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岡山交響楽団 第41回定期演奏会


2005年5月15日(日)PM2:30〜岡山シンフォニー・ーホール 
ご招待いただきました。感謝

Tchaikovsky

歌劇「エフゲニー・オネーギン」〜第2幕への間奏曲とワルツ
イタリア奇想曲 作品45
交響曲第4番ヘ短調 作品36

杉本 賢志/岡山交響楽団

 Tchaikovskyは若い頃は苦手としておりまして、どうも気恥ずかしい。ここ最近は意外と好んで聴いておりまして、きっかけは昨年2004年の岡山大学交響楽団の交響曲第5番でしたか?オール・Tchaikovskyなんて、ナマじゃないと集中してなかなか聴かないかも知れません。こんな機会を与えてくださった名ティンパニ奏者M女史に深く、ふか〜く感謝。観客には若い人たち、小学生もたくさんいて、ちょうど爽やかな音楽を聴くべき季節のコンサートでした。

 「オネーギンのワルツ」って、意外とCDはないもんですよ。楽しげなる舞踏会風景でして、金管が華やかで派手派手しく鳴って、これからの演目を期待させます。「イタリア奇想曲」って、イタリア騎兵隊のファンファーレは、高らかなトランペットで始まりました。あとは気紛れな楽想が次々と交代していく・・・ナマで聴いて初めて気付いたけれど、Tchaikovskyの作品って、各パート順繰りに大活躍の場があるんですね。弾いていて楽しいんじゃないかな。ホルンいいですね。打楽器は4人ですか?タンバリンがとても効果的(途中から立ち上がるところも)あんな小さな楽器ひとつで全アンサンブルに真っ向勝負!

 休憩後、交響曲へ。「運命の動機」であるホルンが絶望的に鳴り響いて、金管群絶好調です。同行の児島の体操服屋の若旦那曰く「テンポが定まらなかったが、M女史のティンパニが入ると一気にアンサンブルが引き締まる」との分析有。木管はクラリネットの低音が効果的。第2楽章は暗鬱であり甘い雰囲気はオーボエと弦楽器で十全に表現されました。

 第3楽章は弦のピツィカートがカッコ良いっすよ!CDで聴いていると、ただただめまぐるしく弾いているように聞こえるけど、ちゃんと各パート旋律を受け渡すんですね。当然、コントラバスが機軸だし、最高潮のところではチェロは激しいパフォーマンス!(カープ・ファンのお医者である福島さん)フルートの隣で寂しそうに俯いていた女性は、ここでピッコロ登場大活躍。

 最終楽章に打楽器チーム再登場。「イタリア奇想曲」でもそうだけど、大太鼓のハラの底に響き渡るド迫力は、どんな高級オーディオでも再現できません。シンバルは執拗に叫び続け、冷静沈着、正確に、ヴィヴィッドにリズムを刻むティンパニは、ここぞ!というチャンスには金管と連合軍を組んで大爆発を起こしました。(大嶋さんのチューバも響きますねぇ)トライアングルさえ、明確に存在を主張します。

 良くできたカッコ良い作品で、これはナマに限りますな。正直、たいへんに興奮しました。CDなんかメじゃない。アンコールは「エフゲニ・オネーギン」の「ポロネーズ」。2005年7月31日(日)の「夏休みさわやかコンサート」も楽しみです。

(2005年5月15日)

 

【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi