Berlioz 幻想交響曲(シャルル・ミュンシュ/パリ管弦楽団1967年)


FIC ANC-92 666円で購入 Berlioz

幻想交響曲

シャルル・ミュンシュ/パリ管弦楽団

FIC ANC-92 1967年録音 EMIの非ライセンス(駅売海賊)盤 666円で購入

 アフター団塊の世代(人口も影も社会的影響力も薄い)であるワタシにとって、”極め付け”と評された一枚也。クラシック音楽は”保ち”のよろしい音楽なので、40年前の録音だって論議のまな板に充分乗るんです。そもそも「駅売海賊盤」という存在そのものが笑止千万状態になってしまったが、閑話休題(それはさておき)この作品、そして演奏の評価(世評)はどうなったのでしょうか。現役世代の「お奨め盤」なんかぜんぜんわっからない!時代遅れ親父状態に・・・

 小学生の時から(オーマンディ盤LPにて)散々聴いておりました。社会人となって、初めて購入したCDはピエール・モントゥー/北ドイツ放送交響楽団盤(2,800円であった/一時の気の迷いで処分済/欲しい!切実に)。隅々まで旋律を知り尽くして、そして〜(不遜にも)厭きました。この作品を楽しく聴けるようになったのはここ2年ほど・・・この作品は繰り返しを実行し、コルネット入りであって欲しい・・・であれば、このミュンシュ盤は当てはまらない。

 駅売海賊盤(正規復刻盤に非ず)だから音質云々できないが、音はよろしくない。音の肌理が粗い、全体に響きが濁って洗練に不足するような印象であります。期待のパリ管がエレガントに響かない・・・でもね、アマゾンHMVのレビューの一部にあるように「どこが良いか全然わからない」、とは思わない。これは、おそらく凄い演奏です。

 ワタシは(おそらくピエール・ブーレーズの刷り込みで)緻密な演奏が好きなんです。これは熱気と勢い、熱狂と即興、疾走と爆発に溢れた演奏であって、ま、他いくつか聴いたミュンシュの路線で全然変わらない。速めのテンポ、荒削りだが、得がたいエネルギーと明るい希望に充ち充ちて、これは不況と貧困、環境問題に悩ましい現代には失われた世界なんです。これはこれで得難い個性だ。

 第1楽章「夢、情熱」は、まさにアツい情熱に溢れているし、第2楽章「舞踏会」の浮かれたような高揚感は想像に難くないでしょう。なんとなくぼんやりとして様子がわかりにくい第3楽章「野辺の情景」だって、けっして落ち着いた味わいととは言えぬし、途中、存分に煽って盛り上げます。それがミュンシュなんです。

 第4楽章「断頭台への行進」は期待通り!の爽快なる爆発。かつて「ブーレーズの遅いテンポ」が話題になったが、あれはたしかにクールで怪しい雰囲気満載でした。こちら文句ない迫力に溢れて、叩き付けるような(とくに打楽器の)ド迫力に圧倒されます。この楽章。わずか4:29であっと言う間に終了。

 終楽章「サバの夜の夢」〜これは地獄に堕ちてからの饗宴でしたっけ?この金管の絶叫は凄い!木管はたしかに、お仏蘭西風薄っぺらい響きなんだが、金管の壮絶な叫びはどこからやってきたの?ボストン交響楽団でもそうだったが、ミュンシュ先生は大きな音が好きだったんだそうです。この壮絶なるスピード感に素直に馴染める聴き手の気力体力必須です。全曲で50分弱、この演奏がヴェリ・ベスト!とか、日常座右に置いて〜みたいには思わぬが、希有な迫力に酔いしれいるべき”爆演”であります。

(2009年9月26日)

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written by wabisuke hayashi