A Festival of English Music(オーストラリアのオケによる)


http://ml.naxos.jp/album/abc446282-2 Elgar (1857-1934)

行進曲「威風堂々」 作品39  第3番 ハ短調

パトリック・トーマス/クイーンズランド交響楽団

Butterworth (1885-1916)

シュラップシャーの若者

バーナード・ハインツ/南オーストラリア交響楽団

Delius

小管弦楽のための2つの小品 第1番 「春初めてのカッコウを聞いて」

カール・ピーニ/アデレード交響楽団

Elgar

序曲「コケイン」 - ロンドンの下町で  作品40

バーナード・ハインツ/シドニー交響楽団

Vaughan Williams (1872-1958)

「富める人とラザロ」の5つのヴァリアント

カール・ピーニ/シドニー交響楽団

Arnold (1921-2006)

小組曲第1番 作品53
小組曲第2番 作品78

デイヴィッド・ミーシャム/西オーストラリア交響楽団

Delius

歌劇「村のロメオとジュリエット」 〜「楽園への道」

ウィルフレッド・レーマン/クイーンズランド交響楽団

Coates(1886-1957)

魔法の庭

ジョン・ランチベリー/シドニー交響楽団

Vaughan Williams

ノーフォーク狂詩曲第1番

バーナード・ハインツ/メルボルン交響楽団

Ireland (1879-1962)

ロンドン序曲

デイヴィッド・ミーシャム/西オーストラリア交響楽団

Elgar

行進曲「威風堂々」 作品39  第1番 ニ長調

パトリック・トーマス/クイーンズランド交響楽団

ABC Clacciscs  NMLにて

 2010年1月に前半(1枚目)を更新して力尽きた続編です。

 もともと英国音楽は日本では人気がないし(だからオークションでは、ほぼ無競合格安でCD入手可能)、しかも女王国ではあるが、やや本場から外れる・・・そんなイメージで見られがちのオーストラリアの”寄せ集め”音源であります。有名なのは「威風堂々」(名訳だ!)くらい?名曲揃いなんですよ、演奏だって知名度先入観で想像してはいけない、立派なものばかり。CDでは入手困難らしいが、こうして音として聴けることを感謝いたしましょう。珍盤を高額入手、抱え込んで独占して愉しむ〜そんな狭量な時代は過ぎ去りました。

 Deliusの歌劇「村のロメオとジュリエット」全曲は聴いたことはないんだけれど、「楽園への道」という題名含め筋書き想像つきますよね。頑迷閉鎖的な地域人種宗教伝統の壁に阻まれる若者の純愛は悲劇的な結末に・・・いつもながらの起伏の少ない静謐穏健な旋律は、まるでゆったり深呼吸をするよう。清浄化された魂が天国への階段を上るに相応しい景色であります。ウィルフレッド・レーマン(1928年〜)はご存命であれば相当のご高齢だけれど、大昔、「ツィゴイネルワイゼン」の国内録音でヴァイオリンを弾いていた人と同じでしょうか。クイーンズランド交響楽団の静謐さは絶好調であります。

 Coates「魔法の庭」にご存知・ジョン・ランチベリー登場。初耳作品のハズだけれど・・・溌剌として剽軽、大衆的な旋律はいつもパターンであります。ほとんど映画音楽の親しみやすさだけれど、ほんまにそうかも。シドニ−響のアンサンブルにはこの収録作品中、もっとも洗練を意識させます。15分程の作品。RVWの「ノーフォーク狂詩曲」はいつものウェット暗鬱に曇って懐かしい開始がお馴染み。バーナード・ハインツってオーストラリア国内あちこちで活躍しておるんですね。岩城宏之で馴染みのメルボルン響初登場、このCD唯一の収録となります。素直でクセのない響き。やがて快活なる進行が始まり、静謐に戻っていく・・・10分ほどの名曲です。

 Ireland「ロンドン序曲」〜首都ロンドンを描いた作品はいろいろとあるけれど、Elgar「コケイン」に良く似たテイストの名曲也。小太鼓シンバルで不安げに開始されるのは夜明け前の景色か。やがて足取り軽快軽妙に、希望の微笑みを浮かべて歩みが始まりました。Arnoldに続き、ミーシャム/西オーストラリア交響楽団(パース)登場。音質も良いし、重すぎないサウンドも作品に似合っている。ちょっぴり野暮で、時に粗野な爆発も有。オーストラリア西の外れ、意外なところに素敵なアンサンブルが実現されておりました。

