イル・ジャルディーノ・アルモニコ
「Musica Barocca」

Bach
管弦楽組曲第3番ニ長調BWV1068
Albinoni
オーボエ協奏曲ニ短調 作品9/2〜アダージョ
Vivaldi
ピッコロ協奏曲ハ長調 RV.443
Albinoni
ヴァイオリンと通奏低音のための協奏曲〜アダージョ
Marcello
オーボエ協奏曲ニ短調
Telemann
2つのフルート、弦楽と通奏低音のための協奏曲〜グラーヴェ
Pachelbel
3声のカノンとジーグ
伝承曲
グリーンスリーヴス ニ長調
Purcell
シャコンヌ ト短調
Handel
オラトリオ「ソロモン」〜シバの女王の入城
Albinoni
2つのヴァイオリンと通奏低音のためのアダージョ
イル・ジャルディーノ・アルモニコ
Werner 2564 63264-2 (2001年)
Giovanni Antonini(1965-伊太利)率いる Il Giardino Armonicoは1985年創立の古楽器アンサンブル(ミラノ)。
これはぼちぼち20年を経ての再聴。一部「クセが強すぎる」との声があるけれど、このヴィヴィッドな躍動とアクセント強調が古楽器演奏の醍醐味でしょう。音質もオンマイク気味に鮮明、久々にバロックの著名な旋律も、馴染の薄い作品も目が覚めるように新鮮。ありきたりな「バロック名曲集」とは一線を画す企画でした。(かつては自ら情報付加した)ソロの情報がわからない。但し、しっとりとしたAlbinoniの作品のいくつか、調性が表示されないので原曲が特定できません。
Bach Suite no.3 Dは冒頭の仏蘭西風序曲から弾むようなティンパニはアクセントしっかり、ノリノリ、少人数古楽器の技量はキレッキレに快速。かつての堂々たる威容を誇る作品イメージとは、一線を画して軽快にカッコ良い躍動が続きます。しっとり表情豊かに歌う「Aria」も最高、通奏低音の入念なサポートも印象的でした。Overture(6:35)Aria (4:40)Gavotte I & II (3:35)Bourree(1:07)Gigue(2:46)
Albinoni Concerto pour Hautbois op.9 no.2「Adagio」D minor。 伊太利バロックではVivaldiが圧倒的人気だけれど、魅惑のウェットな旋律満載のAlbinoni(1671-1751伊太利)も忘れられない。ちょっぴり粗野にくすんだオーボエの音色は装飾音も豊かに、安寧の旋律を静かに歌いました。前回拝聴時の情報ではPaolo Grazziのソロ。(5:21)
Vivaldi Concerto for Flautino C RV 443はソプラノ・リコーダーが可憐に、目まぐるしい音型を歌い続ける著名な作品。陰影豊かに屈託のないVivaldi魅惑の旋律が躍動します。ソロはジョヴァンニ・アントニーニ。テオルボ?の通奏低音が美しい。Allegro(3:53)Largo(5:19)Allegro molto(2:40)
Albinoni Adagio for solo violin and strings この出典がわからない。泣けるようなヴァイオリンはしっとり纏綿。Enrico Onofriとのソロ情報は裏付けが取れません。(2:04)
Marcello Concerto for Oboe D minor。誰でも知っているいる魅惑の哀愁旋律。通奏低音のオルガンも効果的。
「Andante」躊躇いがちの寂しい旋律に素朴な艶消しのオーボエの音色がなんとも魅力。これもPaolo Grazziでしょうか。(3:07)「Adagio」ここがもっとも有名な映画「ヴェニスの愛」の音楽。自在なソロの装飾音が美しく透明な旋律でした。(3:05)「Presto」細かい音型に、哀しみが疾走するフィナーレ。(3:29)
Telemann Grave for 2 flutes and strings これも出典がわからない(同じ楽器編成から作品を特定する根気がない)。深い哀しみに暮れる骨太のフルートと弦。(4:01)
Pachelbel Canon(3:20)Gigue(1:24)。誰でも知っている名曲。テオルボの通奏低音に快速、素っ気ないフレージング、これが浪漫の洗練を受けぬ本来のスタイルなのでしょう。
Greensleevesはリュートによる静かなソロ。誰でも知っている旋律だけど、途中馴染みのない部分が出現するのも新鮮でした。(1:48)
Purcell Chaconne。これも英国バロックでは著名な弦楽作品。三拍子の低音主題が変奏する深淵な旋律には、テオルボの通奏低音が印象的に絡みました。(4:45)
Handel 「Arrival of the Queen of Sheba」オーボエの軽妙な音色に乗って、屈託なくノリノリの疾走。この明るさ、軽さがHandelの魅力でしょう。(3:15)
Albinoni Adagio for 2 violons and continuo これも出典不明。これも落ち着いた緩徐楽章っぽい。時間掛けてTelemannの作品ひっくり返して確認が必要です。(3:59) (2026年11月7日)
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激安再発売はありがたいけれど単発時代に比べ、デザイン的には少々ツマらない。閑話休題(それはさておき)、古楽器時代を迎えた新たな「バロック名曲集」であります。選曲、演奏とも熟慮され、選り抜かれた先鋭なる一枚。時代は変わりましたね。LP時代には”家庭に常備”すべきバロック名曲集、的なものがあったんです。かつては「過激」と感じたイル・ジャルディーノ・アルモニコが、久々の聴取では違和感まったくなし。ひたすら楽しい!時代の流れとは恐ろしいものです。
Bach 管弦楽組曲第3番ニ長調は、キレとノリノリの快速テンポで開始されます。エンリコ・オノフリ(v)のビートと快い装飾に溢れたヴァイオリンがノリノリに快く、著名なる「アリア」は幻想的に静謐・・・なんだけど、かつて馴染んだ「バスのピツィカート」はどこに行ったの?(楽譜や如何)通奏低音のアルペジオも新たな魅力です。四角四面になりがちな「ガヴォット」も軽快に粋だし、快速「ブーレ」はハズんでおります。フィナーレは圧巻の華やかさに、旋律がふくらんで揺れて・・・棚中、カザルスとかクレンペラーのはちょっと時間を置いて、ノーミソ冷やさないと聴けないな。
オーボエはパオロ・グラッツィの担当。通奏低音はどうもチェンバロだけではないらしい。リュート?テオルボか。ジミで古雅な響きがたまりまへん。流麗ではないが、装飾音の遊びが楽しいですね。Albinoniはもちろんだけれど、著名なるMarcello オーボエ協奏曲ニ短調の哀愁の旋律が胸に染みます。ここでの通奏低音はファゴットとオルガンかな?静謐かつリズムのキレ有。テンポは微細に揺れます。「アダージョ」は「ヴェニスの愛」の映画音楽でした。旋律だけで映画の雰囲気が想像可能。
Vivaldi ピッコロ協奏曲ハ長調はジョヴァンニ・アントニーニがソロを執ります。おもちゃ箱のような賑やかな作品であり、緻密な演奏。調性のワリに暗転がけっこうあるんです。「バロック名曲集」には欠かせぬ「アルビノーニのアダージョ」・・・と思ったら、馴染みの旋律とは全然別物じゃないの。オノフリのしっとり纏綿としたヴァイオリンが、ほんの2分ほど歌いました。もしかしたら(シロウト考えだけれど)残存する楽譜断片から自由に解釈したものかも。
Telemannはマルコ・バロニ+アントニーニのフルートが深々として、やはり伊太利亜音楽とはテイスト異なる独逸系深刻さがありました。Pachelbel「カノン」は旧知の旋律であって、但しリュートの軽快なリズムに乗って快速です。ジーグ入ってこその画竜点睛也。
舞台は英国へ。「スティーヴン・クレオバリーヴズ」はリュートによる(おそらく)原曲であって、担当はルカ・ピアンカ。R.V.Wによる幻想曲ばかり馴染みだけれど、素朴で静謐であります。Purcell シャコンヌ ト短調は、これもBrittenの編曲が有名だけれど、原典による練り上げられたアンサンブルは滋味深いもの。悲劇的な旋律です。
Handel 「シバの女王の入城」は「名曲集」に欠かせないもの。2本のオーボエ(マルコ・セラ/エミリアーノ・ロドルフィ)は、瑞々しい弦楽アンサンブルと楽しげに対話しております。ラスト、Albinoni再登場。これも未知の哀愁であって、CD一枚分をゆっくりクールダウンさせて下さいました。最高。 (2008年6月28日)
【♪ KechiKechi Classics ♪】 ●愉しく、とことん味わって音楽を●
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