Bruckner 交響曲第7番ホ長調
(ダニエル・バレンボイム/シカゴ交響楽団1979年)


DG POCG-3932/3 Bruckner

交響曲第7番ホ長調

ダニエル・バレンボイム/シカゴ交響楽団

DG POCG-3932/3 1979年録音

 ゲオルグ・ティントナーやオイゲン・ヨッフム(新旧)全集を処分して以来、Brucknerを聴く機会は激減いたしました。自分の好みの方向が見えなくなって・・・Mahler とBrucknerを同時並行して聴くことができなくて、ここ数年はMahler ばかり・・・Brucknerへの再接近はジョージ・ショルティなんです。やたらと明晰であり、オケの響きが強靭でテンション高い!ま、世評なんてどーでもエエんです。精神性とか鬱蒼とした響きとか、渋く地味なサウンドを求める気も理解できるが、とにかくわかりやすい。滅多矢鱈と上手い金管には生理的快感有。

   バレンボイムの新全集は「購入やめておけ」とのBBS指導があったんですよ。でもね、第8番ハ短調には意外なる手応え有。そういえば第4番 変ホ長調(1972年)聴いていたなぁ、とっくにCD処分したが。(エエ加減なコメントやなぁ/今読めば)

   もとより交響曲第7番ホ長調はお気に入りの作品。第2楽章「アダージョ」の陶酔的な美しい旋律、第3楽章「スケルツォ」の躍動するリズム感・・・なのに、意外とお気に入りの演奏に出会わない。某大物評論家推奨に従って、子供の頃からカール・シューリヒトを聴いてきたが、さすがに音質的には厳しくなりました。他、カラヤンとか・・・いろいろ聴いてきたつもりだけれど、出会いがよろしくなかったのか。

   バレンボイム旧録音は気に入りましたよ。第1楽章 「アレグロ・モデラート」〜ていねいな仕上げ、弦の明晰な響き、やがて木管が加わり、例のテンション高い金管が余裕で絡みます。サウンドはやや金属的だけれど、爽快に鳴り切ったシカゴ交響楽団の実力満開、細部明快、曖昧な響きはどこにもない。全体としてテンポ設定は中庸、途中テンポが速まったり、遅くなったりに必然性はそう感じさせない、やや恣意的。アンサンブルの緊張感は高いが、尋常ならざる情感を込めた、といった風情じゃないんです。もっとスポーティ、物理的肉体的な印象有。この辺りが若さなのか、当時バレンボイム37歳。

   第2楽章「アダージョ」。ここもアンサンブルの仕上げは極上です。ただし、これも”尋常ならざる情感を込めた風情”ではない。もっと、元気よく溌剌として、ちょっと生々しく、朗々と歌っている感じ。作品の姿がわかりやすい。クライマックスにて、ティンパニのクレッシェンド序奏付き打楽器大活躍はいかにも若者らしい大見得で盛り上がります。ホルン+ワーグナーチューバーの華々しくも強靱なこと!この辺りが独墺系オケとの違いか。美しいが表層に流れている、といった評価になるのかも。

 第3楽章「スケルツォ」〜豪快な金管の爆発に文句はないでしょう。リズムの刻み、確固たる足取りは迫力も貫禄も充分。中間部の優しい表情もヴィヴィッドで、練り上げられた弦、木管も充分美しい。終楽章は全曲を締め括るには少々難しい軽快さと明るさに充ちております。バレンボイムはかなり表情豊かに、間を充分に取り、テンポも頻繁にゆらせて”スケール+効果”を狙っているよう。シカゴ交響楽団は上手いし、作品全体の構造はわかりやすい、全体を聴き通すのに苦痛もなし。しかし、”これはBrucknerではない”といったコメントには一理あるような気もしますね。”精神性とか鬱蒼とした響きとか、渋く地味なサウンド”の欠如か。

 それでも、この”わかりやすさ”、オケの優秀な技巧、鳴りっぷりの良さを賞賛したいところ。1979年アナログ最末期の音質は極上であります。

(2011年9月4日)

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written by wabisuke hayashi