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CLASSIC ちょろ聴き(37)


(Disky BX 703782 1960年頃録音 5枚組2,600円)Beethoven 交響曲第1/3/9番〜クリュイタンス/ベルリン・フィル/聖ヘドヴィッヒ教会合唱団(録音年1957-60年だけれど正確に調べ付かず)
(第9番)オフ・マイクっぽいが、そう悪い音質でもなくて、清涼で淡々としたチカラ強さがあって良い演奏ですね。オーケストラが極上の技量でして、しかも強力(ごうりき)さや徒(あだ)っぽさを微塵も感じさせぬ、清潔感が充実した響きでした。
交響曲第1/3番〜これもまったく同じ感想で、威圧感がなくひたすら美しい。しかも、ひ弱な演奏じゃないんです。こんな演奏だったら「苦手系Beeやん」にも親しく馴染めるかもね。(「音楽日誌」より。2005年7月23日)

BBCRADIOCLASSICS CRCB-6034 中古@250Szymanowski交響曲第4番「シンフォニア・コンチェルタンテ」作品60〜パレチェニー(p)/エルダー/BBC交響楽団(1983年ライヴ)
交響曲第3番「夜の歌」〜ノーマン・デル・マー/BBC交響楽団/ラングリッジ(t)/BBCシンガーズ/BBC合唱団(1983年ライヴ)

(第4番)この作品は渋い存在だろうが、ワタシはかなり以前からルービンシュタインの演奏(FM放送からのエア・チェック。そもそも彼に献呈された作品らしいが)で馴染んでおりました。アルフレッド・パール盤もワタシのサイトに掲載済み。(正直どんな演奏だったか記憶がほとんどない)こちらは、ややラフなアンサンブルがいかにもライヴっぽいが、野性的な躍動があってとても楽しめます。こんな楽しい作品だったんだろうか?
(交響曲第3番)声楽が全面的に活躍する、ちょっと妖しくも壮大なる(単一楽章の)作品。解説によると「中世のペルシアの神秘主義的な詩人の詩に拠っている」とのこと。(失礼ながら意味不明だし、悪文の例示みたいだ)そうだな、Stravinskyの「詩編交響曲」をもう少し親しみやすく、ドラマティックにした感じですか。いずれワタシの好み方面ですな。 (「音楽日誌」より。2005年7月23日)

クロアチアVIRTUOSO 93013 3枚組1,990円Haydn 交響曲93番ニ長調〜セル/クリーヴランド管(1968年ライヴ)
「ザロモン・セット」中では、知名度がやや落ちる作品でしょうか。これはスタジオ録音とほぼ同時期収録らしいが、溌剌キビキビとした表現がまったく素晴らしい。第2楽章「ラルゴ・カンタービレ」の繊細かつ優しく、時に厳しい表情に聴き惚れていたら、ラスト突然のファゴット強奏!乱入に驚愕(ざわつく会場。笑い声有)あらゆるパートに指揮者の思いが徹底された驚異的完成度演奏。オン・マイクでやや音がカタいが、これくらいの音質ならば文句ありません。(「音楽日誌」より。2005年7月23日)

EMI Seraphim 7243 5 68518 2 5  2枚組(いただきもの)/SCRIBrahmsC001 10枚組5,990円(マイナス・ポイント1000円分)のウチの一枚Beethoven 交響曲第5番ハ短調〜ケンペ/ミュンヘン・フィル(1971年)
トーンハレ管との録音(同じく1971年)を一通り聴いて「?」状態だったので、この録音を再確認。レコード会社が異なるとはいえ、どうして同年中に同作品を録音したんでしょうね。例の如しの少々ぼんやりEMI録音、ジミながらバランス感覚しみじみ系演奏ですな。威圧高圧剛力とは無縁な、粛々淡と、しかも充分なる「間」を感じさせる余裕があって、これなら座右に・・・といった有り難くも説得力ある一枚。
ケンペ/トーンハレ管で再確認〜と、言っても集中できたわけじゃない。それでも、先日の妙な違和感はないけど。(既に)確認したミュンヘン・フィル盤でココロの下準備が出来たせいかな?威圧感のない、バランス感覚溢れた、過不足ない演奏。「間」にも緊張感にも不足しない(例えば冒頭主題提示後のフェルマータの余裕)、落ち着いた余裕の表情。暖かいオーケストラの響き。(木管の魅力出色)ライヴではかなり燃える!とウワサのケンペだけれど、日常聴き続ける保存版としても聴き飽きない演奏でしょう。(個人的には終楽章も繰り返しが欲しかったところ)(「音楽日誌」より。2005年7月23日)