 ラスト、紅白のトリ「威風堂々」(名訳!)第1番で締め括り。パトリック・トーマス/クイーンズランド交響楽団の立派な、溌剌盤石とした演奏は冒頭の第3番ハ短調で確認済みでした。英国音楽好きにはタマらん2枚組也。作品を選ぶのかも知れないが、オーストラリアのオケは知名度以上の魅力有。

(2010年2月19日)

 毎度おなじみの、ぶつぶつ独り言一席でございます。

 2009年は「データで音楽を聴くようになった」(よーやく世間並みに追いついたワタシ)ということと、レーベル再編により【♪ KechiKechi Classics ♪】トップページ分類も意味をなさなくなりました。この2枚組CDは既に入手不能で、ネットでしか聴けないんです。収録作品は嗜好ツボど真ん中、オーストラリアのあまり聴けないオケ、指揮者目白押し(情報詳細参照こちら)〜んもう、堪りまへんなぁ。知名度あるのはランチベリーくらいか。2003年逝去、享年80歳。

 ABC(オーストラリア放送協会)放送の音源なんだけど、NMLの弱点は詳細録音情報が揃わないことなんだよね。オケも指揮者も、おそらく録音時期も異なるせいか?音質にはバラつきが少々あります。でもね、好みの音楽を延々と、ぼんやり聴いていると幸せになりますよ、しみじみ。それが本来音楽愛好の正しい姿というか、原点だったはず。

 「威風堂々」は知名度高い第1番はラストの締めに残して、第3番ハ短調でスタート、これも勇壮なカッコ良い作品ですよ。クイーンズランド響って、たしかブリズベンのオケですよね。パトリック・トーマスの情報は全然探せないが、なかなか元気良く演っております、アンサンブルもかなり良好(ラスト第1番も同様)。次にButterworth登場というのも渋くて、オケは南オーストリラリア響?これがよくわからない。アデレード交響楽団の別名?それとも南オーストラリア歌劇場のオケのことか。「シュラップシャーの若者」って、センチメンタルで静謐な旋律であり、バーナード・ハインツ(1894-1982)はオーストラリアの指揮者らしい(なぜか仏蘭西ものの録音が多い)。アンサンブルは悪くないが、少々響きが薄く、それも清涼な雰囲気を助けて、作品に似合っております。

 英国音楽にはこれがなくっちゃ、的名曲「春初めてのカッコウを聞いて」は、アデレード交響楽団(ヘンリー・クリップスが長く薫陶した/コンミスは吉本奈津子さん)の意外と厚みのある響きで聴かせます。指揮は英国で活躍したヴァイオリニストとして有名なカール・ピーニ。静謐で、ひんやり涼やかで、存分に泣ける演奏ですよ。Elgar 序曲「コケイン」 も代表的楽しげなる名曲だけれど、シドニー交響楽団は上手いオケですね。響きと厚みに洗練が加わって、他のオケとはひと味違う・・・ハインツは熟達の表現で、ロンドンの街の活気+ロンドンっ子の心情の動きを描写します。

 RVWの”「富める人とラザロ」の5つのヴァリアント”は、(先日の更新にて)”この人らしい荘厳なる気品+英国の田園風景を連想させ、ハープの付加がその印象をいっそう強めることでしょう。これも「ブリッグの定期市」同様、民謡の採譜(あちこち”異版”があるとのこと)から発しているんですね。異版がちょっとした変奏曲の味わいになっていて、ゆったりと懐かしい雰囲気は英国の歴史と伝統に根ざしているのだな。胸を締め付けるように寂しげであり、感傷的な12分の世界は、名作「グリーンスリーヴスによる幻想曲」に負けぬ魅力有”と自らのコメント有。

 ここではカール・ビーニがシドニー響を振っていて、存分に深く、厚みのあるサウンドで聴き手を泣かせます。たっぷりゴージャスな響き。但し、録音の関係?で少々(強奏部分にて)濁りがありました。一枚目ラストは、人気薄い英国音楽中いっそう聴かれる機会の少ないArnoldであります。小組曲第1/2番は初耳でして、これがまるで大冒険活劇風勇壮+ラブ・ロマンス映画音楽を彷彿とさせてで親しみやすい。オケはデヴィッド・ミーシャム/”世界一美しい都市”と称される西海岸パースの西オーストラリア交響楽団。意外と洗練されたアンサンブルであります。音質も迫力も極上(全曲中これが一番よろしい)。ミーシャムって映画音楽風の録音が多いから、これももともと映画音楽から組み立てたのかも。甘く、安易、わかりやすく懐かしくて、たっぷり楽しいっすよ。

(2010年1月22日)

【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi