Prokofiev 交響曲第5番 変ロ長調
(マルコム・サージェント/ロンドン交響楽団)


Everest SDBR 3034 Prokofiev

交響曲第5番 変ロ長調

マルコム・サージェント/ロンドン交響楽団

Everest SDBR 3034 1959年録音

 Malcolm Sargent (1895-1967英国)は生前、たいへんな人気だったとのこと。活躍した年代から考えると残された録音はけっこうな物量でしょう。米Everestの優秀録音は21世紀に現役です。Prokofievはいろいろ気になって興味はあるけれど、結果的にStravinskyほどに聴き込んでいなくて、交響曲だって平易にわかりやすい第1番ニ長調と、この第5番のみ旋律細部馴染んで、残り5曲にお勉強は進んでいないのも情けない。5年ほど前にはクリストフ・エッシェンバッハ(1994年)を感銘を以て拝聴しておりました。三管編成、多種多様な打楽器+ピアノ迄入る賑々しくも明るい、平明な作品。

 第1楽章「Andante」。夜明けの爽やかさ、やがて一日にの活動が始まる予感があるところ。ロンドン交響楽団は厚みのある上手いオケだけど、この録音時首席指揮者不在。サージェントの個性か、イマイチ颯爽にしゃっきりしなくて、アンサンブルはやや緩いと感じました。弦は艷やか、金管の分離よろしく、打楽器が立派に響き渡って、どーも流れがよろしくない、足取りは重苦しい感じ。堂々たる風格を強調しようとして、それが裏目に出た感じか。(13:41)

 第2楽章「Allegro moderato」は剽軽なスケルツォ楽章。ピアノも効果的、各種打楽器の存在感、低音も明瞭に響く優秀録音。ここも前楽章と同じ、どーもノリが悪い。軽妙さに不足する、アンサンブルの精度やらリズムの縦線は甘い感じ。音質鮮明だから、それはいっそう目立つ感じ。同時代作品の熱心な紹介者であったサージェントだけど、Prokofievの個性に似合っていないのかも。(8:30)

 第3楽章「Adagio」は弦が安寧の旋律が歌う美しい緩徐楽章。怪しい陰はあちこち紛れ込んで、管楽器打楽器ピアノが合いの手を入れる対比も興味深いところ。各パートの存在は鮮明に浮き出ても、サージェントの統率問題なのか、例えば思いっきり弦を磨き上げるとか、醜悪な重み対比を際立たせるとか、その辺りの詰めは甘くて”流した”感じ。メリハリやら緊張感にちょっぴり足りません。(10:17)

 第4楽章「Allegro giocoso」はカッコ良い大団円。冒頭序奏管楽器の呼び水に弦が優雅に応えて、この辺りほんまに美しい瞬間でっせ。あとは軽快な主題が無機的なチェロ→管楽器に引き継がれて疾走、低音金管、ピアノの存在感はいままで経験したことのない新鮮なもの。各パートの分離ははっとするほど新鮮。但し、テンションが緩い、盛り上がらぬのが残念。リズムの切迫感に欠け、せっかくのオケの豊かな響きも(音量が上がっても)その威力を発揮できません。油断するといつの間にか尻切れトンボ風に終わってしまう作品、それは危惧した通りの結末となってしましました。残念。(10:16)  ま、この時期にしてたっぷり優秀な音質、各パートの動きを確認するには充分な音源でしょう。

(2021年11月20日)

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written by wabisuke hayashi