SOMM SOMMCD 016-2 SCRIBEDM 10枚組5,990円(マイナス・ポイント1000円分)のウチの2枚Bruckner 交響曲第8番ハ短調〜ケンペ/トーンハレ管(1971年)
購入したCDが、仮にどんなヘロであっても後悔したことはないけれど、5,990円・・・これは安かった!いまどきこの曲、2枚組では買いませんよ、フツウ。自然体であること、威圧感ではなく説得力、煽ったり、走ったりせず、余裕を持った「間」と「歌」が控えめに、時に空間に充満して感動の嵐。これこそ、昨年2004年ナマで体験したハイティンク/ドレスデンを想起させる、荘厳なる伽藍。焦点の最終楽章に向けて、やがて潮が満ちるように鳴動が押し寄せて、少々音の割れもなんのその・・・(「音楽日誌」より。2005年7月23日)

BRILLIANT 92005/15  15枚組4,932円のウチの一枚Mahler 交響曲第10番(クック版)〜インバル/フランクフルト放響(1992年)
購入後2年以上経っているような気もするが、全部は聴けていなかったんですよ。作曲者完成の「アダージョ」とは別に、全曲完成版を別途録音しているのも彼のこだわりだと思います。
ワタシはまったり纏綿濃厚に仕上げていただくのが好みだけれど、少々方向が違ってやや神経質。集中力あるアンサンブルで、それなりの思い入れも感じられます。あまりに無味乾燥では困るが、Mahler には必須の懊悩感溢れて、このオーケストラも絶頂だったのでは?細部明晰な演奏であり、官能的魅力ある旋律を堪能できるが、終楽章は響きが薄いというか、細部の描き込みが足りないか・・・これは補筆完成版だからしかたがない。(「音楽日誌」より。2005年7月23日)

SCRIBrahmsC 002-3  10枚組5,990円(マイナス・ポイント1000円分)のウチの3枚Brahms 交響曲第4番ホ短調/ハイドン変奏曲〜ケンペ/ミュヘン・フィル(1974年)
アツい演奏だ。オーケストラの響きがやや薄い(特に弦。録音かマスタリングのせいもあると思うが)が、ムリのない姿勢と誠実に良く歌う表現がマッチして、ほぼ(ワタシが求めている)理想的な世界が実現していると感じました。”泣き”でも”悲劇”でも”悲惨”でもない、端正なる情熱です。(「音楽日誌」より。2005年7月23日)

BIS-CD-221/252 各中古@500Sibelius 交響曲第2/1番/フィンランディア/ロマンス ハ長調〜ヤルヴィ/エーテボリ交響楽団(1983/82年)
発売当時(3,600円との表示有)当時話題にだった録音だけれど、最近見ませんね。(現役じゃ売っていないですか?)
やや粗野で力感溢れる演奏に最初は面食らいながら、やがて荒涼たる土臭い情熱に魅了されます。そういえば最近、清涼なるSibelius ばかり聴いていたかな?エーテボリ響は技術的に洗練されていないが、一種特有の自信と勢い(金管大爆発)みたいなものがあちこち横溢していて、個性的な魅力に昇華しております。録音はオーディオ環境を選びそうな、クセのあるもの。第1番は、肌理粗いが自然な奥行きがあり、第2番はオン・マイクで響きが荒れます。(同じ録音会場なのに)でも、なんか久々”手応えある、本音のSibelius を聴いた”といった満足感有。(管弦楽作品もほとんど最高) (「音楽日誌」より。2005年7月23日)

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written by wabisuke hayashi