Schubert 即興曲 D899/楽興の時 D780/
3つのピアノ曲(即興曲)D946
(アルフレッド・ブレンデル(p)1962年)
Schubert
即興曲 D899
楽興の時 D780
3つのピアノ曲(即興曲)D946
アルフレッド・ブレンデル(p)
BRILLIANT 93761 1962年録音
Alfred Brendel(1931ー捷克?→墺太利)若い頃の録音を集めたのVOX/Turnabout録音35CDボックスは宝物です。おそらくLP時代、この演奏がこの美しい旋律作品との出会いと記憶するもの。たまたまBeethovenの旧録音は時に音質が気になって、こちらはほとんど問題を感じさせません。1970年代新しい録音のほうも絶品でした。こちら旧録音、どれも万感胸に迫る珠玉の旋律ばかり続いて堪能いたしました。
即興曲 D899第1番ハ短調「Allegro molt moderato」は素っ気なくも淡々としたタッチ、やがて哀しみ安らぎがにじみ出る名曲(8:30)第2番ホ長調「Allegro」は流麗なアルペジオが息付く間もなく軽快に疾走するところ(4:23)第3番変ト長調「Andate」は静かな川面を音もなく、流れるように落ち着いた風情(5:22)第4番変イ長調「Allegretto」には、はらはらと桜が散って水面を流れるような、美しくも悲しい流麗が広がりました。(7:10)
Moments Musicaux→「楽興の時」は先人の名訳。第1番ハ長調「Moderato」は淡々とつぶやいて、やがて優しい歌が続きます。(4:56)第2番変イ長調「Andantino」は落ち着いた静謐と安寧。(5:49)第3番ヘ短調「Allegro moderato」はリズミカルにちょっぴり哀しい「ロシア風歌曲」これが一番有名なところ(1:44)第4番嬰ハ短調「Moderato」はちょっぴりBach風?(4:43)第5番ヘ短調「Allegro vivace」は激しい行進曲風(2:07)第6番「Alleretto」変イ長調は万感胸迫る切ない情感一杯。好みは淡々と早めのテンポ、ブレンデルはそれに近い感じ。(6:27)
「3つのピアノ曲」も絶品揃いでしょう。第1曲 変ホ短調「Allegro assai」はちょっぴり急ぎ足とゆったりとした詠嘆部分の対比(9:02)第2番 変ホ長調「Allegretto」変ホ長調はシンプルに穏健な旋律から、やがてそっと囁くように後ろ向きな名残惜しい旋律は涙もん、これが一番好き。(9:44)第3曲ハ長調「Allegro」は元気闊達晴れやかな表情でした。(5:09)
演奏は知情意バランスよろしく、微細な表情ニュアンスが効果的、大仰に至らず、余裕と余韻、素っ気ない冷たさに非ず。目眩く憧憬の旋律に心奪われました。3つのピアノ曲 D.946は極め付き!語りかけるような奇跡の名曲也。 (2025年5月10日)
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