Mozart セレナード第13番ト長調K.525「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」
嬉遊曲第15番 変ロ長調K.287(271h)(カラヤン/ベルリン・フィル)


Mozart  セレナード第13番ト長調K.525「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」/嬉遊曲第15番 変ロ長調K.287(271h)(ヘルベルト・カラヤン/ベルリン・フィル)
Mozart

セレナード第13番ト長調K.525「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」
嬉遊曲第15番 変ロ長調K.287(271h)

ヘルベルト・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー

FIC ANC-5(DG録音の海賊盤) 1965年サンモリッツ・ヴィクトリア・ザール録音 中古 250円で購入

 「駅売海賊盤」を堂々とサイトにコメントしている(厚かましい)サイトはここだけでしょう。ことの是非については千度言い訳しているので繰り返しません。正規盤の価格下落に伴い存在の意味を失っているが、今更購入したもの(15年前は@1,000だったんです!)は捨てられないし、オークション処分に出すのも難しい・・・(正規盤購入したので、試しに@250出品したら2枚ほど売れましたが)BOOK・OFFにて@250円登場なら、現在でも入手継続することもあります。なんせ、往年の名演奏ばかりだし、正規盤入手が(既に)難しくなっている場合もありますから。この音源は現役だと思います。このCDは2005年1月(当時ご近所だった)岡山のBOOK・OFFにて入手との記録有。

 これは豊かな残響、ゴージャスなレガート奏法によるハナ持ちならぬMozart であります。若い頃なら「絶対に許せぬ!」的厚化粧オババ登場場末の「倶楽部ヴォルフガング」・・・も〜勘弁してよ、的拒否感があったことでしょう。無垢なる小学生であったワタシを、”クラシック音楽という魔境”に誘(いざな)った「アイネ・ク」も、ここではそう違和感がありません。スタイリッシュで颯爽とカッコよく、余裕の響きであります。著名で普遍的名曲故、演奏スタイルを問わないのか。

 さて、名曲変ロ長調K.287(271h)の嬉遊曲(ディヴェルティメント)では、この演奏をどう捉えるか。聴き手の大きな宿題となります。あくまでカラヤンの流線型の個性を聴くべきか、またはスイス高級避暑地でのサロン音楽として楽しむのか。涼やかで瑞々しく豪華に鳴り響く弦、2本のホルンが広がりと、奥行きをたっぷり付加しました。

 この作品の白眉は第2楽章の変奏曲であって、ツン!とすまして流麗涼やかな厚化粧演奏の”美しさ”纏綿と続いて、極上なこと。第4楽章「アダージョ」はホルンが休んで、天国的な陶酔が待っておりました。コンマスはミシェル・シュヴァルベですか?終楽章は切々としたヴァイオリン・ソロが泣きます。第3/5楽章の「メヌエット」は(結局どの楽章も)同じ表現であり、リズム緩く躍動に欠けます。

 ま、いつも同じ結論だけれど、叶姉妹的脂粉タップリ、でもスタイルはエエよ!的世界も(たまに)悪くないと考えるのか、いえ、Mozart ってもっと素朴な悦びがあるでしょうが、と否定するのか。ここ最近、編成を極限に刈り込んで、軽快スリムなリズムばかり聴いていたので、けっこう堪能いたしました。でも、ま、やりすぎな世界ですな。録音は雰囲気があって、悪くないと思います。但し、いつもいつもでは少々ゲンナリしますね。

(2007年9月14日)


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written by wabisuke hayashi