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Mozart ピアノ協奏曲全集によせて(2)「イェネ・ヤンドー全集」


 「Mozart ピアノ協奏曲全集によせて」という一文を認(したた)めたのが、ちょうど一年前のお正月。ワタシはいつ頃からか「同曲異演」CDを購入することに躊躇(ためら)いは消えました。その中でもMozart のピアノ協奏曲はピカイチのお気に入りで、いったい何枚あるんだろう?数えるのも恐ろしい・・・と、せめて手持ち全集ボックスでも、ちょっと振り返ろうかな?という趣旨でした。

 (蛇足だけど、”ワタシの所有CD一覧です”〜なんつうサイトが一番恥ずかしい!しかも、情報不備だったりして)ええっと、いつもの休日の朝、棚をひっくり返していたらハンガリーの名手ヤンドーのMozart ピアノ協奏曲全集(第二巻 8.506002 6枚組3,990円〜いまならこの価格じゃ買わないよね)が出てきました。これ(c)1991となっているから、1990年代前半に購入したんでしょうね。第26・5番/ロンド ニ長調のコメントも早く(1999年)からワタシのサイトに上梓しておりました。

 なのに!昨年時点では失念!ヤンドーさん、ごめんよ!全集じゃなくて半分しかないから、って遠慮したのかな?で、2003年も押し迫った12月ご近所BOOK・OFFで「第一巻 8.505011」〜5枚組2,500円(一部盤面傷のため更に200円引き)を発見(レギュラー・コーナー)!悩むこと一ヶ月〜毎週訪問の度に、ワタシを切なげに見つめるCDボックス5枚組!(1,980円なら即!)〜とうとう根負けして2004年1月中旬に購入!(って、リキみすぎ!)

 合計11枚6,299円!って全然安くないじゃない、という計算にはなるし、もしかしてNAXOSの新しいBOXセットはもっと安かったかな?という気もするけど、そんな問題じゃない。第7/10番の二台ピアノ用(もうひとりのピアニストはヴァールヨン)+コンサート・ロンド二曲、第1〜4番もちゃんと収録されている全集ってけっこう少ないから・・・

 というのは単なる言い訳でして、本音は買ってみたかっただけ。だって、全集の片割れだけ残っている、ってバカみたいじゃない、中途半端だし。って、コレ「コレクター」意識まる出し。いえいえ、そうじゃなくて全部聴きたかったんです。正直。

イェネ・ヤンドー全集第一巻 8.505011イェネ・ヤンドー全集第二巻 8.506002

 録音は1989/90年。オーケストラはコンチェルト・ハンガリクス(フンガリスクとの読みという説も有)〜1985年にブダペスト響のメンバーを中心に結成!なんて書いてあるけど、その後、活躍してますか?見かけないけど。指揮はアンドラーシュ・リゲティ、マティアス・アンタール、イルディコ・ヘギィが分担。(けっこうしっかりとしたアンサンブル)録音状態良好。

 今朝から聴いた作品。第19/6/8番(アンタール指揮 1990年〜第二巻8.550208)〜上記第1巻を買いに行って、第9/27番(リゲティ指揮 1989年〜第一巻8.550203)、更に第20/13番(リゲティ指揮 1989年〜第一巻8.550201)を確認。なんど聴いても、続けて聴いても飽きはこない。

適正なテンポ、しっかりとした芯のある音色で、曲そのものの味わいを上手に表現しています。音色は地味〜派手さもないし、きらびやかな輝きでもないが〜無駄がない。淡々として、ヘンな思い入れもなく、クセを感じさせない。

 〜コレ、かなり以前に書いたワタシの感想だけれど、ま、この通りですな。時に聴き手の胸が潰れそうになるくらい、繊細な輝きを持ったMozart 演奏ってあるでしょ?ヤンドーはもっと、フツウでして、日常手元に置いて楽しむMozart 。市井の安寧に充ちた生活、ありきたりな幸せは下町の中に、ああ、きょうも一日元気でした、ありがとう・・・風演奏です。けっこう、ありそうでなさそうなテイストか。

 バレンボイムの旧盤って、けっこう雄弁でした。それもMozart 、これもMozart 。技術的にはとてもしっかりとしていて、しかも余計なる切れ味は表出させません。純粋に好き嫌いの問題で、聴いていて思わず身を乗り出すような個性じゃないけど、とても気持ちがヨロしい。少々眠くなったりする・・・(2004年1月12日)

【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi