Chopin ワルツ集(14曲/ルービンシュタイン(p))Chopin ワルツ集(14曲) 第1番 変ホ長調 作品18 「華麗なる大円舞曲」/ 第2番 変イ長調 作品34-1 「華麗なる円舞曲」 / 第3番 イ短調 作品34-2 「華麗なる円舞曲」 / 第4番 ヘ長調 作品34-3 「華麗なる円舞曲」 / 第5番 変イ長調 作品42/ 第6番 変二長調 作品64-1 「小犬」 / 第7番 嬰ハ短調 作品64-2 / 第8番 変イ長調 作品64-3 / 第9番 変イ長調 作品69-1 「告別」(遺作)/ 第10番 ロ短調 作品69-2(遺作)/ 第11番 変ト長調 作品70-1(遺作)/ 第12番 ヘ短調 作品70-2(遺作)/ 第13番 変二長調 作品70-3(遺作)/ 第14番 ホ短調(遺作) アルトゥール・ルービンシュタイン(p) ECC-628 RCA録音の海賊盤 1963年録音 1,000円? 2005年にニキタ・マガロフのChopin 全集を格安入手いたしました。その時のコメントに「帰り新幹線でワルツ集聴いたら涙出た。やさしくて、抑制があって、暖かくて」と。じつは1990年代前半、LPを諦めてCDで在庫レパートリーを回復すべく(当時激安だった)ルービンシュタインの駅売海賊盤CD6枚分をまとめて購入したものが未だ棚中に〜おそらくは合計6,000円〜十余年を経、正規盤全集11枚組は3,000円でお釣り来ますよ、今じゃ。(日本経済の復活のために購入すべきか) 75歳の録音だけれど、テクニック的にも音質的にもまったく問題なし。(音質の件はオリジナルを知らぬから判断エエ加減だけれど)Chopin の感傷的な旋律はあまり嗜好方向ではなかったので、量多く聴いていないんだけれど、この演奏には故郷に帰ったような安心感が・・・1965年来日時には「気の抜けたソーダ」との罵詈雑言もあったそうだけれど、この録音を聴く限り、淡々と弾き進むなかに馥郁たる香気が漂う演奏であります。嫋々と歌わない、タッチに曖昧さはない。暖かく、ふくよかな余裕があって華やか。 こどもの頃から聴いている音楽だから、旋律はすっかりお馴染み。 というか、ほとんど誰でも知っている旋律ばかりでしょ。一番長いのが第1番 変ホ長調 作品18 「華麗なる大円舞曲」でして、これが5分半。一番短いのが「子犬」で2分弱。もともと、まとめて作曲されたものではないけれど、つぎつぎと心象風景が移り変わっていくような”表情の揺れ”を感じます。一番人気は(ほの暗い哀しみを湛えた)第7番 嬰ハ短調 作品64-2(「レ・シルフィード」にも登場)でしょうか?ほとんど絶妙のテンポの緩急は洒脱、デリカシーもたっぷりだけれど、作った感じも、弱さもないんです。 第9番 変イ長調 作品69-1 「告別」(別れのワルツ)〜表題の由来は知らないけど、いかにも名残惜しい風情がちょっぴり寂しげに、そして淡々と歌われました。第10番 ロ短調 作品69-2も切ないなぁ。タッチの微妙な変化はほとんど名人芸。短調の作品は日本人の心を擽るのか、ラスト第14番 ホ短調(遺作)はちょっぴり疾走するが、ふっくらとルービンシュタインはあわてない。 第1番 変ホ長調 作品18 「華麗なる大円舞曲」とか「子犬のワルツ」は、いかにも華やかなる明るい輝きであって、ルービンシュタインには似合っているんでしょう。大柄とか雄弁ではない、もちろん強面巨匠風でもない、もっと親しげな”余裕”であります。あとは聴き手のお好みで、順番通り聴く必要もない。わずか49分の収録、1,000円の駅売海賊盤だけれどたっぷりその価値を堪能させていただきました。 (2009年6月12日)
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