Dvora'k 交響曲第5/9番
(イヴァン・アンゲロフ/スロヴァキア放送交響楽団)


OEHMS OC 376 Dvora'k

交響曲第5番ヘ長調 作品76
交響曲9番ホ短調 作品95「新世界より」

イヴァン・アンゲロフ/スロヴァキア放送交響楽団

OEHMS OC 376  2001〜2004年録音 5枚組1,390円にて購入

 「CD削減計画」は2007年転居に伴う収納問題で必須となって、いったん成功したが、やがて「総量抑制計画」に緩和され、それさえ守れない・・・これも不況に喘ぐ日本経済に微力ながら寄与するための個人消費強化!(ウソ)。Dvora'k交響曲の単品CDともかく、全集はBRILLIANTのコシュラーα全集をオークションにて(格安)処分いたしました(なかなか売れんかった!)。全集はとくに初期の作品の確認のため常備しているのであって、イヴァン・アンゲロフ盤一組あればよいかな、ということで。いつもは辛口のユーザーレビューも好意的な論評(誉め過ぎ)が多いですね。

 スロヴァキア放響と言えば、初期NAXOSを支えたブラティスラヴァのオケ(表記はCSR交響楽団とか、いろいろ)であって、ま、あまり、うんと上手いオケじゃありません。素朴で田舎臭い味わいはあって、作品によって相性があると思います。Dvora'kはお国物(お隣か)ですし、なんとなく雰囲気がありますね。ARTENOVAから分離した(?)OEHMSレーベルだけれど、前者の詳細なる録音情報に比して、こちらほとんどまともなクレジットがないのは残念。

 交響曲第5番ヘ長調は一般に演奏機会が少ないけれど、けっこう名曲なんです。音質印象かも知れないが、なんとも鄙びた、あまり器用ではないサウンド也。”素朴で田舎臭い味わい”(この場合誉め言葉)を基本に、リズムは颯爽として、しっかりとしたアンサンブルで聴かせて下さいました。白眉は第2楽章「アンダンテ」哀愁の旋律。Tchaikovskyを連想させるチェロの下降旋律が寂しげで、良く歌って雰囲気タップリなんです。

 オケの響きは薄く、洗練されないが、それが作品の味わいと意外とマッチしておりました。終楽章、けっこう金管が頑張って盛り上げます。ライヴではないらしいが、まるでそのような適度な熱気有。

 古今東西名盤犇(ひし)めく名曲中の名曲「新世界」なら比較対照ライヴァルが多すぎて、アンゲロフは少々苦戦気味。例えばカラヤン/ベルリン・フィルの分厚く、重厚な世界がヴェリ・ベストとは思わぬが、オケが鳴らない、薄いのはツラいところ。ティンパニが籠もったような、やや間の抜けたサウンドで収録されてるから、音質印象もあるのでしょう。(第5番とも音質が異なります/こちらのほうがクリアな感じ)誠実だけれど、推進力とキレに少々不足気味なる第1楽章でした。提示部繰り返しなしは残念。

 誰でも知っている第2楽章「家路」は懐かしく、シミジミと雰囲気があり、続くスケルツォ楽章の躍動、終楽章の迫力も充分。表現的にはグラマラスでもなく、ローカル色たっぷりでもなく、スマートでこだわりなく、それなりに爽やかにまとまっている・・・郷愁とか、(良い意味での)アクとか、壮絶なる艶とか、所謂個性に不足するか、と感じます。オケの技量にそう不足するものでもないが、弱音でテンションが維持できていないように聞こえるのは、聴き手の集中力問題かも知れません。

 いずれ、後期の著名作品ともかく、全集として座右に常備するに価値あるもの。時に棚より取り出して、鄙びたオケの響きを愉しめるものでしょう。

(2008年7月11日)


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written by wabisuke hayashi