BIS Nordic Hits


Grieg「春に」 Knardahl(p)
Sibelius 「トゥオネラの白鳥」 ヤルヴィ/エーテボリ管弦楽団
Roman「シンフォニア ヘ長調」 Sparf(v)/オルフェウス室内アンサンブル
Saeverud「Ballad of Revolt」 Kayser(p)
Sibelius 「The Tryst」 オッター(ms) Forsberg(p)
Grieg「ピアノ協奏曲」より第2楽章「アダージョ」 Po"ntinen(p)/セーゲルスタム/バンベルク響
Sibelius 「悲しきワルツ」 ヤルヴィ/エーテボリ管弦楽団
Nielsen「The Fog is Lifting」 Bahr(fl)
Grieg「過ぎゆく春」 To/nnesen/ノルウエィ室内管弦楽団
Alve'n「Hermeiden's Dance」  Wedin/ストックホルム・シンフォニエッタ
Larsson「田園組曲」より「アダージョ」 Wedin/ストックホルム・シンフォニエッタ
Wire'n「弦楽セレナード」より第4楽章 サロネン/ストックホルム・シンフォニエッタ
Osker「Old Pastral Hymn」 Fagius(or)
Alve'n「真夏の徹夜祭」ヤルヴィ/ストックホルム・フィル
Svendsen「Swedish National Anthem」ヤルヴィ/エーテボリ管弦楽団

BIS BIS-CD-750 C  3枚1,000円で買ったうちの一枚。

 「レコード芸術」の付録にCDが付いていまして、1999年10月号からは1曲あたりの収録時間が少々長くなりました。たしかに、以前よりはマシになってきているけど、やはり「細切れ」はいただけない。サンプルCDは好きなほうですけど、ちゃんと最低限の区切り−小曲とか、楽章まるまるとか−収録してくれないと、欲求不満が高まるばかり。(それで買わせるのが目的なんでしょうが)
 なによりCDを永く所有して、楽しむことにならないと思うのです。一度聴いてお仕舞い、あとはCD買ってね、じゃ、どうももったいない。CDに対して失礼ですよ。

 このCDはBISの宣伝用3枚組のうちの一枚らしく、バラ売りで処分されていました。(もう一枚バロックの特集も買った)小曲ばかりですが、ちゃんと各々完結した音楽になっていて、「尻切れトンボ」がないのが立派。(というか当たり前)たまたま、ですが、どの録音もほぼ聴いたことがなくて、せいぜいサロネンとヤルヴィ、オッターくらい(あ、セーゲルスタムもいましたね)、しかもこの録音は初耳。
 初めて聞くような作曲家もあって(読み方さえわからない。Saeverudってのもワタシのウソ表記で、なんか北欧方面の難しい字)、新鮮な気持ちで楽しめます。録音が素晴らしくて、なんかこのレーベルに好感が持てました。(宣伝大成功)

 エーテボリ響はけっこう録音があって有名になりましたけど、ふだん録音では聴けない団体や演奏家もあってワタシ好み。演奏はほとんど一流で、機会があれば全曲録音買ってもいいな、というのが感想です。北欧の有名どころ、知られざる作品、演奏家もバラバラだけど、それなりのしっとりとした旋律続きで統一感もあります。

 ヤルヴィの「トゥオネラの白鳥」「悲しきワルツ」は定評のある演奏で、エーテボリ響の出世作でしょう。(+「フィンランディア」で昔の17cmLP一枚分。当時でも500円はしたはず)シベリウスのしっとりとした味わいを楽しめますが、歌曲「逢い引き」を一曲足してくれるのがさすが。

 グリーグのピアノ協は有名だけど、バンベルク響の地味で鄙びた音色が鮮明に入っていて嬉しくなりますね。カイルベルトのブラームスでは、音の悪さに悩まされたのでありがたい。ホルンの気のない音色もくっきりとわかります。「春に」におけるノルウェイ室内管は、親密なアンサンブルと鮮明な録音でおおいに泣かせてくれます。
 Alve'n「真夏の徹夜祭」は、北欧音楽には欠かせない名曲で、ストックホルム・フィルの録音を聴いたのは、戦前のフルトヴェングラー以来。一流のアンサンブルです。

 Larsson、Wire'n辺りは、ふだんあまり聴くことのできない作品ですが、NAXOSで安く手に入りますし、現代の作曲家とは思えない親しみやすい作風。

 Romanは18世紀の人。オルフェウス室内アンサンブルって、あのDGから出ている「オルフェウス室内管」とは違う団体なのかな?このCDのなかでも屈指の水準の高いアンサンブルで聴かせてくれます。(1999年更新)

   


【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi