BIZET 歌劇「カルメン」(ライナー)
BIZET
歌劇「カルメン」抜粋
ライナー/RCA管弦楽団/ロバート・ショウ合唱団
スティーヴンス(ms)ピアーズ(t)メリル(br)レンクナー(s)ロッジェーロ(ms)
FM放送からのエア・チェック 1950年頃の録音か?(RGC1113〜5 LPの放送)
べつに珍しくもない録音でしょうか。一度、中古屋さんで全曲CDを見かけて買おうか悩んだものです。(買えば良かった)前半の有名どころ数曲と、第4幕全曲収録で約50分間。音の状態があまりよくないのは、カセットへのエア・チェックのせいかもしれません。「カルメン」は知っている旋律ばかりで、ワタシにとって数少ない、本当に楽しめるオペラなんです。
カルメン、ドン・ホセ、エスカミーリョ、主たる役どころはオール・アメリカ人のようで、おそらくメトロポリタンのスター達でしょうから、RCA管というのはニューヨークの録音用オケと想像されます。(2000年に亡くなったシュムスキーがコン・マスを務めていたはず。この録音に参加しているかどうかはわかりませんが)このオケは上手い。
ライナーというと、なんとなくシカゴ響とのコンサート専門のようなイメージがありますが、若い頃はずっとオペラ畑だったそうだし、アメリカに渡ってからもメトロポリタンの指揮者をしていたはず。(ブダペストでの「カルメン」がデビュー曲)キリっとしたリズム感、ノリノリのアッチェランド(にぎやかな楽の調べ)、堂々たるルバート(闘牛士の歌)、完全に縦の線があったアンサンブル、等、後年のシカゴ響との録音と同じ印象なのは、やはりライナーの個性なのでしょう。
第4幕のはじめがずっと管弦楽(ファランドール等々)が続くじゃないですか。これがほんとうに楽しい。アツくなります。興奮します。リーゼ・スティーヴンスはやや知的で、頭の良いカルメン(アメリカ・デビューは「ばらの騎士」のオクタヴィアン)か。でも、ラストのドン・ホセへの拒否の一声はドスが効いています。エスカミーリョは、堂々たる押し出しだが頑固そうで真面目、スケベな色男ではない。ロバート・メリルってプロ野球選手だった、というのは本当でしょうか。
ドン・ホセ役のピアーズは感情的で、良い意味で声がうわずっているようで、ハマリ役でしょう。(でも、ワタシはデル・モナコのボリショイ・ライヴを知っているので、どんなテナーでも満足できない)合唱団の美しさも特筆もの。スタジオ録音ながら、全体のアンサンブルの完成度と同時に、舞台が眼前に思い浮かぶような「動き」を感じる演奏でした。熱演。
この曲、筋も役どころもわかりやすくて、いいですねぇ。わざわざこんな古い録音で聴かなくてもよいのでしょうが、長いあいだ聴き馴染んでいるせいか満足しました。この度、無事MD化。(2000年11月17日更新)
余白には、ボベスコによる夢見るようなクライスラー「ウィーン奇想曲」、そして「愛の悲しみ」「愛の喜び」を、カセットそのままに収録しました。いつ聴いても「愛の悲しみ」には、やすらぎの涙を誘われます。
【♪ KechiKechi Classics ♪】 ●愉しく、とことん味わって音楽を●
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