Chopin バレエ音楽「レ・シルフィード」
(ヘルベルト・カラヤン/ベルリン・フィル)
Delibes バレエ音楽「コッペリア」/バレエ音楽「シルヴィア」(抜粋)
(ロバート・アーヴィング/フィルハーモニア管弦楽団)


LPオリジナルデザイン LPオリジナルデザイン Chopin

バレエ音楽「レ・シルフィード」Roy Douglas編)

ヘルベルト・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー(1961年DG録音)*収録内容

Delibes

バレエ音楽「コッペリア」(前奏曲-マズルカ-ワルツ-「麦の穂」バラード-スラヴの主題と変奏曲ー祈り-チャルダッシュ)
バレエ音楽「シルヴィア」(前奏曲-間奏曲-ゆるやかなワルツ-ピチカート-アンダンテ-行進曲とバッカスの行列)

ロバート・アーヴィング/フィルハーモニア管弦楽団/ユーディ・メニューイン(v)(1959年EMI録音)

PIGEON GX651  駅売海賊盤980円(税込)入手、今となっては高い!

 2020年、最低限残してCDを断捨離いたしました。駅売海賊盤は今更処分不可、数枚手許に残って二十数年経っても再生可能・・・ちゃんと有り難く美しい音楽を聴いてあげましょう。カラヤンの「コッペリア」「シルヴィア」の録音もあったはずなのに、なぜかマニアックなバレエのスペシャリストRobert Irving(1913-1991英国)音源が組み合わされた不思議な一枚。一部メニューインの全集に正規収録されているようだけど、求めて入手しにくい音源でしょう。いずれ以前からのお気に入り魅惑の旋律連続、とくに新しい切り口も感慨もありません。バレエはけっこう好きで、幾度か実演を見に行ったこともありますよ、オッサンには似合わんけど。

 Chopinの名旋律をつないだバレエ音楽「レ・シルフィード」は本来、カラヤンのような人気大指揮者が録音するような演目じゃないでしょう。定期演奏会でも取り上げていないと思いますよ、きっと。レコード会社の要請かな?夢見るようにたっぷりレガートを効かせてムーディ、しっとり甘いサウンドを響かせてリラックスした演奏。極上の深いサウンドによるイージー・リスニングでっせ。この姿勢、ほんまに立派ですよ、「ピーターと狼」はけっこう著名指揮者の録音を見掛けるけれど、「おもちゃの交響曲」(フィルハーモニア管弦楽団1957年)はフツウ演らんでしょう。

 第4曲「マズルカ ニ長調」作品33-2辺り、ちょっと立派過ぎて重く、大きいかなぁ。第1曲と第6曲に儚い「前奏曲イ長調」作品イ長調が短く配置されて前者が1:26、後者は2:03、弱音にたっぷり名残惜しさを増しております。この辺りいつもながら巧過ぎる語り口。続く「円舞曲 嬰ハ短調」作品64-2は冒頭チェロのソロから哀しさを引きずるような歌は最高潮、フルートからオーボエ、クラリネット、弦に引き継がれる絶品のアンサンブル。芸術の香り高い、名手たちの饗宴に痺れまっせ。(4:25)

 ラスト「華麗なる円舞曲 変ホ長調」作品18の明るく軽快な足取りは見事な締めくくりでしょう。(6:00)残響豊かな瑞々しい音質も極上。

 ロバート・アーヴィングの演奏はヴィヴィッドに実用的なものでしょう。音質はこちら直接音主体に清潔、かなり良好。ツボを押さえてなんとなく細部がラフっぽく、リズミカルに軽快にさっくりとした歩み、明るい響きのオケは上手いですね。誰でも知っている「コッペリア」のホルンが深く歌う前奏曲〜「マズルカ」は軽快シンプルな表情(5:14)先のカラヤンとは対極のスタイルでしょう。「ワルツ」はFM番組の主題歌にもなった優雅な風情にも飾りがないもの(1:52)。「麦の穂のバラード」にメニューインのヴァイオリン・ソロが懐かしく登場します。(2:34)

 「スラヴの主題と変奏曲」が一番長く、シンプルな弦の主題から自在に管楽器が色彩を広げていく楽しいところ。(6:29)「祈り」は弱音器を付けた弦、木管もデリケートにゆかしい響き(2:37)ラスト「チャルダッシュ」は大仰な開始から、徐々に活力と熱気を帯びて快速テンポ・アップ!賑々しい締め括りでしょう。(3:17)

 「シルヴィア」の前奏曲「狩りの女神」はホルンが勇壮に活躍してまるでWagner!カッコよいですよ。爽快な管楽器の技量に惚れ惚れ。優雅な「マズルカ」、間奏曲を経て、表情豊かな「ゆるやかなワルツ」。Delibesってほんま心ときめく優美な旋律ばかり。(8:56)「ピチカート」は題名通り、そっと静かに弦がつぶやいております。(1:45)「祈り(鐘の祭りのディヴェルティスマン)」は冒頭クラリネット、フルートに導かれて「アンダンテ」にメニューイン再び登場!敬虔な風情に溢れました。「タイスの瞑想曲」風。(4:35)ラスト「行進曲とバッカスの行進」はトランペットも勇壮に堂々として、これはElgarの威風堂々を連想させました。(6:17)

(2020年11月7日)

