Beethoven 交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」
(フランツ・コンヴィチュニー/ゲヴァントハウス管弦楽団)


CCC 0002172CCC Beethoven

交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」

フランツ・コンヴィチュニー/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(1959年録音)

序曲「レオノーレ」第1番/第2番(1960/61年)

CCC 0002172CCC 11枚組

 既にCD入手10年以上を経、シュターツカペレ・ドレスデンとの「英雄」(1955年)へのコメントも12年前、干支は一周りしました。その時に1959年ステレオ録音へのついで・ちょろ言及いたしました。世評は未だに高いんですね、驚き。罰当たりBeeやん苦手野郎もちゃんと再聴しなくては・・・それこそ10年ぶりかも。世評は気にせぬけれど、その感動はワタシにもちょっぴりお裾分けお願いしたいもの。

明治生まれの無骨者達が、無愛想な表情で背筋をまっすぐ伸ばして演奏しているような

ドイツの鬼軍曹の頑固な指揮が懐かしくなるのは小生だけだろうか?こういう骨っぽい指揮者・・・

軟弱で惰弱な演奏しか聴いた事が無い人には、コンヴィチュニーの剛直で豪快な強い個性は、最高の宝珠のようだと思います

唯一正統ドイツの演奏です。録音もよく、今は失われたゲヴァントハウス管の音色を聴けば、それだけで・・・

まろやかな音色と、素朴なソロ的ニュアンスがまず魅力的。そこにコンヴィチュニーの剛直な音楽作りが加わり、ドイツ伝統の演奏芸術が堪能できる。剛直すぎてやや荒っぽい・・・

 ほんの子供の頃、Beeやんとの出会いはオーマンディ、スタインバーグ、クリュイタンス辺りだっけ(もちろんレコード)、交響曲第1/2番はコンヴィチュニーでした。棚中、この11枚ボックスが生き残っているのも何かの御縁〜久々の拝聴印象は・・・

 ・・・悪くないけど、好みのツボじゃないなぁ、印象も以前とほぼ変わらない。ワタシ如き門外漢が云々するの恐縮(年代を考えれば立派な音質なのは前提として)オーディオ的に響きの濁りも少々気になります。このサウンド、スタイル、上記世間の賞賛がそのまま裏返って自分の嗜好の守備範囲外ということなのでしょう。デイヴィッド・ジンマン以降クリア軽快軽妙なる響きじゃないと受け付けなくなった〜かも・・・でもね。

 あながち”昔の録音はなんでもアカン派”に非ず。1950年代亜米利加のヴィヴィッド元気よい前向きの演奏(ライナー、ミュンシュ、スタインバーグ辺り)はけっこう好きだし、例えばジョージ・セル/クリーヴランド管弦楽団(1957年)の演奏には最高の賞賛を惜しまぬつもり(音質も驚くほど良好)。コンヴィチュニー盤はオーケストラのサウンドが美しくない、弦は洗練に足りぬと感じます。第1楽章提示部繰り返しはありがたく、落ち着いたテンポも適正、悪くない。テンポの揺れに恣意的なところもない盤石の構え。金管が目立たない、質実な木管も味わい深い、重心は低い・・・けれどリズムが重くありませんか(着実な歩み?)。全体として妙に”旧い”といった手応えばかり・・・全曲最後迄聴き通すのはツラい(申し訳ない。旧いものすべて否定という立場に非ず)

 最近若手の、疾走するようなリズム感ばかり賞賛!ということでもないんです。昔から馴染んだ演奏、やはり自分の嗜好から遠い、ということがすべて。今から10年ほど前、音楽ファン、皆熱心にネットにて論議を交わしていた頃やったらボロカス非難でしょうね、きっと。しぶとく棚中生き残っていた11枚組*2ボックスはオークションに出すことにしました。さて、売れるのかどうか。これでもこの「英雄」2度3度繰り返し聴いて、それなり惜別の念を以って(たっぷり)拝聴したつもり。こんな結末でごめんなさい。パブリック・ドメインに至っているので、多くの人々のご意見を伺いたいもの。

(2013年10月14日)


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written by wabisuke hayashi