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言い訳、そして反省、初心忘るるべからず


 【♪ KechiKechi Classics ♪】の原稿も知らず知らずに蓄積が増えてきて、誤字脱字、認識の大間違い、なにより執筆者であるワタシの認識の変化によって、いま読んでみると”冷や汗もの”であることも多い。メールで誤りの指摘をいただくことも多くて、できるだけ即お詫びとともに修正するようにしております。「一方通行でない」(ま、掲示板は作っておりませんが)のが、インターネットの良いところ。匿名(ワタシの場合は本名ですが)ではあっても、最低限のエチケットは必要だし、結果として誰かの気持ちを傷つけてしまうことがあれば、率直にお詫びせざる得ません。

 「初心忘るるべからず」〜いつのまにか、このHPのカウント数も信じられないほど増えてしまって、開設した当時の「あ、誰かが見てくれてる!」といった素朴な感激が薄くなったのは事実。検索ポータル・サイトで捜し物をしていて、ワタシのHPにぶち当たるのもしばしば(あれは、どういう仕組みになっているんですか?)。なんとなく謙虚さを失いそうな今日この頃。

 初心は、廉価盤好きの一ド・シロウトが、安くても、無名でも、音楽はこんなに楽しめるぞ!といった素朴な情報発信だったはず。でも、既存の「誰でも無条件絶賛超有名メジャー演奏」には、チクチクとイヤミを言ってみたりして、ま、ささやかな抵抗も有。どんな演奏でも感動してみせるぞ、といった決意もありました。でも、ともすればそれも忘れそうになりがち。

 じつはメールで手厳しいご批判をいただきまして、深く反省。いっぽうで(不快な思いをさせた方には申し訳ないが)ワタシはたいへん嬉しくも、ありがたく思いました。

HP拝見させていただきました。
私は音楽の勉強をしながら関西で演奏活動をしている者です。

パヴェール・エゴロフ(ピアニスト)についてかかれていましたね。
下手、などかかれていましたね。
あの方は私の先生です。
ロシア国立サンクトペテルブルグ音楽院(旧レニングラード音楽院)の教授でいらっ しゃいます。
彼はモスクワ音楽院出身で1975年にシューマン国際コンクールで1位、 現在はヨーロッパの数々のマスタークラスをもたれています。
ネイガウスの孫弟子、ゴルノスタエヴァの弟子です。

本当に素晴らしい先生で、そのことについては音楽之友社出版の 『ロシア・ピアニズムの系譜』にかかれています。
先生の御指導のおかげで私も(小さいですが)国際コンクールに入賞しています。
この秋再び渡露、レッスンを受けにいく予定です。

 これ、じつは古本屋さんにて350円で買った、たいへん珍しい演奏家を集めたCD「Midnight Cruise(真夜中のクルーズ)」のことでして、既にお詫びも掲載し、少々表現も変え(これ後述、ややズルいけど)て掲載済みです。

 ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は、素晴らしい名曲であり、難曲でもあります。パーヴェル・エゴロフさんの系譜、コンクール歴、現職、の件はこのたび初めて教えていただきましたが、演奏そのものの自らの「聴き方」については、おおいに反省せざるを得ませんでした。「濃厚に、重厚に、華麗なテクニックで聴かせる曲」といった先入観に、とらわれていたと。

 「技術先行型」ではないにせよ、「ヘタクソ」ではなく、わざとゆったりめのテンポで、普通バリバリと聴かせるところを叙情的に、ていねいに表現をしているんでしょう。これをはじめて聴いた当時のワタシも「正直にテンポを落としても、ていねいに旋律を拾っています。自信を持った力強さとか、個性的な節回し、ものすごい勢いはないけれど、訥々としてなんとなく心に染みてくる。」(ここ執筆当時から表現変えていません)と言及していました。

 でも、その前後を見ても、かなり表現が粗暴で関係者は不快でしょうねぇ。ワタシ自身では「好意」のつもりでも、そうは読めない。メールへのお詫び掲載時に、やや表現を緩めたが、あえてそのままにしました。全面書き替えまでは、そうしておいて反省とします。

 名前も知らない、誰からも注目されない演奏に対する、ワタシの愛情が薄れておりました。これは音楽に対する集中力も弱まっている証拠。同じくパーヴェル・エゴロフさんの演奏によるBachのピアノ協奏曲を数年ぶりに取り出してみると、いかにいい加減に聴いていたかがモロバレ状態で、あわてて一部修正しました。これは、ほんとうに新鮮な、気持ちが清冽となるようなBachでした。いずれ、全面書き替えします。

 「良いところを真剣に探す努力」、先人たちが残した、沢山の素敵な音楽を聴けることの喜び。そんな原点を見失いつつあったかもしれません。「誰でも自由に情報発信ができる」素晴らしい時代。それは、お互いに自由に意見を述べ合い、コミュニケーションを作り上げていく時代です。

 これからも、多くの方々の手厳しいご批判をお待ちしております。(2000年7月2日)


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written by wabisuke hayashi