Mozart フルート協奏曲ト長調(ジャック・ズーン)/オーボエ協奏曲ハ長調(シュニーマン)
/フルートハープのための協奏曲 ハ長調(マルク・グローウェルズ(fl)/ギゼレ・ハーバート(hp))


BRILLIANT	99329
Mozart

フルート協奏曲第1番ト長調K.313(ジャック・ズーン(fl))
オーボエ協奏曲ハ長調K.314(シュニーマン(ob))

レフ・マルキス/新アムステルダム・シンフォニエッタ(1989年)

フルートハープのための協奏曲 ハ長調K.299

マルク・グローウェルズ(fl)/ギゼレ・ハーバート(hp)/バーナード・ラバディー/レ・ヴィオロン・ドゥ・ロワ(1994年)

BRILLIANT 99328   40枚組9,500円で買ったMozart MasterWorksのウチの一枚。

 Mozart MasterWorks(40枚組)を一気購入したのが、1999年。まだスリム仕様ではない時代なので、ドでかいケースを抱えて帰宅した記憶があります。その後、BRILLIANTは170枚組(全集ですか?現相場弐萬円ほど)をスリムボックスで出しており、音源はかなり入れ替わっているみたい・・・木製フルートの名手ジャック・ズーンの音源は含まれません(ペーター・ルーカス・グラーフへ)。故に少々貴重なる存在となった一枚也。

 レフ・マルキスはモスクワに生まれ、収録作品の編曲者バルシャイが1955年に創設したモスクワ室内管弦楽団の初代コンサートマスター兼ソリストとして活躍後、1981年オランダに移住、アムステルダム・シンフォニエッタ(当時の名称はアムステルダム・ニュー・シンフォニエッタ)の初代指揮者に就任しました。・・・とはネット検索結果。なかなか引き締まって、充実したアンサンブルを聴かせて下さっていることは、もう一枚のCDで確認済みでした。なんせルドルフ・バルシャイの弟子筋ですもんね。現代楽器だろうが、たった今現在のサウンドとして違和感なし。

 フルート協奏曲第1番ト長調K.313〜出会いは中学の音楽室(担任が音楽の先生だったので私物化していた)で聴いた、ハンス・マルティン・リンデ(fl)/ハンス・シュタットルマイヤー/ミュンヘン室内管弦楽団(ARCHIV 西ドイツ直輸入盤LP2,300円也/眩しい銀色レーベル)・・・その後、LP時代にはあまり熱心にこの作品を聴いていなくて(ニコレ/リヒターくらいかな?)自分の感触としてはずいぶんと久々の再聴〜それは驚くべき”天翔る”爽快な演奏でありました。

 知名度で演奏を聴いちゃいけないが、ジャック・ズーンはコンセルトヘボウ〜ボストン交響楽団と主席を務め、現在では教職にありつつアバドのルツェルンのオーケストラにも参加しているじゃないですか。映像で拝見すると、黒光する木製フルート(自作らしい)がいかにもカッコよろしい。(楽譜に疎いので聴き間違いかもしれないが、冒頭伴奏からソロが参加してませんか?)それともオーケストラのフルートが上手いのか。ぽってりと暖かいソロは自在に歌います。もの凄いヴィヴラートや華やかな色じゃない(ベルリン・フィルの歴代主席のイメージ有)んだけれど、朗々と健康的であり、明るく太い響きが素敵です。

 我らがヴォルフガングはフルートをあまり好きじゃなかったらしいが、この希望に溢れた健全なる旋律はなんたる魅力!それこそ、リンデ以来この作品に出会って30数年、古楽器系を除けば(あれは別種の感触有)これぞヴェリ・ベストの輝きに溢れます。バックも録音も極上。

 バート・シュニーマンのオーボエは、じつはダブり買いでありまして、既にサイトにコメント済み。”セクシーに微笑んだ明るい音色であり、表情豊かに一点の曇りもないMozart ”ということになります。この人はオーストラリア出身で、あちこち(BRILLIANTばかりではなく)録音がありますね。オランダで活躍しているらしい。これもヴェリ・ベスト。

   問題は、レ・ヴィオロン・ドゥ・ロワでして、カナダ・ケベック州の古楽器団体だそう(いかにも仏蘭西語っぽい名前)。ほんまかなぁ。ワタシの粗雑な耳ではそれっぽくもあり、柔らかく素朴な現代楽器のようにも聞こえる(録音もやや落ちる?)・・・ま、作品は大好きでして、幾度同じコメントをしているはずだけれど、華やかなお嬢様を連想させる音楽。

 いずれ、フルートは(先のジャック・ズーンと大違いで)親密でマイルド、ややこぢんまりと湿っぽいサウンドのソロ。それはハープも同様なマイルドな響きでした。やっぱり古楽器なのかな?(ソロのヴィヴラートは盛大に掛かっているが、バックの弦はいかにも古楽器だ)先の2作品とは、ずいぶん印象が変わって違和感少々ないでもないが、これだけ聴けばかなり好みの演奏であります。

 やはり、馴染みのこの作品のヴェリ・ベストを争う演奏。とくにカデンツァが素敵なんです。棚中別の同作品一枚をオークション処分に出しちゃいました。(ちっとも売れんが)

(2008年12月5日)

【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi