Brahms 交響曲第2番ニ長調(カラヤン/ウィーン・フィル1948年)


Brahms 交響曲第2番ニ長調(カラヤン/ウィーン・フィル1948年) Brahms

交響曲第2番ニ長調 作品73

カラヤン/ウィーン・フィルハーモニー

素材発信 ザ・ダイソー CD-7 @100(税込105円) 1948年録音

 所謂「100円ショップ」ザ・ダイソーの(クラシック関連)CDには、いろいろと不満がありますね。細切れ収録すること、演奏者クレジットが不完全なこと、同じ音源をダブり収録すること・・・これは”原価”とはほぼ関係ないこと(または、反映させてはならないこと)なので、「せっかくの安価なのに・・・」という残念が思いがありました。それでも、この”若き日のカラヤン”シリーズはけっこう楽しみました。Mozart はとても良かった・・・ま、もともとあまり状態の良くない音源(戦後間もないEMI録音)を(おそらくはSP?)板起こししたものだから、音質的な不備は覚悟して下さい。(復刻ピッチがおかしいという説も有)収録はこの作品のみ・・・でも充分だと思います。

 このBrahms も(音質ともかく)エエですねぇ。当時40歳心身共に充実していた壮年カラヤンの記録です。後年の同作品の録音を聴く機会を得ないが、”いかにも”風カラヤンの颯爽としたスタイルが確立しております。若さ故の、やや線の細さ、軽さ(粘着質な重さが少ない)が同居していることが前提だけれど。劣悪音質乗り越え、ウィーン・フィルは充分に透明で美しい。この作品の田園的な空気を、見事に表現していると思います。

 第1楽章から、そして全編を通してゆったりめのテンポを維持して、テンポの揺れに恣意性は感じさせない。牧歌的な旋律は、入念繊細なる細部の仕上げで、ゆるゆると流れる節回しの雄弁さ。瞑想的な第2楽章は、この作品中の白眉か。スタイリッシュでリキみがなく、静謐な時が流れました。

 第3楽章も同様の”ゆるゆる”状態・・・少々もたれてきたか?と思ったら、シンプルな上下旋律が倍の速さで歌われ〜適切なるテンポで颯爽と快復しました。終楽章は優雅で雄弁なる大爆発はやってきました・・・かっこエエなぁ。若いということは、贅肉がないということなんだなぁ。比較的お気に入りの作品だけれど、久々にココロのストライク・ゾーンにピタリ!的演奏でしたね。ちょっとスランプ気味だったこの作品は、他の演奏でも楽しんで聴けるようになりました。

 そんなチカラを与えてくださる”105円”也。ありがたく拝聴いたしましょう。

written by wabisuke hayashi