PIGEON GX651  カラヤンがDG録音、アーヴィングのほうはEMI録音からの”駅売海賊盤”です。↓以下のコメントは2000年頃のものであり、累計で随分多くのCDを処分してきました。それはBOOK・OFFであったり、ここ2年ほどはYahoo!オークションにて。ワタシのCD歴も十数年となり、廉価盤もいつの間にやら貴重盤になっていることもあって、@300なら喜ばれることもあるんです。再聴のきっかけは「レ・シルフィード」のアーヴィング盤(EMI正規CD)の入手であり、本来であれば「コッペリア」「シルヴィア」と組み合わされるべき音源だったのでしょう。この一枚を思い出しました。”980円の駅売海賊盤”は未だ棚中に保存してありました。

 考えてみれば御大カラヤンが「レ・シルフィード」のような、編曲ものバレエ音楽(20世紀初頭の露西亜バレエでの需要らしい〜男性詩人が森に迷い込んで、シルフィード(風の精)と戯れる〜そんなストーリーらしいが)を録音する、のも凄いことです。彼には「おもちゃの交響曲」とか、ライト・クラシック系の録音も数多くて、音楽ファンの裾野を広げて下さったのでしょう。立派。

 ”こういうムーディな曲をやらせたら天下一品。しっとりとして、深くて、ものすごく濃くて・・・最高。目眩がするような・・・”〜これが以前の感想だけれど、Chopin の著名で甘い旋律を一切の手抜きなし、ゴージャスに分厚いアンサンブルに仕上げて下さって痺れます。誰でも全部知っている旋律だと思いますよ。

1) 前奏曲第7番イ長調 作品28-7
2) 夜想曲第10番 変イ長調 作品32-2
3) 円舞曲第11番 変ト長調 作品70-1
4) マズルカ第23番ニ長調 作品33-2
5) マズルカ第44番ハ長調 作品67-3
6) 前奏曲第7番イ長調 作品28-7(繰り返し)
7) 円舞曲第7番 嬰ハ短調 作品64-2
8) 円舞曲第1番 変ホ長調 作品18「華麗なる円舞曲」

 どれも良くできているが、円舞曲第7番 嬰ハ短調の物悲しくも、噎せ返るような甘美なる旋律は、婦女子の紅涙を絞るに間違いなし・・・前奏曲第7番イ長調は、ちょうど「展覧会の絵」に於ける「プロムナード」のような役割でしょうか。録音も悪くない(駅売海賊盤でも)。

 ロバート・アーヴィング(1913〜1991年)によるDelibesだけれど、この人はバレエ筋の人だったらしいし、ここでの演奏もさっくりと軽快、リズム感あるもの。オケがフィルハーモニア管弦楽団という清潔な響きのオケと言うこともあるが、もとよりカラヤンのゴージャス系とは無縁の、バレエ音楽として実践的なものなんでしょう。

 カラヤンに続けると違和感(少々)あります。作品的にはこちらの表現が似合っていて、明るく、安直で、薄くて、楽しいもの。何種類も棚中に揃えるべき作品ではないと思うので、このアーヴィング盤がワタシのリファレンスとなります。(数種所有していたが、いつの間にか処分したのか、これ以外見あたりません)「コッペリア」の賑々しい「マズルカ」「チャルダッシュ」、そして「シルヴィア」って華々しい旋律(ファンファーレのホルンとティンバニ)が続いて、あまり深刻にならず愉しむべき音楽と思います。

 音質は悪くはないが、低音と奥行きが足りない例のパターン。ま、駅売海賊盤(おそらくはLP板起こし/先日の音楽談義中でも「PIGEON」の評判は悪かった)で云々すべきでもないし、日常聴きに堪えうる水準ですから。

(2008年1月11日)

 DGとEMIの音源が渾然一体となっている、海賊盤ならではの魅力あるコンピレーション・アルバム。「コッペリア」はカラヤンの録音があったはずなのに、なぜかロバート・アーヴィングを組み合わせてくれて、私は嬉しい限り。「レ・シルフィード」もアーヴィングの録音があったはず。

 まず、カラヤンさんから。
 こういうムーディな曲をやらせたら天下一品。しっとりとして、深くて、ものすごく濃くて・・・最高。目眩がするような木管の響きの魅力。むかし、「レイモンド・ルフェーブル」「カラベリ」とか・・・、あの路線で、うんと上質に豪勢にした感じ。「カラヤンと煌めくベルリン・フィル・ストリングス」ですな。

 理屈抜きで楽しめますね。カラヤンって、こういう通俗名曲というか、小品集とか、ちゃんとした録音を残してくれているのが立派。こう云っちゃなんですが、どんな曲でも一生懸命というか、同じというか・・・。こういうカラヤンは好きだなぁ。

 ロバート・アーヴィングは、バレエ音楽のスペシャリストだったはず。手元の資料を調べても出てこなくて、ニューヨーク・シティ・バレエの指揮者を務めていたという記憶があるのみ。いまでもご健在なのかは不明。

 ドリーブのほうは、ちょうどカラヤン/ベルリン・フィルと好対照で、面白いですね。明るくて、軽くって、ちょっとアンサンブルが粗くて、勢い命の演奏。いかにも職人的で、実践的な楽しい演奏ですね。バレエはこうでなくっちゃ、という「ノリ」を感じさせる演奏。しかも名曲中の名曲。音も悪くありません。


 メニューインが亡くなって、追悼盤を買おうと思ったら、この二曲が収録されている。ヴァイオリンのソロはメニューインだったんですね。驚きました。

 1999年にEMIが国内盤でワタシ好みの1960年前後の録音をCD化してくれました。(1,500円)そのなかで、アーヴィングがこの録音も含めて2枚出ています。


【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi