GMS盤が36:05(但し拍手が約30秒収録)、zyx盤は31:03で5分ほどのカットが存在することになります。zyx盤はトータル79:07収録で一枚に収めるためにカットしたのかも。

 ずいぶん乱暴な話しですね。zyx盤だけを聴いているとそう気付かないが、やはり聴き較べるとGMS盤の音の鮮度は格が違います。とくに声楽の位置のたしかさ。(2002年8月5日)


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written by wabisuke hayashi